自分で相続放棄はできる?費用はどのくらい?

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なくなった親族に借金が多額にあるような場合や、遺族間での遺産争いに巻き込まれたくない…というような場合には、相続放棄を行うことが考えられます。

裁判所に対して「私は相続には関わりません」という意思表示を行うことで相続放棄を行うと、法律上は相続人となる人であっても最初から相続に関して無関係とみなしてもらうことができます。

相続放棄は弁護士などの法律家に相談して手続きを行うケースが多いですが、自分自身で行うことも可能です。

ここでは自分で相続放棄を行う場合の手続きや注意点について解説させていただきます。

相続放棄を自分でやる場合の手続き

相続放棄を行うためには以下のような法律のルールに従わなくてはなりません。

手続きが適正に行われていないと後から相続放棄の無効を主張されてしまったり、想定外の相続税の負担を求められてしまったりする可能性がありますから注意しておきましょう。

手続きを行う場所

相続放棄の手続きは、亡くなった人が住んでいた地域を管轄していた家庭裁判所にいき、申述という手続きをとることで行います。

住所地を管轄する家庭裁判所は裁判所のホームページで確認することができます。

費用

相続放棄の申述を行う場合、申し立てを行う人1人につき800円の収入印紙を購入しなくてはなりません。

収入印紙は購入して消印を受けることで納入したことになりますので、裁判所内の販売所で購入し、申述書に貼り付けて提出するということで納入しましょう。

なお、後日に家庭裁判所から送られてくる書類を郵送してもらうための郵便切手代(数百円です)が必要になりますので注意してください。

手続きを行える人

相続放棄の申述を行うのは、原則として相続人となる本人です。

ただし、相続人となる人が未成年者である場合や、事理弁識能力が不十分である場合には法定代理人(未成年者の場合は親、成年で事理弁識能力が不十分な方の場合は成年後見人など)が手続きを行います。

しかし、亡くなった人に妻(子供の母親)と子供1人がいるといったように、親が子を代理すると子の相続人としての権利を侵害してしまうような場合には、親であっても子供を代理して相続放棄を行うことはできません。

この場合には家庭裁判所に特別代理人を選任してもらい、その人が未成年者を代理するという形で相続放棄を行うことができます。

手続きの期限

想像放棄は「相続があったことを知った日から3ヶ月以内」に行わなくてはなりません。

この期限を過ぎてしまうと相続を認めたものとして扱われてしまいますので注意しましょう(ただし、あとで解説させていただくように例外的に延長が認められるケースがあります)

必要書類

想像放棄を行うためには以下のような書類を家庭裁判所に持参しなくてはなりません(相続放棄申述書は家庭裁判所に備え付けてあります)

相続放棄申述書
相続放棄を行う人の戸籍謄本
亡くなった人の住民票の除票

戸籍謄本や住民票の除票は住んでいる地域の市役所で発行してもらうことができます。

自分で行う場合と専門家に依頼した場合の費用比較

相続放棄の費用は、自力で行なった場合には上でも説明させていただいたように収入印紙代800円に郵便切手代をプラスした金額ということになります。

一方で、相続放棄を行うべきかどうかの判断が難しいような場合には弁護士などの専門家に相談した上で相続放棄の手続きを行うことが考えられます。

専門家に依頼した場合の費用相場

相続放棄に関する相談は弁護士または司法書士にすることが多いです。

専門家に依頼した場合には以下のような相場の費用が発生することが多いです。

相談料      :1時間に3000円〜5000円程度
相続放棄申述書作成:5000円程度
戸籍謄本の取得等 :実費
代行手数料    :3万円程度

単純承認になってしまわないように注意

相続放棄というのは簡単にいうと「自分は相続人ですが、相続はしたくありません」という意思表示をすることです。

日本の法律では、自分の意思に反して財産を取得したり負債を負ったりすることはないという建前になっていますから、期限内に相続放棄を行えば自分の意思に反して遺産を相続することはないというのが原則です。

しかし、法律上相続人となる人が以下のような行為を行なった場合には、「この人には相続をする意思がある」と判断されて相続放棄ができなくなってしまうことがあります(これを単純承認といいます)

遺産の一部または全部を処分した時
遺産を隠したような場合
相続放棄の期限が過ぎた時
一定の還付金等を請求した時

上の「一定の還付金等」というのは介護保険や健康保険の還付金や、世帯主以外の人が受け取る高額療養費などが該当します。

遺族年金や生命保険の死亡保険金は受け取っても単純承認にはあたりませんが、一定の種類の死亡退職金などは退職金規定の内容によっては単純承認とみなされることがありますから注意しておきましょう。

相続放棄の期限が過ぎてしまったらどうする?

上でも説明させていただいた通り、相続放棄は「相続があったことを知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所に対して申述するという形で手続きをしなくてはなりません。

もしこの期間を過ぎてしまうと、原則として相続を承認したものとみなされてしまい、なくなった方の借金を含む財産の相続をすることになります。

ただし、以下のような場合には相続放棄の期限についての延長措置が認められることがあります。

「相当の理由」があると判断される場合

例えば亡くなった方の財産の状況を調査するのに時間がかかる場合など、相続放棄をすべきかすべきでないかの判断ができなかったことに無理のない事情がある場合には、期限後に相続放棄をしても認めてもらうことができるケースがあります。

例えば、故人が借金していたことを隠していて、債権者から請求された時に初めて借金の存在を知ったという場合のように、あなたが「期限内に相続放棄の手続きを行えなかったことに相当の理由がある」と判断してもらえるような場合が該当します。

ただし、こうしたケースはあくまでも例外的な措置で、相続放棄の期限についての大原則は「相続があった日から3ヶ月」ですから、期限が過ぎてもある程度は大丈夫、と安易に考えてしまうと思わぬ不利益を被ってしまう可能性がありますから避けなくてはなりません。

判断に迷うようなケースでは弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

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