相続 チェックリストを活用しよう!

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相続が発生し、相続税の申告を行う際には非常に煩雑な計算や確認事項が存在します。
相続税の申告書が完成して、提出をする前に本当に間違いがないのかどうか、税務的に有利な方法を選択できているのかを検討する必要があります。

相続税の申告のためのチェックシートを活用しよう!

このようなときに、国税庁の公表する「相続税の申告のためのチェックシート(平成28年分以降用)」を使用することは非常に有効です。国税庁のホームページ内の下記のアドレスよりダウンロードすることができます。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sozoku/checksheet2015/pdf/28-01.pdf

相続税に関する調査事例 申告漏れ等はどのくらい?

平成29年11月に発表された、昨年の相続税に関する調査事例は12,116件でした。

平成28事務年度であれば2年前の平成26年度に発生した相続を中心に調査されます。

この調査の結果、上記の実施件数のうち申告漏れ等があった件数は9,930件に及びます。

非違割合を計算すると82%にも上ります。

いかに相続税の申告においては間違いや申告漏れが発生しやすいかが確認できると思います。

チェックシートの重要性

このような申告漏れ等を減らすために、申告書を提出する前に上記のチェックシートにて内容をチェックすることをお勧めいたします。

実はこのチェックシートは、提出義務のある書類ではありません。しかし、チェックシートのタイトルのすぐ下の部分には次のような記載があります。

「申告書作成に際して、検討の上、申告書に添付してご提出くださるようお願いいたします。」

税務署側は、間違った申告を行わないためにこのチェックシートでのチェックをお願いしているのです。

通常、法人税や所得税などの税務調査はランダムに対象が選出されます。

ある東京都内の税務署の調査官の話によれば、50音順で部署ごとに担当企業が割り振られているとのことでした。過年度の税務調査の結果や、その年に特に力を入れている業種、決算書に明らかに異常値が見られる会社を除いてはランダムに調査対象が選出されているようです。

場合によっては、申告是認で調査が終了するケースも珍しくはありません。

ところが、相続税の調査対象の選出方法はこれとは異なるようです。

そもそもの申告件数が他の税目の申告に比べて圧倒的に少ないです。

近年、基礎控除の金額が大きく下がるという税制改正がありましたが、それでも相続税の申告義務がある人はそう多くはありません。

提出された申告書の内容を吟味して、非違がありそうな案件に関して優先的に調査されることとなります。

つまり、税務署の心証が非常に重要となっています。

今回のチェックシートについて法定された書類ではないので、提出しなくともただちに義務違反とはなりませんが、いたずらに税務署の心証を悪くする必要はありません。

同様の理由により、各項目の意味するところが不明な場合には安易に回答することなく専門家に相談するようにしましょう。

明らかに申告内容とチェック内容が異なる場合には、ほかにも間違いが存在するのではないかとの疑念を生じさせることとなってしまいます。

チェックシートの内容について

今回のチェックシートには例えば次のような項目があります。

相続財産の分割等について、4つの検討項目が確認できます。

相続において、遺言書の有無などはもっとも影響の大きい項目で、ある場合とそうでない場合はその後の流れが大きく異なります。

必ず検討して、チェックをつけましょう。

相続財産については41個のチェック項目があります。

対象となる財産の漏れは、それにすこしでも金額的価値がある場合、すぐに追徴税額が発生する可能性があります。

相続においては、被相続人が予期せず亡くなってしまうケースも多々あります。

本人しかわからないような内容の財産も存在します。

そのような財産を含む一式を、残された相続人が整理して申告することになりますから、特に財産の検討については非常に多くの項目が割かれています。

反対に債務や葬式費用などの、金額的マイナスの影響がある項目は全部で5つしかありません。

このあたりは、税務署側が用意したチェックシートであり納税者が有利になるような配慮が少ないことがうかがえます。

この次には、生前贈与財産の加算の関係、各種財産の評価の関係、各種特例に関する項目が並びます。

最後に

被相続人の氏名と相続人代表の氏名等を記載することになります。

被相続人については、同時に申告書を提出しますので氏名のみの記載です。

反対に相続人代表については、連絡先や住所まで記載することとなります。この「相続人代表」に指名を記載することによって、他の相続人に比べて何か法的に権限が強くなったり、反対に責任が大きくなったりするのかと考えがちですが、単なる連絡の窓口としての役割しかありません。

なにしろ本人は亡くなっていますので、相続人の誰かに連絡を取る以外方法がないのです。また、関与税理士を記載する欄があり、所在地や氏名、連絡先の記載項目があります。

相続税の申告は複雑で、非常に多くの検討項目が存在します。

相続財産が現金のみの場合であるなど評価の方法が容易な場合や、有利不利の出にくい財産の構成である場合は十分に相続人が申告書を作成・提出することも考えられます。

実務上は、このようなケースはまれだと思います。基礎控除を上回るような財産を持っている場合は、その内容も多方面にわたることがほとんどです。

このような場合には、税理士に相談するなどして専門家に手続きを依頼したほうが良いと思います。

相続に詳しい税理士などは、事務所独自のチェックシートや、所属する税理士会独自のチェックシートを利用することもあります。

今回のチェックシートはあくまでも必要最低限度の検討項目しかないことには注意が必要です。

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