相続放棄は自分でできる?費用は?手続きから注意点を徹底解説!

  1. 相続放棄は4年で3万件近く増えている
  2. 相続放棄とは?
  3. 相続放棄の注意点
  4. 相続放棄すべきケースとは?
  5. 相続放棄のメリット
  6. 相続放棄のデメリット
  7. 相続放棄の判断
  8. 相続放棄の手続き
  9. 相続放棄の期限
  10. 期限を過ぎてしまうことが多い具体的なケース
  11. 相続放棄期限を延長する方法
  12. 相続放棄期限を延長するための条件
    1. まだ期限は来ていないけれど、まにあわないことが明らかな場合
    2. すでに期限が過ぎてしまっている場合
  13. 相続放棄と似て非なる相続分の放棄
  14. 相続放棄と遺贈の放棄の違い
  15. 相続放棄と似た概念の限定承認
  16. 相続放棄を行ったにも関わらず債権者から債務の取立てがある場合
  17. 相続放棄の費用
  18. 相続放棄を自分でやる場合の手続き
    1. 手続きを行う場所
    2. 費用
    3. 手続きを行える人
    4. 手続きの期限
    5. 必要書類
  19. 自分で行う場合と専門家に依頼した場合の費用比較
  20. 単純承認になってしまわないように注意
  21. 相続放棄の期限が過ぎてしまったらどうする?

なくなった親族に借金が多額にあるような場合や、遺族間での遺産争いに巻き込まれたくない…というような場合には、相続放棄を行うことが考えられます。

裁判所に対して「私は相続には関わりません」という意思表示を行うことで相続放棄を行うと、法律上は相続人となる人であっても最初から相続に関して無関係とみなしてもらうことができます。

相続放棄は弁護士などの法律家に相談して手続きを行うケースが多いですが、自分自身で行うことも可能です。

ここでは自分で相続放棄を行う場合の手続きや注意点について解説させていただきます。

相続放棄は4年で3万件近く増えている

相続放棄はここ4年で3万件近く増えています。相続放棄をする理由のほとんどは「遺産の中に負債がある」ということです。

それ以外には不動産を相続した場合に相続税を支払う現預金を用意できないといった理由や、居住するわけでもない、有効活用もできないという不動産を維持管理費を負担してまで相続したくないといった理由も増えてきています。後者はいわゆる「空き家問題」です。

相続放棄をする人が増えているということは、相続する側の問題が増えてきてもいるということがいえます。

相続放棄とは?

法定相続人となった場合に、初めから相続人ではなかったことにするのが相続放棄。マイナスの財産はもちろん、プラスの財産も受け継ぐ権利を放棄することになり、相続放棄者の子や孫に代襲相続は行われず、残った相続人で遺産を分割することになります。

「相続放棄」とは、ある被相続人の相続につきプラスの財産および負債の両方を引き継がないという意思表明のためにする手続きです。よく「遺産分割協議」と混同している人がいるのですが、「相続放棄」は家庭裁判所に所定の相続放棄の申し立てをして初めて認められるものです。相続人同士でだれが遺産を相続するかを話し合うことは「遺産分割協議」をしているに過ぎないのであり相続放棄ではありませんから、その場合は相続人の誰も借金を免れることはできません。借金はあくまで債権者という相手のあることなので、相続人(=義務を持つ側の人間)だけで「誰が借金を免れる」と勝手に決めることはできず、そのようなことは債権者の同意があって初めて認められるのです。
もし相続放棄が家庭裁判所に認められた場合、「その人は最初から相続人ではなかったものとみなされる」という効果が生じます。

相続放棄の手続きの期限は、相続の開始があったことを知った日から3か月以内となります。親などの被相続人が亡くなり悲しみに暮れている間に3か月という期間は、気が付いたら過ぎてしまったという人は多いのではないでしょうか。この期限を知らずに、3か月が過ぎてしまい普通に相続財産をすべて引き継ぐ前提での「単純承認」となってしまったという状態になってしまう例が非常に多くみられます。
また、忘れないようにと相続開始前に手続きを行いたいと考える人もまれにいるようです。しかし、法律上、相続開始の事実を知ってから3か月の熟慮検討期間を設けることが趣旨となりますので、事前の届け出は一切認められません。もちろん、裁判所に書類を持ち込んでも受理してもらうことはできません。

相続放棄の注意点

相続放棄した場合は法的に取消事由がない限り、それをなかったことにすることはできません。つまり、どのような影響があるかをよく考えてからするべきなのです。では具体的にどのようなことが起こってくるのでしょうか?

たとえば、同順位の相続人がいる場合はその人の取り分が増えます。父が亡くなり母と子供2人が相続人になる場合、母が2分の1、子供はそれぞれ4分の1ずつというのが法定相続分(民法で定められた相続分)ですが、子供のうち1人が相続放棄すれば母ともう1人の子供が2分の1ずつとなります。
そして、もし上記の例で子供2人とも相続放棄した場合は、次順位の相続人である直系尊属(父母や祖父母)が相続人となります。同様にそれらの人たちもすべて相続放棄すればそのまた次順位である被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。ちなみに配偶者は離婚や先に死亡していない限りこれらの者と一緒に相続人となります。

つまり、自分たちの相続によって親戚の中の予期せぬ人に相続権が回っていくこともあるため、相続放棄する際に次が誰になるのかを考えた上でその人に事情を説明しておく方がよいということです。実務上では、相続放棄を受け付けた家庭裁判所の職員が「必ず次の順位の人に話しておいてください」と念を押してくれるようなこともあります。

また、親の相続を自分が受け取らずに自分の子供(自分の親から見た孫)に直に相続させたいと思って相続放棄しても、自分の子供が代襲相続することはできないということにも注意が必要です。代襲相続というのは自分が親より先に「死亡した」場合に自分の子供が自分に代わり親の相続を受けられるというものです。つまり相続放棄は代襲相続の対象になる事由ではないということなのです。

そして、これもよく誤解されるのですが、相続放棄したら親がかけていた死亡保険金を受け取ることはできないのではないか?ということです。しかしこれは相続放棄した人でも受け取ることができることになっており、家庭によってはそのことが兄弟の不和を招くこともあります。よって、保険金を受け取れる人が相続放棄する場合、もらえる保険金とのバランスや他の兄弟との関係もよく考慮してから手続きする方がよいといえます。

相続放棄すべきケースとは?

相続放棄すべきケースで一番わかりやすいのは、相続財産と負債を比べて負債の方が多い場合でしょう。ただ、そのような場合に限ったことではありません。たとえば被相続人もしくは周囲の相続人との関係が悪くて、手続きでの書類のやりとりなどもしたくない、どうせたいした金額の財産でもないから相続に一切関わりたくないなどの理由で相続放棄する人もいます。
相続放棄は基本的に他の相続人と話し合ったりせずに自分1人でもすることができますし、次順位の相続人に知らせるべき場合でも手紙などで済ませることもできます。家族関係という点でいえば、長年音信のなかった前妻の子供が父親の相続を放棄するといったパターンなどはよくみられます。

相続放棄のメリット

借金を相続せずに済むことが一番のメリットになるのではないでしょうか。実際、相続放棄をする人で一番多い理由として、借金を引き継ぎたくないというのが一番多いと思います。マイカーローンや一部高額商品の分割払いに関する債務程度であれば特に気にならないかも知れませんが、プラスの財産があったとしてもあまりに大きな借金については考えものです。

たとえば、被相続人が個人事業主で事業性の融資を受けていた場合などは金額が大きくなりがちです。しかも、マイホームに関するローンなどと違って、資金調達してまで購入した事業用資産は既に価値がないような状態もあり得ることです。被相続人の死亡により事業が終了したような場合にはなおさら事業用資産に使用価値はありません。住宅ローンであれば、その対象となっている住宅を処分すればある程度返済することができます。しかし、上記のように購入した事業性の資産にローン残高ほどの価値がない場合には返済は困難です。調達目的が運転資金であれば最初から資産の処分により回収することは予定されていません。

また、長い間家賃を滞納していたような場合にも、処分する財産がない上に債務の金額が大きくなりがちです。過去に交通事故を起こしたことが原因で損害賠償金を支払っているケースもまれにあります。交通事故により運悪く被害者が亡くなってしまっているような場合には、1億円を超す損害賠償債務が存在することも珍しくはありません。相続放棄を行えば、相続により財産をもらうことができないものの、思わぬ借金を背負い不安になることは一切ありません。

相続放棄のメリットとしては遺産分割協議に関わらなくて良いという点も挙げられます。家庭裁判所を通して正式に一切の財産を引き継がないことを宣言するわけですから、その後の遺産分割協議に参加する必要性はありません。遺産分割協議については、それぞれの利害が対立しますので、それまでに仲の良かった親族の間にもトラブルが発生することが多くみられます。小さな金額でも意外ともめるのが相続の特徴です。もしも仮に、最終的には話し合いがついたとしてもいったんもめた経緯を記憶から消すことはできません。相続発生後の長い年月をぎくしゃくした関係で過ごすことにもなりかねません。早々に相続放棄を宣言し、手続きをとることによってこのような心配ごとから解放される点が、実は一番のメリットかもしれません。

相続放棄のデメリット

相続放棄には借金を免れられるという大きなメリットがある反面、もちろんデメリットもあります。まずは、プラスの財産も相続することができないという点が挙げられます。相続放棄をすると、被相続人の借金を相続する必要がなくなりますが、同時にプラスの財産も一切相続することができなくなるので注意が必要です。

たとえば、借金が1,000万円あることが分かりその金額の大きさから不安になり相続放棄をしたとします。しかし、あとから2,000万円の有価証券が発見された場合どうなるでしょうか。この有価証券についても必ず放棄をする必要があるのです。2,000万円分の有価証券があれば、現金に換金しその中から借金1,000万円を返済したとしても手元に1,000万円が残る計算です。

ただし、プラスの財産が買い手のつかない2,000万円の土地であったような場合にはどうなるでしょうか。金額的には、借金の額を超える価値の財産を手にしたところで、換金することができないため、借金が払えないというようなケースもあります。このような場合には、最悪のケースとして借金が返済できないことを理由に2,000万円の土地が強制的に換価され二束三文で売り払われ、結果的に借金だけが残ってしまったということも十分に考えられます。財産の金額的評価も重要ですが、そのきになればすぐに現金化できるかどうかも重要です。

以上のように、基本的にはプラスの財産の金額の方が大きい場合に全体として損をしてしまう可能性がありますが、財産の内容についても慎重に吟味する必要があるということです。熟慮期間として3か月が設けられているので、そのあいだにしっかりと財産に関する調査をして間違いのないように判断しましょう。

たとえば先祖代々から受け継いだ不動産や自分の思い入れのある実家であっても当然手放さなければならないわけであり、自分でそれを選択することはできないのです。
また、自分の相続放棄により親族に思わぬ迷惑をかけることがあります。もし法律上、第一順位相続人(子供)が全員相続放棄すれば、相続権は第二順位(親や祖父母)に移ります。これらの人がいないか、全員相続放棄すれば相続権は第三順位(兄弟姉妹)に移ることになります。よって、もし相続放棄する際には自分が放棄したことにより次に相続権を持つ人に「負債も含め相続権が移ること」を伝えておいてあげるべきといえるでしょう。
ただ、相続放棄が認められるのはそれほど実務的に難しいことではないですし、デメリットは上記以外には目立ったものはないといえます。ちなみに相続人の中で特定の人が受取人に指定されている生命保険の死亡保険金については、たとえ相続放棄したとしても受け取ることができます。

相続放棄の判断

相続放棄の判断は、各相続人が個人で行って構いません。相続財産を相続するかしないかについては、相続する人が決めることができます。他の相続人と相談して、全員で一緒に放棄を行わなければならないと言った決まりはありません。相続人の一人が相続放棄を行った場合には、その人は初めからいなかったものとして取り扱われます。このように他の相続の誰とも協議することなく個人で判断し手続きを行うことができるのが相続放棄になります。だからこそ、しっかりと法的に有効な相続放棄を行うことができなかった、思わぬところで単純承認が成立してしまい相続放棄を行うことが出来なかった、相続放棄を行った方が得なのか判断がつかない、といったことが生じます。相続放棄すべきかの判断は非常に難しい問題があります。また、法的に有効な相続放棄の手続きを行うことは意外と難しいです。思わぬところに落とし穴がある可能性があります。そんなときは、是非相続に強い弁護士に相談をしましょう。

相続放棄の手続き

具体的に相続放棄はどのように手続きしたらよいのでしょうか。気をつけるべきなのは期間の問題です。自分が相続人となったことを知ってから3カ月以内というのが原則的な期間制限です。ただ、財産調査に時間を要することがはっきりしているような場合は、あらかじめ家庭裁判所に許可をもらった上で期間を伸長できることもあります。「知ってから3カ月」ですから相続の事実自体を知らなかったような場合は、知ってからカウントすればよいのです。ただし知った日付を証明できるように債権者や親族からの手紙などは残しておいた方がよいでしょう。
相続放棄を行う際には、きちんとした手続きを行うことが必ず必要です。単に、相続を放棄する旨の意思表示を行った場合には相続放棄は認められません。公的な機関において、相続を放棄する意思をしっかりと確認する必要があるのです。具体的には、被相続人の住所を管轄する家庭裁判所に申告する必要があります。

正式には、相続放棄の申述と言います。

申述人

基本的に相続人が裁判所に申述を行います。相続人が未成年または成年被後見人である場合には、法定代理人が代理します。未成年者の法定代理人は、基本的にその父や母の親権者がなります。ただし、法定代理人と申述人が両方相続人となっている場合等で利益が相反する状態になっている場合には正しい判断ができません。このような場合においては、別途特別代理人を選任します。もしも特別代理人を選任しなければ、法定代理人は自分の利益が大きくなるように申述人の代理人としての判断をゆがめてしまうためです。実際に利益が相反する状態か否かの判断は、内容に応じて個別のケースで判断されるということにはなっていません。外形のみで判断されます。次のような場合には、特別代理人の選定が必要となります。

・親と子が共同相続人であり、子だけが相続放棄をする場合

純粋に、親が子の身を案じて借金を背負わせたくないといった判断をする状況は通常であり得ます。一件、子のことを考えての善意の判断とも思えますが、外形上は利益が相反している状態と判断がされ、特別代理人の選定が必要なケースに該当します。

・子が複数いる場で、一部の子のみを代理して相続放棄をする場合

長男だけが高校生で、他の子がまだ小さいなどといった状況も十分にあるでしょう。この様なときに、小さな子供には借金を背負わせたくないからと言って、一部の子について相続放棄をする場合もあると思います。このようなケースも、外形上、利益が相反していると判断され、特別代理人の選任が必要になります。

反対に、次のようなケースにおいては上記と似たような状況に見えるものの、特別代理人の選定は必要ありません。

・親と子が全員で同時に相続放棄をする場合

この状況が生じた際には、特別代理人を選定することなく親が子の分についても相続放棄の手続きを行うことが可能です。

申述期間

相続開始があったことを知った時から3か月以内に手続きを行う必要があります。

申述先

被相続人の住所を管轄する家庭裁判所です。家庭裁判所は、上位の裁判所に比較して比較的近くにあることが多くあります。下記を参考にして、自分の住所地を管轄する家庭裁判所を調べるとよいでしょう。また、引っ越しをしたような場合については、最後の住所管轄する家庭裁判所です。

申述に必要なお金

収入印紙800円分が必要です。これは、申述人ごとに必要になるので、全員で同時に手続きを行う場合においても、金額は変わりません。裁判所から発送される書類もありますので、返信用封筒に張り付ける切手の用意もする必要があります。

添付書類一覧

添付書類は下記の通りとなっています。

    ①共通して必要なもの

  • ・相続放棄の申述書
  • ・被相続人の住民票または戸籍附表
  • ・放棄する人の戸籍謄本
  • ②申述人が被相続人の配偶者の場合に必要なもの

  • ・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ③申述人が被相続人の子またはその代襲者(孫、ひ孫等)(第一順位相続人)の場合に必要なもの

  • ・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ・申述人が代襲相続人(孫、ひ孫等)の場合、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ④申述人が被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合に必要なもの

  • ・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ・被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ・ 被相続人の直系尊属に死亡している人(相続人より下の代の直系尊属に限る(例えば、相続人が祖母の場合の父母のこと言います。))がいる場合、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ⑤申述人が、被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(甥、姪)(第三順位相続人)の場合

  • ・被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ・被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ・被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • ・申述人が代襲相続人(甥、姪)の場合、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

④、⑤の書類については、先順位の相続人から同様のものが提出済みである場合に重ねての添付は不要となります。

上記添付書類については、相続人の構成に応じてそれぞれ別に定められています。非常に複雑な内容になりますので、ゆっくりと確認することが必要です。

申述書の記載例

相続人が成人の場合に申述書の書き方のポイントを説明します。

・印紙貼り付け欄

申述書の一番先頭のところには、収入印紙の貼り付け欄があります。収入印紙について、貼り付け後、自分の認印を押印する人がいますが、これは必要ありません。貼った収入印紙には押印せず提出するようにしてください。

・宛先と申述人の欄

成人の申述人が書類を記入する場合には、本人の名前を記名し押印します。ここでの押印については、特に印鑑規定は設けられていないので、認め印で構いません。役所への提出書類全般にいえることですが、印鑑は必ず朱肉をつける硬質なタイプを利用してください。シャチハタ等、インクが内部からしみだしてくる構造のものについては、ゴムなどのやわらかい素材でできています。押印するたびに陰影が変わる可能性がありますので、正式な文書を作成する際には使用は認められません。宛先については、自分の最後の住所地を管轄する家庭裁判所を記載し、日付については作成年月日を記入してください。

・添付書類の欄

添付書類の欄については、チェック欄にマークして添付した通数を記入することとなっています。提出書類についてはしっかりと確認して、チェックマークを付けてください。また、標準的な添付書類のほかに、各種証明書類を提出する際には、一番下のチェック欄の右側が空欄になっています。ここに具体的な書類の名前を記載したうえで、チェックを付けてください。

・申述人の欄

申述人の本籍、住所、氏名、被相続人との関係などについて記載します。特に記入に迷うような項目はありませんが、裁判所から返送物等が届かないことのないように正確に住所を記載してください。もし万が一、書類に不備があった場合には裁判所から連絡がくる可能性があります。期限のある重要な手続きになりますので、ミスのないように正確に記載してください。また、電話番号を書く欄がありますが、自宅の固定電話にこだわる必要がありません。裁判所の業務時間は平日の日中になります。この時間に確実に連絡のつく番号を記載してください。外出が多い方については、携帯電話の番号を書いておいた方が良いかも知れません。

・被相続人の欄

亡くなった人の情報を記載します。本籍、最後の住所、死亡当時の職業、氏名、死亡の日付を記載する欄があります。家族と疎遠になっている場合に相続放棄を行う例も多くあります。このようなときには、最後の住所や正確な死亡の日付がわからない場合もあります。相続放棄の手続きを考えている場合には、提出間際にあわてないためにもあらかじめ調べておく必要がありそうです。

・申術の趣旨の欄

申術の趣旨については、今回は相続放棄になりますので予め裁判所の様式に「相続の放棄をする。」と記載されています。裁判所には似たような様式が多数あります。相続の手続の際には、いろいろと手続きが多く間違いが起こりがちです。間違って異なる様式を使用することのないように、申述の趣旨の欄を記載してください。

・申述の理由の欄

申術の理由の欄には、相続の開始を知った日と放棄の理由、相続財産の概略について記入します。ここで最も重要なのは相続の開始を知った日の記載になります。すべてのケースで被相続人が死亡した日に相続開始を知るというわけではありません。中には、先順位の人が相続放棄をして初めて自分に相続が起こることがわかる場合もあります。死亡の通知を受けるのが遅れる場合もあります。相続開始を知った日をしっかりと確認し、その日から3か月以内の提出であることを確認しましょう。

相続の理由については、選択式になっていますが、該当する理由が見当たらない場合には、その他として具体的な理由を記載してください。相続放棄の理由の内容によって放棄が認められるかが判断されることは基本的にはありません。

相続財産の概略について記載する項目もあります。特に相続放棄をするような場合についは、細部まで財産の構成を知らない場合も多くあると思います。このようなときには、概略で構わないので大体の金額を記入すればよいでしょう。記入する必要があるのは、プラスの財産だけではありません。その内容は記載しませんが、マイナスの財産についても合計金額を記載する必要があります。

相続放棄の期限の伸長

相続放棄の手続きについては、原則的に自分に対して相続の開始があったことを知ってから3か月以内におこなわなければなりません。しかし、被相続人はすでに亡くなっていますので、相続財産の調査に思いのほか時間がかかる場合もあります。たとえば、3か月たってもなお相続放棄をすべきかどうかの判断するに至る資料を入手できない場合も十分にあり得ます。このようなときには、家庭裁判所に相続放棄の期間の伸長の申し立てを行うことができます。家庭裁判所が個別に内容を検討し、認めた場合に限って期限が延長されます。ただし、やはり原則的には3か月以内の判断が必要になる場合が多いです。

たとえば、手続きの期限について、数年前に他界した夫の相続放棄を申述できるかという問題があります。基本的には相続放棄の申述期限は過ぎていると考えられます。しかしながら、法律の規定上「相続の開始を知り、これにより自分が法定相続人となった事実を知った時から3か月と定められています。したがって、もしも相続財産が全くないと信じていた場合で、なおかつそのように相続人が考えてしまう相当の理由があるときには、事実を認識してから3か月以内に申述すれば相続放棄が受理されることもあります。まったくもって相続財産の存在を知らなかった人で、もう期限が過ぎてしまっているからとあきらめていた人は弁護士に相談してみるとよいでしょう。

相続放棄の難しいところは、「財産と負債調査がうまくできるか」ということと「3カ月以内に守備よく書類を揃えて申立てができるか」という2点になるでしょう。相続放棄がうまくいくかどうかで場合によっては何千万円の負債を免れられるかどうかが決まることもありますので、不安な人は早めに専門家に相談してみましょう。

相続放棄の期限

相続放棄の期限に関する原則的なルールについて簡単に確認しておきましょう。
民法915条1項によると、相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」とされています。

「相続放棄」は上記のように相続開始を知ってから3ヶ月以内に被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を出して行いますが、財産と負債のすべてを調べ上げるのにたったの3ヶ月では足りない、と感じる人もいるでしょうし、実際に間に合わせるのが厳しいこともあります。こういった場合はあらかじめ家庭裁判所に相談をし、正当な理由があると認めてもらえれば期間を伸長する手続を取れることもあります。このような場合にも裁判所へのきちんとした説明が必要ですから、やはり専門家を介した方がスムーズでしょう。
ただ気をつけなくてはならないのは、3ヶ月の期間内であってもすでに相続財産の全部または一部を処分してしまっていれば「単純承認」といって、相続を承認したとみなされてしまうことです。よって、負債総額がはっきりわからないうちは決して相続財産には手をつけないことが肝心です。

※一定の事由により相続放棄などの熟慮期間を経過せずとも単純承認が成立するケース
自動的に単純承認が成立してしまい、思わぬ借金を背負ってしまったとなるケースもよくあります。単純承認が成立するケースをしっかりと確認して、意図しない単純承認成立を防ぐことは重要です。

 

①相続財産の処分

処分とは換金することだけでなく、破壊した場合や、捨てた場合も含む概念です。不動産を売却換金して単純承認となることは理解しやすいところですが、相続財産について勝手に必要がないと判断して捨ててしまったりした場合も処分に該当してしまうので注意が必要です。

また、処分と似たような行為に保存があります。これは、相続財産を守る行為です。たとえば、投資アパートの壁の修繕を行ったような場合です。相続財産を相続する場合にも放棄する場合にも現状維持のために補修することは問題ありません。この場合も相続放棄をすることができます。

②隠ぺい等を行った場合
自己の利益のために故意に財産を隠したりする行為があった場合には、単純承認が成立します。相続人に対する救済措置の意味合いも含まれる相続放棄の熟慮期間において、このような背信的な行為をする人を保護する必要はないためです。たとえば、相続放棄に関する申述書の財産目録について、一部財産を記載しないことによりその財産の存在を知りながら負債のみ相続放棄を行おうとしたような場合です。

期限を過ぎてしまうことが多い具体的なケース

3ヶ月間の相続放棄の期限が過ぎてしまう具体的なケースとして多いのは、「親族が亡くなったことは知っていたけれど、自分に相続の権利があるなんて知らなかった」というような場合です。
相続があったことの「事実を知らなかった」という場合には期限の計算はスタートしませんが、「相続ができるという法律上の権利内容について知らなかった」という場合には期限計算は原則どおりに進行してしまいます。
そのため、この場合には次で説明させていただく相続放棄の期限の延長ができないかどうかを検討する必要があります。

相続放棄期限を延長する方法

相続放棄の手続きについては、原則的に自分に対して相続の開始があったことを知ってから3か月以内におこなわなければなりません。しかし、被相続人はすでに亡くなっていますので、相続財産の調査に思いのほか時間がかかる場合もあります。たとえば、3か月たってもなお相続放棄をすべきかどうかの判断するに至る資料を入手できない場合も十分にあり得ます。このようなときには、家庭裁判所に相続放棄の期間の伸長の申し立てを行うことができます。家庭裁判所が個別に内容を検討し、認めた場合に限って期限が延長されます。ただし、やはり原則的には3か月以内の判断が必要になる場合が多いです。

たとえば、手続きの期限について、数年前に他界した夫の相続放棄を申述できるかという問題があります。基本的には相続放棄の申述期限は過ぎていると考えられます。しかしながら、法律の規定上「相続の開始を知り、これにより自分が法定相続人となった事実を知った時から3か月と定められています。したがって、もしも相続財産が全くないと信じていた場合で、なおかつそのように相続人が考えてしまう相当の理由があるときには、事実を認識してから3か月以内に申述すれば相続放棄が受理されることもあります。まったくもって相続財産の存在を知らなかった人で、もう期限が過ぎてしまっているからとあきらめていた人は弁護士に相談してみるとよいでしょう。

※相続の開始があった日とは
「相続の開始があった」というのは簡単にいうと自分の親族が亡くなったということです。重要なことは単純に「相続の開始があったとき」ではなく「相続の開始があったことを『知ったとき』」となっていることです。
例えば平成29年1月1日に家族が亡くなった場合でも、その家族の死亡を知った日が平成29年3月1日であったという場合には、相続放棄の期限の計算はこの3月1日からカウントすることになるのです。
相続があったことを知っていたかどうかの判断は葬儀を行った人からあなたに対して出された通知などを証拠書類とするなどして個別具体的に判断されることになります。

相続放棄期限を延長するための条件

相続放棄の期限が過ぎてしまう可能性がある場合に、期限を延長してもらう具体的な方法について解説させていただきます。
相続放棄の期限延長が問題となるケースとしては、1 まだ期限は来ていないけれど、まにあわないことが明らかな場合と、2 すでに期限が過ぎてしまっている場合、の2つが考えられます。

まだ期限は来ていないけれど、まにあわないことが明らかな場合

期限が来るのはまだ先だけれど、財産の調査に時間がかかるために期限までには相続放棄や限定承認の判断ができないのが明らか…というような場合には、裁判所に対して期間延長を申し立てることで3ヶ月間期間を延長してもらうことができます(裁判所の判断によってさらに長い期間の伸長が認められるケースもあります)
これを熟慮期間の伸長といいますが、事情がある場合には、3ヶ月が経過した後にさらに熟慮期間の伸長を申し立てることも可能です。
熟慮期間の伸長は裁判所に対して申立書を提出するとともに、戸籍謄本や住民票などを添付する必要があります。
相続人となる人が複数人いる場合には、それぞれの人が別個に伸長の手続きを行わなければならないということにも注意しておきましょう(1人が代表して手続きを行うということはできません)
申立書には熟慮期間の伸長が必要である具体的な理由などを記載する必要がありますから、法律的な手続きの経験がないという方は弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

すでに期限が過ぎてしまっている場合

すでに3ヶ月間の相続放棄の期限が過ぎてしまっているという場合には、裁判所に特別に期限の延長を認めてもらうことができないかを検討することになります。
相続放棄のための期限の延長が認められるためには、次の2つを満たす必要があります。

1.相続財産がないと思っていたこと

相続放棄の期間延長を認めてらもうには、自分が相続する財産が存在しないと思っていたことが必要です。
具体的には亡くなった方が借金の存在を隠していて、亡くなった後数ヶ月間して債権者から相続人宛に請求書が届いたようなケースが特に多いでしょう。

2.相続財産がないと思ったことに相当な理由があること

延長が認められるためには、相続財産がないと信じていたことについて相当な理由があると裁判所に判断してもらわなくてはなりません。
具体的には、遠方に居住していて被相続人の生前には連絡を数ヶ月に一度しか取っていなかったような場合などが該当します。
一方で、もし被相続人と生前同居していたような場合には、延長を認めてらえない可能性が高くなりますので注意しましょう。
具体的には、過去に最高裁の判例が出ており、要約すると『(借金などのマイナスの)相続財産が全く存在しないと信じ、かつ被相続人と相続人との交際状態やその他の状況からみて、借金などは存在しないと信じたことに相当な理由があるときなどは、相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから3カ月以内に申述すれば、相続放棄の申述が受理される』という内容です。
つまり、後から借金などが発覚した場合は、その日から3カ月が相続放棄を申請する期限となるということです。
ただし、必ず受理されるわけではありませんので、財産の調査が終わっていない、不透明な部分があって不安といった場合には、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てて、期間を伸ばしてもらうのが得策でしょう。

相続放棄と似て非なる相続分の放棄

実務上トラブルになるケースで多いのが、遺産分割の協議の中ですべて他の兄弟に遺産を渡すような取り決めを行ったような場合です。

なかには、兄弟との関係性や亡くなった親とのかかわり方、また本人の性格から、親の遺産には一切手をつけたくないという人もいるでしょう。兄弟が作った書類を特に精査することもなく印鑑を押してしまった、ほかの相続人あてに自分は一切遺産を相続にない旨を一筆書いた、などというような場合は、相続放棄の法的効果はありません。

この場合においては、単に、相続人同士の話し合いにおいて、ある人には財産を分け与えないという取り決めが持たれたにすぎません。この時に知り得た財産のみしかなかった場合には問題がありませんが、次のようなとき非常に大きな問題になります。それは、亡くなってしばらくしてから大きなマイナスの財産が発見されたような場合です。自分が一切の財産を受け取らないと協議の中で発言した人は、当然、一切の財産を放棄したのだから、そのあとにどのような財産が発見されようとも関係がないように思いがちです。

しかし、実際には、法律上今回の相続とは一切関係ないという様な態度をとることができません。マイナスの財産が発見された上で再度協議を行い、今度はその人を含めて分割すると主張をする兄弟がいたとします。このとき、当初に正式に相続放棄を行っていればよかったのですが、手続きを怠ってしまったばっかりに、遺産分割に再度参加することになってしまうのです。このように、相続放棄には、事実上の財産の放棄は含まれない点に注意が必要です。

事実上の財産の放棄については、特にメリットは見当たらずとても危険な状態と考えた方が良さそうです。

相続放棄と遺贈の放棄の違い

相続放棄と遺贈の放棄もよく似ています。遺贈とは、被相続人の残した遺言書の内容に従って遺産分与を受けることを言います。遺贈には、現金や有価証券など指定した特定の財産のみ分与を受ける特定遺贈と、遺産の全部の半分等、包括的に遺贈を行う包括遺贈があります。

特定遺贈についても包括遺贈についても放棄することは可能です。ただし、手続きが異なります。特に、包括遺贈の場合はそのままだと借金などのマイナスの財産も引き継いでしまうことになります。この場合には、家庭裁判所への申述手続きが必要になります。手続きについて失敗しないように弁護士に依頼するほうが無難な点については相続放棄と同様です。

遺贈の放棄について実務上トラブルになるのは、相続人が遺贈を受けているような場合です。相続に詳しくない人の場合、同じ親からもらった財産について遺贈によりもらったものと相続によりもらったものがまさか別々の手続きによらなければ放棄できないとは思いません。相続放棄について聞いたことがあったため早速家庭裁判所にて手続きを行ったのですが、包括遺贈の放棄の手続きについてすっかり忘れてしまうケースがあります。この場合は、意図しない一部マイナスの財産についても自分が引き継いでしまうことになってしまいます。

相続放棄と似た概念の限定承認

相続放棄と似たような概念で、限定承認という手続きがあります。これは、相続人がプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐということです。この制度は、相続財産の全貌が確定せず、後から莫大な負債が発見されるようなケースに備えるといった場合に非常に有効です。

相続放棄について検討する際には、限定承認と比較して行う必要がありますので、この限定承認についてのメリットデメリットを含めた内容を理解することは非常に重要です。

もしも、単純承認を行った場合には、あとからプラスの財産を超えるほどの大きな借金が発見された場合においては、これも含めて相続しなければなりません。これに対して、限定承認の手続きを行っておけば、この様な場合にはプラスの財産の範囲内でしか借金を相続する必要がないのです。しかも、結果論としてプラスの財産が多かったような場合にはもちろん問題なくそのまま引き継ぐことができます。このような意味において、限定承認は非常に相続人にとって有利な制度です。被相続人の相続財産について心配のある人は、是非この制度を利用するとよいでしょう。

相続放棄と限定承認の違い

相続放棄

◎すべての財産を放棄

マイナスの財産

プラスの財産

全ての相続財産を破棄

マイナスの財産しかない場合に有効

限定承認

◎相続財産がプラスになった場合

◎相続財産がマイナスになった場合

財産がプラスかマイナスかわからないとき有効

相続放棄と限定承認の手続きの流れ

被相続人が死亡したら
相続開始
相続開始を知った日の翌日から3カ月以内に

相続放棄

相続人としての立場を放棄する

限定承認

相続財産を超えた借金は負担しない

家庭裁判所で手続き
相続財産の処分など何もせず3ヶ月経過

単純承認

無条件で全財産と全負債を相続する。プラスの財産が多い場合なら問題なし

相続放棄を行ったにも関わらず債権者から債務の取立てがある場合

以上のようにメリットデメリットを考慮して、しっかりと手続きを行ったにもかかわらず債務の取り立てにあった場合にはどうなるのでしょうか。その場合は、自分は相続放棄を行った旨を説明しましょう。必要があれば相続放棄の受理に関する証明書を発行することができます。この場合は、150円分の収入印紙を添えて申請すれば証明書を取得することができます。

相続放棄の費用

相続放棄の手続きは、被相続人の住んでいた地域の管轄の改訂裁判所で申述という手続きを取っていきます。申し立てを行う人一人につき800円の収入印紙がかかります。その他かかる費用は被相続人の戸籍謄本や住民票などが必要になってきます。

  • ・相続放棄の申述書に貼る収入印紙代 800円
  • ・被相続人の戸籍謄本 450円
  • ※配偶者が申請する場合は必要ありません。
  • ・被相続人の除籍謄本、改製原戸籍謄本 750円
  • ・申述人の戸籍謄本 450円
  • ・被相続人の住民票 300円

相続放棄を自分でやる場合の手続き

相続放棄を行うためには以下のような法律のルールに従わなくてはなりません。

手続きが適正に行われていないと後から相続放棄の無効を主張されてしまったり、想定外の相続税の負担を求められてしまったりする可能性がありますから注意しておきましょう。

手続きを行う場所

相続放棄の手続きは、亡くなった人が住んでいた地域を管轄していた家庭裁判所にいき、申述という手続きをとることで行います。

住所地を管轄する家庭裁判所は裁判所のホームページで確認することができます。

費用

相続放棄の申述を行う場合、申し立てを行う人1人につき800円の収入印紙を購入しなくてはなりません。

収入印紙は購入して消印を受けることで納入したことになりますので、裁判所内の販売所で購入し、申述書に貼り付けて提出するということで納入しましょう。

なお、後日に家庭裁判所から送られてくる書類を郵送してもらうための郵便切手代(数百円です)が必要になりますので注意してください。

手続きを行える人

相続放棄の申述を行うのは、原則として相続人となる本人です。

ただし、相続人となる人が未成年者である場合や、事理弁識能力が不十分である場合には法定代理人(未成年者の場合は親、成年で事理弁識能力が不十分な方の場合は成年後見人など)が手続きを行います。

しかし、亡くなった人に妻(子供の母親)と子供1人がいるといったように、親が子を代理すると子の相続人としての権利を侵害してしまうような場合には、親であっても子供を代理して相続放棄を行うことはできません。

この場合には家庭裁判所に特別代理人を選任してもらい、その人が未成年者を代理するという形で相続放棄を行うことができます。

手続きの期限

想像放棄は「相続があったことを知った日から3ヶ月以内」に行わなくてはなりません。

この期限を過ぎてしまうと相続を認めたものとして扱われてしまいますので注意しましょう(ただし、あとで解説させていただくように例外的に延長が認められるケースがあります)

必要書類

想像放棄を行うためには以下のような書類を家庭裁判所に持参しなくてはなりません(相続放棄申述書は家庭裁判所に備え付けてあります)

相続放棄申述書
相続放棄を行う人の戸籍謄本
亡くなった人の住民票の除票

戸籍謄本や住民票の除票は住んでいる地域の市役所で発行してもらうことができます。

自分で行う場合と専門家に依頼した場合の費用比較

相続放棄の費用は、自力で行なった場合には上でも説明させていただいたように収入印紙代800円に郵便切手代をプラスした金額ということになります。

一方で、相続放棄を行うべきかどうかの判断が難しいような場合には弁護士などの専門家に相談した上で相続放棄の手続きを行うことが考えられます。

専門家に依頼した場合の費用相場

相続放棄に関する相談は弁護士または司法書士にすることが多いです。

専門家に依頼した場合には以下のような相場の費用が発生することが多いです。

  • 相談料      :1時間に3000円〜5000円程度
  • 相続放棄申述書作成:5000円程度
  • 戸籍謄本の取得等 :実費
  • 代行手数料    :3万円程度

単純承認になってしまわないように注意

相続放棄というのは簡単にいうと「自分は相続人ですが、相続はしたくありません」という意思表示をすることです。

日本の法律では、自分の意思に反して財産を取得したり負債を負ったりすることはないという建前になっていますから、期限内に相続放棄を行えば自分の意思に反して遺産を相続することはないというのが原則です。

しかし、法律上相続人となる人が以下のような行為を行なった場合には、「この人には相続をする意思がある」と判断されて相続放棄ができなくなってしまうことがあります(これを単純承認といいます)

  • 遺産の一部または全部を処分した時
  • 遺産を隠したような場合
  • 相続放棄の期限が過ぎた時
  • 一定の還付金等を請求した時

上の「一定の還付金等」というのは介護保険や健康保険の還付金や、世帯主以外の人が受け取る高額療養費などが該当します。

遺族年金や生命保険の死亡保険金は受け取っても単純承認にはあたりませんが、一定の種類の死亡退職金などは退職金規定の内容によっては単純承認とみなされることがありますから注意しておきましょう。

相続放棄の期限が過ぎてしまったらどうする?

上でも説明させていただいた通り、相続放棄は「相続があったことを知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所に対して申述するという形で手続きをしなくてはなりません。

もしこの期間を過ぎてしまうと、原則として相続を承認したものとみなされてしまい、なくなった方の借金を含む財産の相続をすることになります。

ただし、以下のような場合には相続放棄の期限についての延長措置が認められることがあります。

「相当の理由」があると判断される場合

例えば亡くなった方の財産の状況を調査するのに時間がかかる場合など、相続放棄をすべきかすべきでないかの判断ができなかったことに無理のない事情がある場合には、期限後に相続放棄をしても認めてもらうことができるケースがあります。

例えば、故人が借金していたことを隠していて、債権者から請求された時に初めて借金の存在を知ったという場合のように、あなたが「期限内に相続放棄の手続きを行えなかったことに相当の理由がある」と判断してもらえるような場合が該当します。

ただし、こうしたケースはあくまでも例外的な措置で、相続放棄の期限についての大原則は「相続があった日から3ヶ月」ですから、期限が過ぎてもある程度は大丈夫、と安易に考えてしまうと思わぬ不利益を被ってしまう可能性がありますから避けなくてはなりません。

判断に迷うようなケースでは弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

専門家からのアドバイス

司法書士:田中千尋

相続開始から3カ月以内の手続きが大切

相続税の申告期限は「その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内」と定められています。相続の開始があったことを知った日とは、通常、「被相続人が死亡した日」です。一方、相続放棄や限定承認は、相続開始=被相続人が死亡した日から3カ月以内に行うことが定められています。ただし、相続放棄は「相当の理由」があれば期限が切れた後でも相続放棄を行うことができるという考え方があります。それは、たとえば生き別れた親の死亡を知らされずに3カ月が過ぎた場合などで、裁判所の判断により「相当の理由」が認められることが必要です。とはいえ、こういったケースはまれなので、くれぐれも3カ月の期限は守りましょう。

相続サポートセンターでは相続放棄について無料相談に対応しています。

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