実取得の相続分(じつしゅとくのそうぞくぶん)とは、相続する人が実際に相続した割合のことです。法定相続分とは異なる割合になる場合があります。
用語の意味
相続税法における「実取得の相続分」とは、法定相続分が民法で定められた権利の割合であるのに対し、実際に遺産分割により取得した財産の割合を意味します。
相続税の計算においては、各法定相続人が法定相続分に応じて遺産を取得したものとみなして相続税の総額を計算したうえで、各人の税額はその総額を実取得の相続分に応じて実際の取得者に按分算出します。
「実取得の相続分」のベース
「実取得の相続分」は、基礎控除前の「各人が取得した正味の相続財産」をベースとします。
「実取得の相続分」と納付額計算
「実取得の相続分」に応じて各人の算出税額を計算したのち、以下に掲げるような控除・加算・納税猶予を加味したうえで、各人の納付税額を計算します。
- 暦年課税分の贈与税額控
- 兄弟姉妹等に対する相続税額の2割加算
- 配偶者に対する相続税額の軽減
- 障害者控除・未成年者控除・相次相続控除、外国税額控除
- 相続時精算課税に係わる贈与税額控除
- 農地等納税猶予