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遺言(いごん)?遺言(ゆいごん)?読み方について

監修者:本間 剛 (行政書士)

「遺言」という漢字は、「いごん」と読まれたり、「ゆいごん」と読まれたりすることがあります。

どちらかが正解で、どちらかが間違いなのでしょうか?

または意味の使い分けがあるのでしょうか?

この疑問を、相続の専門家が動画と文章でしっかりと解説します。

遺言とは

遺言とは、遺言を残した人が亡くなった後に、財産の分割について揉めないようにするための書類です。

遺言というと、死ぬ直前に単なるメモ書きをしたようなものを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはそのようなメモ書きでは法律上の遺言としては意味をなさないことが多いです。

船の上や、負傷時の危篤時など、特別な方式での遺言が認められていることもあります。

しかし、それも形式や立会人などの規定があるので、単なるメモ書きだと遺言としての効力は厳しいと考えられます。

法律上効力のある遺言は、種類と形式が定められています。

具体的には、普通方式の遺言(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)、特別方式遺言(危急時遺言、隔絶地遺言)の2種類があります。

詳しいことは後ほどご説明します。

一般の人に馴染み深い、いわゆる遺言というのは普通方式の遺言の方でしょう。

さらに、自分で書く遺言というと、自筆証書遺言の方が、イメージがつきやすいかもしれません。

さて、このように遺言は世間ではよく聞かれる単語ですが、「ゆいごん」「いごん」のどちらの読み方が正しいのでしょうか。

また、それぞれに意味の違いはあるのでしょうか。

法律上の遺言は「いごん」

ごく大まかに説明すると、「いごん」は「ゆいごん」よりも狭い意味でつかわれる言葉です。

具体的に言うと、法律上の効力がある遺言について話をするときには、遺言は「いごん」と読みます。

それよりももっと広い意味、つまり「遺言をする人が家族に対して残す言葉」という意味で使う場合には、「ゆいごん」という呼び方をすることが多いです。

世間一般で遺言について言及するときには、「ゆいごん」という読み方をするのが普通ですね。

これに対して、弁護士や司法書士などの法律の実務家は仕事で遺言について言及するときは「いごん」で統一しています。

法律について勉強する人は、勉強をし始めたかなり早い時点でこの言葉の使い分けについて勉強することが多いのです。

ただし、一般の人が弁護士や司法書士などの法律実務家に相談するときには、どちらで読んでもらっても大丈夫ですし、意味としては通じます。

遺言の種類もたくさんあるので、どの遺言を希望なのかなど、詳しく話をお伺いする中で、自筆証書遺言なのか、公正証書遺言なのか、それとも秘密証書遺言をご希望なのかということを考えるお手伝いをします。

したがって、弁護士や司法書士と話をするので読み間違えてはいけないと肩肘を張らなくても大丈夫です。

法律上の遺言には厳格な形式がある

法律上の遺言は厳格に形式が定められており、法律上の形式を満たさない遺言は無効となってしまうことが知られています。

具体的には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、それぞれで書き方のルールが決まっています。

これらの3種類の遺言の特徴をわかりやすい表にまとめました。

順に説明していきます。

3種類の遺言書の違い

種類 作成者 メリット・デメリット 特徴
自筆証書遺言 本人の自筆 一番安価で手軽。しかし、自筆で全文を書くのはかなり体力的に大変である。 別紙についてはパソコンで作成しても構わない。
公正証書遺言 公証人 一番お薦めできる形式。証拠能力が高く、改ざんや紛失リスクがない。公証役場の手数料その他の費用面だけがネック。 利害関係のある親族以外で、2人の証人が必要。証拠能力が高いが100%有効とも限らない。
秘密証書遺言 公証人 実務上あまり利用されていない形式。自分以外の他人に内容を知られずに遺言を残すことが可能。遺言本文もパソコンで作成できる。 利害関係のある親族以外で、2人の証人が必要。立会いの公証人にも内容は知られない。

実務上、よく扱うのは自筆証書遺言と、公正証書遺言です。

自筆証書遺言は別紙を除く全文を自書しなければならず、もしパソコン印刷などで作成すると無効になってしまいます。

また、加筆や訂正などについても厳しくルールが決まっており、もしこのルールに沿わない形で行ってしまうと、その部分について遺言が無効となってしまうこともあり得ます。

そもそも自書するのが大変な高齢者の方だと、作成そのものが難しいかもしれません。

弁護士、司法書士、行政書士などが遺言の案を作成し、それをもとに自分で全文を書くという形になります。

公正証書遺言の場合は、遺言の案を弁護士、司法書士、行政書士などが作成し、本人に確認を取った後、公証役場で公証人に認証してもらいます。

実務上あまり扱わないですが、秘密証書遺言で作成したいという人もおられます。

秘密証書遺言では、内容を誰にも知られることなく、遺言の存在だけを公証役場に記録してもらうという形をとります。

保管は家でしますが、なくすと大変なことになりますので、注意しましょう。

公証人は内容を関知しないので、もし法律上のトラブルを避けたいのであれば法律の実務家に遺言案を作成してもらうことをおすすめします。

もし全部一から自分で書いた場合、その後もめてしまうような曖昧な記載などをしてしまう可能性があるためです。

さらに注意したいのは、自筆証書遺言と秘密証書遺言については家庭裁判所の検認が必要ということです。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は自宅保管ですが、遺族は絶対に自分で開封してはいけません。

自筆証書遺言の場合、封筒を二重にして、外側に家庭裁判所の検認を受けるように指示書きをしておくと、遺族にもわかりやすく、良いかと思われます。

遺言には、法律上非常に大きな効力が与えられている分、遺言を残すときの形式についても厳しくルールが定められているというわけですね。

次の項目では、遺言の法律上の効力について、より具体的に見ておきましょう。

遺言(いごん)の法律上の効力

相続に関するルールは、民法という法律で決められていることがよく知られています。

相続人となる人の順位や、それぞれの人が相続する遺産の割合などについて、とても細かく規定があります。

しかし、相続が発生した時に、亡くなった人が遺言を残していた場合には、原則として民法のルールは無視して遺言の内容を優先することになります。

民法では「配偶者の遺産相続割合は2分の1、子供は2分の1」というように決まっていますが、遺言を使えば「配偶者に4分の3、子供には4分の1を与える」というように自由に遺産分割の割合を決めることが可能です。

ただし、いくら遺言を残したからと言って、あまりにも不公平な分け方をすると、相続人にとっての最低限の取り分だけは請求きるという「遺留分侵害額請求」(旧 遺留分減殺請求)をすることが可能です。

日本の法律では「自分の財産は自分で処分できる」というのが大原則ですから、自分の死後に財産をどのように使うかについても、原則として自由に決められるようになっています。

もちろん、死んだ後には言葉や行動で意思表示をすることができませんから、その手段として遺言を残すことが認められているというわけですね。

遺言は相手方のない一方的な行為なので、遺言を書いたからと言って、残された人が必ずそうしてくれるとは限りません。

例えば、お墓を作らず、海洋に散骨してほしいと書いても、遺族がそうしたくない、あるいはできない事情があれば、してもらえないかもしれません。

「自分が死んだら、〜に〜をあげてほしい」という遺言を残しても、相手が要らないと言って受け取らなければ、それは実現できないことになります。

遺留分を侵害するような内容の遺言であったとしても、形式さえ整っていれば遺言としては有効です。

「愛人に全財産を相続させる」という遺言は有効?

財産の所有者は、遺言によって自分の死後の財産の使い道を自由に決められるという話をさせていただきました。

そうすると、例えば「自分の死後には、全財産を愛人に相続させる。妻や子供には1銭も渡さない」という遺言が残されている場合にはどうなるでしょうか。

結論から言うと、このような遺言も一応は有効です。

しかし、妻や子供には「遺留分」という権利が認められていますので、遺産相続が完了した後で「自分たちにも最低限の財産を分けてほしい」という訴えを起こすことができます。

遺留分とは何か

遺留分とは、妻や子供、両親といった、亡くなった人とごく近しい親族関係にあった人が求めることができる最低限の遺産を相続する権利のことです。

こうした人々は、一定額以上の遺産を、亡くなった人から引き継ぐことを期待する権利があると社会通念上考えられていますから、法律上もその権利を認められているわけですね。

具体的には、配偶者や子供が相続人となる場合は遺産全体の2分の1、両親や祖父母などが相続人となる場合は遺産全体の3分の1が遺留分となります。

遺留分請求の具体的なケース

例えば、遺族として妻と子供1人がいる場合に、「愛人に全財産である1億円すべてを相続させる」という遺言がある場合を考えましょう。

この場合、妻と子供は遺留分として遺産の2分の1を要求する権利がありますから、1億円×2分の1=5000万円を愛人に対して渡すように請求することができます。

なお、妻と子供は遺留分として得た2分の1を、民法で決まっている相続割合で分け合うことになりますので、それぞれ2分の1×2分の1=4分の1である1250万円ずつ相続することになります(配偶者と子の法定相続割合は2分の1ずつです)

遺留分請求の注意点

遺留分を請求する際の注意点としては、上でも少し説明させていただいたように「遺留分を侵害する形の遺言も、いったんは有効として扱われる」ことです。

つまり、遺留分は、それを認められる権利者(配偶者や子など)が、実際に遺言の内容によって相続人となる人(愛人など)に対して請求を行わないことには実現しないのです。

なので、遺産分割協議の段階では遺言の内容に従って愛人が全額を相続し、そのあとになって配偶者や子が提起する遺留分の訴訟(遺留分減殺請求といいます)を待って、初めて遺留分に基づく遺産分割が行われることになるのです。

もっとも、このような処理方法は二度手間でもありますから、実際には遺産分割協議の段階で遺留分があることを示して交渉を行うことにより、配偶者や子も遺産分割を受けることが多いでしょう。

まとめ

今回は、遺言という言葉の2つの読み方について解説させていただきました。

本文でも説明しましたが、相続や遺産分割についての話をするときには、「いごん」という読み方をすることが多くなります

また、遺言は法律上の効力が実際の相続の場で問題となるケースが多いので、近い将来に相続にかかわる可能性がある方は理解しておきましょう。

実際に遺言書を書いてみたいというときは、ゼロから自分で考えるのではなく遺言書の書き方・文例・見本・サンプル集 のページも参考にしてみてください。

この記事の監修者

本間 剛 (行政書士)

相続サポートセンター(ベンチャーサポート行政書士法人)代表行政書士。
昭和55年生まれ、山形県出身。
相続手続等の業務に従事。相続はたくさんの書類の作成が必要になります。お客様のお話を聞き、 それを法律に謀った則った形式の文書におとしこんで、面倒な相続の書類を代行させていただきます。

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