遺言書の種類はどんなものがあるの?

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相続をめぐる争いを避けるために最も有効な方法の1つとして「遺言書」があります。被相続人(亡くなった人)が遺言書を作ろうと思った場合、まずどのような方式があるのかを知っておかなくてはなりません。

特別方式遺言とは?

遺言書の作成方式には大きく分けて「普通方式」と「特別方式」の2種類があります。普通方式は日常の生活を送る中で書かれる遺言書を、特別方式は日常とは異なる状況のもとで書かれる遺言書を想定した方式です。普通方式の中には、「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」があり、中でも多く使われる方式が公正証書遺言と自筆証書遺言となっています。特別方式の中には、臨終の状態にあることを想定した「一般危急時(臨終)遺言」と「難船危急時(臨終)遺言」、そして隔絶された場所にいることを想定した「一般隔絶地遺言」「船舶隔絶地遺言」がありますが、特別方式はいずれも利用されることがきわめて稀であるといえます。

自筆証書遺言は全文自筆で!

普通方式の中でも一般的なものといえる自筆証書遺言について見てみましょう。自筆証書遺言は、自宅で自分の準備した筆記具などで書くことができるので遺言者としてはとても手軽な方法と思えるのですが、最大の欠点は「自宅などで保存されるので改ざんのおそれがある」「見つけた人が破り捨ててしまえばなかったことになってしまう」「真に本人が書いたものかどうかで死後、争いになることが非常に多い」「法的に有効になるための条件がいくつもあるので、遺言書が見つかっても結局無効になることが多い」などです。つまり、中途半端な知識と状況で書いた自筆証書遺言は逆に相続人の争いを誘発することにすらなってしまうわけです。次に、最低限、知っておかなければならない自筆証書遺言のルールを確認してみましょう。「全文を自筆で書く(ワープロは不可)」「署名する(芸名やペンネームがあればそれでもOK)」「日付を正確に入れる(〇歳の誕生日などでも日付が特定できればOK)」「押印する(認印でもOK)」といったものがありますが、ポイントとしては書いた人、書いた日、対象の財産をきっちりと特定し、読んだ人を決して迷わせない内容にするということです。

公正証書遺言は確実でおすすめな方法

もし、数ある遺言の種類であえておすすめするのであれば公正証書遺言です。公正証書遺言は手数料こそかかりますが、公証役場で公証人の面前で面談の形式を取るため本人確認もしっかり行いますし、真に本人が望んだ遺言内容であるかということも確認してくれます。つまり、これは本当に本人が書いたものなのか、本人がこの内容を望んでいたのかという前提に関する争いをしなくて済むわけです(それでも公正証書遺言の有効性を争う事例もあります)。ただ、公証人は遺言の中身が相続人全体に対して公平なのかといったことについて保証しているわけではありませんので、遺言内容の適切さということは次の問題になってきます。しかし、遺言書自体が本物であるという保証が得られることは相続手続き全体がスムーズに進むためには非常に重大な事柄ですから、特に争いの危険がある家庭では公正証書遺言作成は必須事項といえるでしょう。

あまり利用されていない秘密証書遺言

秘密証書遺言という方式は、自筆証書遺言と公正証書遺言をミックスしたような方法です。遺言書を遺言者が自ら書き、それを公証役場に持参して自分の遺言書であると証明してもらうのです。ただ、この場合は2人以上の証人の立会が必要になりますし、手数料も必要になるため、そこまでやるのであれば公正証書遺言にするという人も多く、実務的にはあまり利用されていないのが実情です。強いてメリットを挙げるのであれば、遺言書の内容を知られたくないが存在の記録を残したいという人に向いているということでしょう。
遺言書は作り方を間違えると相続人の憶測を呼んで無用な争いを招き、むしろ最初から存在しない方が良かったということすらあるのです。自分で作ると何か問題が起こるのではないかと不安になる人は文案も含めて専門家に任せた方が安心できます。

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