相続放棄パーフェクトガイド!手続きから注意点までを徹底解説!

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  1. 相続放棄とは?
  2. 相続放棄の注意点
  3. 相続放棄すべきケースとは?
  4. 相続放棄のデメリット
  5. 相続放棄の手続き方法
  6. 負債があるなら検討したい相続放棄と限定承認
  7. 相続放棄と限定承認の違い
  8. 相続放棄と限定承認の手続きの流れ
  9. 相続放棄と限定承認の方法
  10. 限定承認の時の注意点
  11. 相続放棄と限定承認の期間
  12. 相続放棄期限を延長する方法
  13. 相続放棄の期限に関する基本ルール
  14. 「相続の開始があった」とは?
  15. 相続放棄はどのように行う?
  16. 期限を過ぎてしまうことが多い具体的なケース
  17. 相続放棄期限を延長するための条件
    1. 1 まだ期限は来ていないけれど、まにあわないことが明らかな場合
    2. 2 すでに期限が過ぎてしまっている場合
      1. 1.相続財産がないと思っていたこと
      2. 2.相続財産がないと思ったことに相当な理由があること
  18. 相続放棄の費用
  19. 専門家からのアドバイス

相続放棄とは?

法定相続人となった場合に、初めから相続人ではなかったことにするのが相続放棄。マイナスの財産はもちろん、プラスの財産も受け継ぐ権利を放棄することになり、相続放棄者の子や孫に代襲相続は行われず、残った相続人で遺産を分割することになります。

「相続放棄」とは、ある被相続人の相続につきプラスの財産および負債の両方を引き継がないという意思表明のためにする手続きです。よく「遺産分割協議」と混同している人がいるのですが、「相続放棄」は家庭裁判所に所定の相続放棄の申し立てをして初めて認められるものです。相続人同士でだれが遺産を相続するかを話し合うことは「遺産分割協議」をしているに過ぎないのであり相続放棄ではありませんから、その場合は相続人の誰も借金を免れることはできません。借金はあくまで債権者という相手のあることなので、相続人(=義務を持つ側の人間)だけで「誰が借金を免れる」と勝手に決めることはできず、そのようなことは債権者の同意があって初めて認められるのです。
もし相続放棄が家庭裁判所に認められた場合、「その人は最初から相続人ではなかったものとみなされる」という効果が生じます。

相続放棄の注意点

相続放棄した場合は法的に取消事由がない限り、それをなかったことにすることはできません。つまり、どのような影響があるかをよく考えてからするべきなのです。では具体的にどのようなことが起こってくるのでしょうか?
たとえば、同順位の相続人がいる場合はその人の取り分が増えます。父が亡くなり母と子供2人が相続人になる場合、母が2分の1、子供はそれぞれ4分の1ずつというのが法定相続分(民法で定められた相続分)ですが、子供のうち1人が相続放棄すれば母ともう1人の子供が2分の1ずつとなります。
そして、もし上記の例で子供2人とも相続放棄した場合は、次順位の相続人である直系尊属(父母や祖父母)が相続人となります。同様にそれらの人たちもすべて相続放棄すればそのまた次順位である被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。ちなみに配偶者は離婚や先に死亡していない限りこれらの者と一緒に相続人となります。
つまり、自分たちの相続によって親戚の中の予期せぬ人に相続権が回っていくこともあるため、相続放棄する際に次が誰になるのかを考えた上でその人に事情を説明しておく方がよいということです。実務上では、相続放棄を受け付けた家庭裁判所の職員が「必ず次の順位の人に話しておいてください」と念を押してくれるようなこともあります。
また、親の相続を自分が受け取らずに自分の子供(自分の親から見た孫)に直に相続させたいと思って相続放棄しても、自分の子供が代襲相続することはできないということにも注意が必要です。代襲相続というのは自分が親より先に「死亡した」場合に自分の子供が自分に代わり親の相続を受けられるというものです。つまり相続放棄は代襲相続の対象になる事由ではないということなのです。
そして、これもよく誤解されるのですが、相続放棄したら親がかけていた死亡保険金を受け取ることはできないのではないか?ということです。しかしこれは相続放棄した人でも受け取ることができることになっており、家庭によってはそのことが兄弟の不和を招くこともあります。よって、保険金を受け取れる人が相続放棄する場合、もらえる保険金とのバランスや他の兄弟との関係もよく考慮してから手続きする方がよいといえます。

相続放棄すべきケースとは?

相続放棄すべきケースで一番わかりやすいのは、相続財産と負債を比べて負債の方が多い場合でしょう。ただ、そのような場合に限ったことではありません。たとえば被相続人もしくは周囲の相続人との関係が悪くて、手続きでの書類のやりとりなどもしたくない、どうせたいした金額の財産でもないから相続に一切関わりたくないなどの理由で相続放棄する人もいます。
相続放棄は基本的に他の相続人と話し合ったりせずに自分1人でもすることができますし、次順位の相続人に知らせるべき場合でも手紙などで済ませることもできます。家族関係という点でいえば、長年音信のなかった前妻の子供が父親の相続を放棄するといったパターンなどはよくみられます。

相続放棄のデメリット

相続放棄には借金を免れられるという大きなメリットがある反面、もちろんデメリットもあります。たとえば先祖代々から受け継いだ不動産や自分の思い入れのある実家であっても当然手放さなければならないわけであり、自分でそれを選択することはできないのです。
また、自分の相続放棄により親族に思わぬ迷惑をかけることがあります。もし法律上、第一順位相続人(子供)が全員相続放棄すれば、相続権は第二順位(親や祖父母)に移ります。これらの人がいないか、全員相続放棄すれば相続権は第三順位(兄弟姉妹)に移ることになります。よって、もし相続放棄する際には自分が放棄したことにより次に相続権を持つ人に「負債も含め相続権が移ること」を伝えておいてあげるべきといえるでしょう。
ただ、相続放棄が認められるのはそれほど実務的に難しいことではないですし、デメリットは上記以外には目立ったものはないといえます。ちなみに相続人の中で特定の人が受取人に指定されている生命保険の死亡保険金については、たとえ相続放棄したとしても受け取ることができます。

相続放棄の手続き方法

具体的に相続放棄はどのように手続きしたらよいのでしょうか。気をつけるべきなのは期間の問題です。自分が相続人となったことを知ってから3カ月以内というのが原則的な期間制限です。ただ、財産調査に時間を要することがはっきりしているような場合は、あらかじめ家庭裁判所に許可をもらった上で期間を伸長できることもあります。「知ってから3カ月」ですから相続の事実自体を知らなかったような場合は、知ってからカウントすればよいのです。ただし知った日付を証明できるように債権者や親族からの手紙などは残しておいた方がよいでしょう。

相続放棄は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に「申立書」と戸籍等の添付書類を提出して行います。裁判所の各種フォーマットは裁判所ホームページでダウンロードできるほか、裁判所に直接行ってもらうこともできます。裁判所に出向いた際に自分のケースではどこまでの書類が要るのか、いくらくらいかかるのか、書類をどのように記入したらよいのかなどを教えてもらうのもよいでしょう。しかし、慣れない人にとって書類作成や準備は非常に時間がかかり、かつミスも発生しやすいものですから、できれば戸籍などを集める段階から専門家に頼んでしまった方が無駄なく手続きが終わります。

相続放棄の難しいところは、「財産と負債調査がうまくできるか」ということと「3カ月以内に守備よく書類を揃えて申立てができるか」という2点になるでしょう。相続放棄がうまくいくかどうかで場合によっては何千万円の負債を免れられるかどうかが決まることもありますので、不安な人は早めに専門家に相談してみましょう。

負債があるなら検討したい相続放棄と限定承認

負債があるなら検討したい相続放棄と限定承認
もしもプラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合、相続放棄と限定承認という方法があります。相続放棄とは、文字通り一切の相続を放棄すること。放棄すると相続人でなかったことになり、その子や孫などが代襲相続することもできなくなります。これはマイナスの財産しかないことがはっきりしている場合に有効です。一方、限定承認とは、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐことを前提にする方法です。マイナスの財産が多かった場合は超過分を支払う必要がないので、負債がどのくらいあるかわからないときに有効です。しかし、限定承認は相続人全員が合意して共同で行う必要があります。この相続放棄と限定承認は、相続開始から3カ月以内に家庭裁判所で手続きしなければなりません。もしも3カ月を過ぎてしまうと、無条件に相続することになるので気をつけましょう。

相続放棄と限定承認の違い

相続放棄と限定承認の手続きの流れ

相続放棄と限定承認の方法

「相続放棄」は相続開始を知ってから3ヶ月以内に被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を提出して行います。よく「相続人の間で財産に関する話し合いをし、自分は財産をもらわないことになった=相続放棄した」と誤解されていることがあります。しかし、これは単なる「遺産分割協議」であり、相続放棄とは異なります。裁判所への所定の手続を踏んで「相続放棄申述受理証明書」を交付してもらって初めて相続放棄は正式に成立したことになるのです。申述書の他に被相続人との関係を示す戸籍などを添付しますが、個々のケースで必要になる戸籍の範囲が異なるため、家庭裁判所に申述書のフォーマットをもらいに行き、その際に必要書類と記入方法を相談するのがおすすめです。

「限定承認」も、やはり相続開始を知ってから3ヶ月以内に被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「限定承認の申述審判申立書」および「財産目録」を提出して行います。限定承認については相続人全員が共同でしなければならないため、一人でも反対する者がいれば手続自体を行うことができません。

限定承認の時の注意点

限定承認は、プラスの財産が多かったとわかった場合にのみもらえるという、相続人からすると一見とても便利で得な手続のように見えますが、いざ実行しようとすると手続自体がお金も手間もかかり非常に大変です。上記のように相続人全員が賛成し、協力するという条件を満たさなければならない上に、財産目録を作ったり、不動産などの財産を精算したりという手続が必要になるため、相続放棄のように単純にはいかず、ほとんどのケースで弁護士などの専門家を通じて行っているのが実情です。大体の流れとしてはこのようになります。

  • 1、家庭裁判所に申述書を提出する
  • 2、家庭裁判所から審判書の謄本が交付される。
  • 3、相続債権者に対し、債権届出の公告を行う(つまり、被相続人に対し何らかの債権があった人は申し出て下さいというお願いをする)。
  • 4、配当弁済の手続きを行う(債権者に対し、債権額割合に応じて配当する)。基本的に不動産もここでお金に換えて配当に回すことになる。ただし、どうしても住み続けたいなどの理由で不動産を残さなければならない場合、裁判所が選任した鑑定人のつけた金額に従った金銭を弁済すれば競売を免れられることもある。
  • 5、残余財産の処理をする。

これだけの過程すべてを行わなければならないので半年以上かかることも珍しくないのです。金銭面を見ても弁護士に頼むとなると最低限、着手金のみで20万円から30万円くらいはかかると考えられ、これにプラスして承継できた(残存した)相続財産の10%くらいの報酬はかかることが普通でしょう。ただ、報酬額は事務所によって異なりますので、依頼前に自分のケースではいくらくらいになるのかという見積を取ることが必須です。

相続放棄と限定承認の期間

「相続放棄」は上記のように相続開始を知ってから3ヶ月以内に被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を出して行いますが、財産と負債のすべてを調べ上げるのにたったの3ヶ月では足りない、と感じる人もいるでしょうし、実際に間に合わせるのが厳しいこともあります。こういった場合はあらかじめ家庭裁判所に相談をし、正当な理由があると認めてもらえれば期間を伸長する手続を取れることもあります。このような場合にも裁判所へのきちんとした説明が必要ですから、やはり専門家を介した方がスムーズでしょう。

「限定承認」についても相続開始を知ってから3ヶ月以内という制限がかかっていますが、相続放棄と同様に事情により期間伸長が認められる場合があります。

ただ気をつけなくてはならないのは、3ヶ月の期間内であってもすでに相続財産の全部または一部を処分してしまっていれば「単純承認」といって、相続を承認したとみなされてしまうことです。よって、負債総額がはっきりわからないうちは決して相続財産には手をつけないことが肝心です。

相続放棄期限を延長する方法

半年前に亡くなった家族に多額の借金があることがわかった。借金の支払い義務を引き継ぎたくないので相続放棄をしたいけれど、法律上の期限は3ヶ月以内ということになっているらしい…。

相続は土地や建物のようなプラスの財産だけではなく、亡くなった方が追っていた借金などの負債も対象になりますから注意が必要です。
もし相続財産として残されているのが借金だけという場合や、プラスの財産もあるけれど借金の方が金額的に大きい…というような場合には相続放棄という手続きを行うことでこれらの負担から逃れることが可能です。
ただし、相続放棄を行えるのは「親族が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内」という期限がありますから、この期限が近づいている時やすでに過ぎてしまっているときには相続放棄の期限延長が認められないかどうか?を検討する必要があります。

相続放棄の期限に関する基本ルール

相続放棄の期限に関する原則的なルールについて簡単に確認しておきましょう。
民法915条1項によると、相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」とされています。

「相続の開始があった」とは?

「相続の開始があった」というのは簡単にいうと自分の親族が亡くなったということです。重要なことは単純に「相続の開始があったとき」ではなく「相続の開始があったことを『知ったとき』」となっていることです。
例えば平成29年1月1日に家族が亡くなった場合でも、その家族の死亡を知った日が平成29年3月1日であったという場合には、相続放棄の期限の計算はこの3月1日からカウントすることになるのです。
相続があったことを知っていたかどうかの判断は葬儀を行った人からあなたに対して出された通知などを証拠書類とするなどして個別具体的に判断されることになります。

相続放棄はどのように行う?

実際に相続放棄の手続きを行いたいときには、亡くなった人が生前に居住していた地域を管轄している家庭裁判所で手続を行わなくてはなりません。
実際に相続放棄の手続きを行う際には、相続放棄申述書という書面を作成し、戸籍謄本などの書類を添付した上で家庭裁判所の窓口に提出する必要があります。

期限を過ぎてしまうことが多い具体的なケース

3ヶ月間の相続放棄の期限が過ぎてしまう具体的なケースとして多いのは、「親族が亡くなったことは知っていたけれど、自分に相続の権利があるなんて知らなかった」というような場合です。
相続があったことの「事実を知らなかった」という場合には期限の計算はスタートしませんが、「相続ができるという法律上の権利内容について知らなかった」という場合には期限計算は原則どおりに進行してしまいます。
そのため、この場合には次で説明させていただく相続放棄の期限の延長ができないかどうかを検討する必要があります。

相続放棄期限を延長するための条件

相続放棄の期限が過ぎてしまう可能性がある場合に、期限を延長してもらう具体的な方法について解説させていただきます。
相続放棄の期限延長が問題となるケースとしては、1 まだ期限は来ていないけれど、まにあわないことが明らかな場合と、2 すでに期限が過ぎてしまっている場合、の2つが考えられます。

まだ期限は来ていないけれど、まにあわないことが明らかな場合

期限が来るのはまだ先だけれど、財産の調査に時間がかかるために期限までには相続放棄や限定承認の判断ができないのが明らか…というような場合には、裁判所に対して期間延長を申し立てることで3ヶ月間期間を延長してもらうことができます(裁判所の判断によってさらに長い期間の伸長が認められるケースもあります)
これを熟慮期間の伸長といいますが、事情がある場合には、3ヶ月が経過した後にさらに熟慮期間の伸長を申し立てることも可能です。
熟慮期間の伸長は裁判所に対して申立書を提出するとともに、戸籍謄本や住民票などを添付する必要があります。
相続人となる人が複数人いる場合には、それぞれの人が別個に伸長の手続きを行わなければならないということにも注意しておきましょう(1人が代表して手続きを行うということはできません)
申立書には熟慮期間の伸長が必要である具体的な理由などを記載する必要がありますから、法律的な手続きの経験がないという方は弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

すでに期限が過ぎてしまっている場合

すでに3ヶ月間の相続放棄の期限が過ぎてしまっているという場合には、裁判所に特別に期限の延長を認めてもらうことができないかを検討することになります。
相続放棄のための期限の延長が認められるためには、次の2つを満たす必要があります。

1.相続財産がないと思っていたこと

相続放棄の期間延長を認めてらもうには、自分が相続する財産が存在しないと思っていたことが必要です。
具体的には亡くなった方が借金の存在を隠していて、亡くなった後数ヶ月間して債権者から相続人宛に請求書が届いたようなケースが特に多いでしょう。

2.相続財産がないと思ったことに相当な理由があること

延長が認められるためには、相続財産がないと信じていたことについて相当な理由があると裁判所に判断してもらわなくてはなりません。
具体的には、遠方に居住していて被相続人の生前には連絡を数ヶ月に一度しか取っていなかったような場合などが該当します。
一方で、もし被相続人と生前同居していたような場合には、延長を認めてらえない可能性が高くなりますので注意しましょう。

相続放棄の費用

相続放棄の手続きは、被相続人の住んでいた地域の管轄の改訂裁判所で申述という手続きを取っていきます。申し立てを行う人一人につき800円の収入印紙がかかります。

専門家からのアドバイス

司法書士:田中千尋

相続開始から3カ月以内の手続きが大切

相続税の申告期限は「その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内」と定められています。相続の開始があったことを知った日とは、通常、「被相続人が死亡した日」です。一方、相続放棄や限定承認は、相続開始=被相続人が死亡した日から3カ月以内に行うことが定められています。ただし、相続放棄は「相当の理由」があれば期限が切れた後でも相続放棄を行うことができるという考え方があります。それは、たとえば生き別れた親の死亡を知らされずに3カ月が過ぎた場合などで、裁判所の判断により「相当の理由」が認められることが必要です。とはいえ、こういったケースはまれなので、くれぐれも3カ月の期限は守りましょう。

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