相続税完全ガイド|プロが教える!知っておきたい相続税の基礎知識

2015年1月に実施された相続税の改正によって、相続税の基礎控除額4割も引き下げられたため、相続税がかかる(申告が必要となる)世帯が大幅に増加しています。多くの世帯が相続税の対象となる時代となった今、相続税の「正しい知識」が求められています。
本記事では3人の税理士が、その知識と経験を活かし、相続税を分かりやすく解説します。


税理士:古尾谷 裕昭 相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人)
代表税理士。昭和50年生まれ、東京都浅草出身。
「相続税がかかるかどうか?」
「どれくらいの相続税になるのだろうか?」
まずは専門家に相談する前に自分で計算したいという方も多くいらっしゃるかと思います。

相続税の計算の仕方、相続税の申告や納税について分かりやすく解説します。

税理士:三ツ本 純 相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人)税理士。
昭和56年生まれ、神奈川県出身。
実際の申告手続きについては税理士に相談するにしても、スムーズに手続きを進めるために相続税計算の大まかな流れについて理解しておくことは大切です。

税理士・元国税調査官:桑原 弾 相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人)税理士。
昭和55年うまれ、大阪府出身。
相続税の申告と納付は相続が発生してから10ヶ月以内に税務署に対して行わなくてはなりません。
さらに、その後になって納付した相続税の金額が正しかったかどうかをチェックするために、税務調査が行われることがありますので、相続税の申告が必要な方は相続税のプロの税理士に依頼することをお勧めします。

税理士:古尾谷 裕昭 相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人)
代表税理士。昭和50年生まれ、東京都浅草出身。
「相続税がかかるかどうか?」 「どれくらいの相続税になるのだろうか?」 まずは専門家に相談する前に自分で計算したいという方も多くいらっしゃるかと思います。
相続税の計算の仕方、相続税の申告や納税について分かりやすく解説します。

税理士:三ツ本 純 相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人)税理士。
昭和56年生まれ、神奈川県出身。
実際の申告手続きについては税理士に相談するにしても、スムーズに手続きを進めるために相続税計算の大まかな流れについて理解しておくことは大切です。

税理士・元国税調査官:桑原 弾 相続サポートセンター(ベンチャーサポート相続税理士法人)税理士。
昭和55年うまれ、大阪府出身。
相続税の申告と納付は相続が発生してから10ヶ月以内に税務署に対して行わなくてはなりません。
さらに、その後になって納付した相続税の金額が正しかったかどうかをチェックするために、税務調査が行われることがありますので、相続税の申告が必要な方は相続税のプロの税理士に依頼することをお勧めします。

相続税とは

  • 相続税とは相続や遺言よって遺産(財産)を取得した場合に、その取得した遺産(財産)に課税される税金です。
  • 相続税は人の死亡によって亡くなった人の財産を受け継いだときに受け継いだ人にかかる税金です。

相続税がかかるケースは次の3パターンです。

相続税がかかるケース
相続 生前に自分の財産を誰に渡すか決めていないケース
遺贈 生前に遺言書で自分の財産を誰に渡すか決めているケース
死因贈与 生前に契約書で自分の財産を誰に渡すか決めているケース

相続」は遺言や死因贈与の契約書がなく、遺産は誰に渡すか決められていないケースが一般的です。亡くなった方が生前にしっかり遺言を残してくれていた場合には「遺贈」に該当してきます。また、「死んだら財産を○○に渡します」とあらかじめ財産を渡す相手と契約書を交わしているケースが「死因贈与」となります。

相続税は誰にかかるのか

相続税は財産を受け継いだ人に課税される税金ですから、
相続、遺贈、死因贈与のいずれであっても財産をもらった人(個人)に課税されます。

相続 民法で定めた法定相続人に相続税がかかります
遺贈 遺言によって財産をもらった人に相続税がかかります
死因贈与 生前に財産を受け渡す契約書を交わした人(財産をもらった人)に相続税がかかります。
参考:法人に相続税はかかる?

自分の親族が役員になっている法人に遺贈をしたり、
寄付目的で公益財団法人や宗教法人に遺贈や死因贈与する場合は
相続税はかかるでしょうか?

結論:相続税は財産を受け継いだ個人にかかるので法人に相続税はかかりません
※財産をもらった法人には法人税等が課税されます。(公益法人等には原則、法人税がかかりませんが、相続税回避のための遺贈等は相続税課税が考えられます。)

誰が相続人になれるのか?

相続が起きて被相続人が生前に遺産を誰に渡すかが明らかになっていない場合(遺言、死因贈与がないケース)があります。
民法ではこのような場合に、被相続人の遺産を誰が相続することができるかを定めています。
民法で定められた相続人のことを「法定相続人」といいます。

相続人となるのは「配偶者+血縁関係にある人」が原則の形で、血縁関係によって相続人となる人にはそれぞれ順位が決まっています。
この順位に従い法定相続人が決まってきます。

具体的には、次のように相続順位が決まっています。

  • 第1順位:子供や孫(直系卑属といいます)
  • 第2順位:父母や祖父母(直系尊属といいます)
  • 第3順位:兄弟姉妹

例えば、亡くなった人の遺族として父と子供がいる場合には、第1順位である子供が相続人となり、第2順位である父は相続人とはなりません。

同様に、亡くなった人の遺族に弟と母がいる場合には、第2順位の母が相続人となり、第3順位の弟は相続人となりません。

※相続人パターン図1

被相続人に配偶者がいる場合は、配偶者が常に相続人になります。配偶者に子どもがいれば、子どもも相続人になります。

※相続人パターン図2

被相続人が独身で子どももいない場合は、第2順位の親が相続人となります。両親が死亡している場合は、祖父母が相続人になります。

※相続人パターン図3

被相続人が独身で子どももなく、両親も祖父母も死亡している場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

相続税の基礎控除とは

相続税は亡くなった人の遺産の総額に基づいて税金が計算されますが、「ここまでの範囲の財産には相続税をかけません」という基準の金額があります。
この基準の金額を相続税の「基礎控除」といいます。相続税の課税の仕組みを簡単なイメージ図にすると下記のようになります。

亡くなった人の遺産の総額

課税価格

この金額に対して相続税がかかる

基礎控除 基礎控除額
3000万円+(法定相続人の数×600万円)

基礎控除は下記の計算によって、計算します。

    基礎控除=

    3,000万円 法定相続人の数 × 600万円

基礎控除の計算は「法定相続人」の人数によって控除額が変わってきます。

基礎控除は相続人1人につきプラス600万円

相続人の人数ごとの基礎控除額

※相続人の人数ごとの基礎控除額

法定相続人の人数が増えるほど控除額がアップ!

法定相続人というのは法律で定められた相続の権利がある人のことです。基礎控除として3000万円、相続人ひとりにつき600万円が相続する財産から控除されるため、相続人が多いほど控除される額が増えていきます。 ※法定相続人の数 法定相続人の数は、様々なパターンで計算が変わりますので、一般的に多いケースをお伝えします。

  • 配偶者と子供がいる場合 配偶者と子供の数の合計
  • 配偶者がいない場合 子供の数の合計
  • 配偶者がいて、子供がおらず、親がいる場合 配偶者と故人の親の数の合計
  • 配偶者がいて、子供がおらず、親もいない場合 配偶者と故人の兄弟の合計
相続税がかからないケース

遺産の金額が少ないために相続税が発生しないケース(「遺産総額<基礎控除額」となるケース)では、相続税の申告は基本的に行う必要がありません。

基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人数」で計算し、例えば法定相続人が3人である場合には4800万円(3000万円+600万円×3人)ということになります。

この場合、遺産の総額が4800万円で未満であれば、相続税の負担は発生しないことになります。

    遺産総額が基礎控除額の範囲内であれば相続税負担は生じない

    基礎控除額

    遺産総額 3,000万円 法定相続人の数 × 600万円

「過去に親族が亡くなって相続があったけど、そのときは相続税の手続きなんて何もしなかったけど?」という方の場合、相続財産が基礎控除額の範囲内であったために相続税の負担が必要なかったものと思われます。

参考:相続税の課税対象者の推移

※国税庁の統計 平成26年中(改正前)にお亡くなりになった方の相続で、相続税の申告が必要かつ相続税の納税が発生した件数は全体の4.4%となっており、平成27年1月1日以降に発生した相続に関しては上記の通り基礎控除額が引き下がったことにより、相続税の申告が必要となった方の割合は8%に上昇、改正前と比べて1.5倍に増えています。
※ ただし、相続税の申告の件数がある世帯=納税の必要がある世帯ではないことに注意が必要です。
相続税に関する各種控除を受けた結果、相続税がかからないとわかっている場合でも、相続税の申告は必要なのです。

平均的な世帯は相続税を払う必要あり!
政府税制調査会の資料によれば、70歳以上の世帯(ふたり以上)の保有資産は全国平均で5961万円となっています。

その内訳をみてみると、金融資産が2026万円、不動産が3817万円です。 ただし、この数値は全国平均ですから、地価の高い都市部に持家がある場合、所有している不動産の評価額が上がり、より多くの資産を持っていることになります。

相続税の計算は非常に複雑なのですが、概算で相続税がかかるかどうかの早見表を作成しました。
下の表は、配偶者と子どもが相続人の場合のもので、子どもの立場からみると両親のどちらかがなくなった時を1次相続といいます。
相続人が子どものみ(残された親が亡くなった)場合を2次相続といいます。 この早見表の相続税額は法定相続人が法定相続割合で相続し、配偶者控除のみを適用したものとして計算しています。 それでは下記の相続税早見表相続税がかかるかチェックしていきましょう!

相続税早見表 配偶者と子どもの場合

相続人

相続額


配偶者

子ども1人

配偶者

子ども2人

配偶者

子ども3人

配偶者

子ども4人
4,000万円
5,000万円 40万円 10万円
6,000万円 90万円 60万円 30万円
7,000万円 160万円 113万円 80万円 50万円
8,000万円 235万円 175万円 138万円 100万円
9,000万円 310万円 240万円 200万円 163万円
1億円 385万円 315万円 263万円 225万円
1億5,000万円 920万円 748万円 665万円 588万円
2億円 1,670万円 1,350万円 1,218万円 1,125万円
2億5,000万円 2,460万円 1,985万円 1,800万円 1,688万円
3億円 3,460万円 2,860万円 2,540万円 2,350万円
3億5,000万円 4,460万円 3,735万円 3,290万円 3,100万円
4億円 5,460万円 4,610万円 4,155万円 3,850万円
4億5,000万円 6,480万円 5,493万円 5,030万円 4,600万円
5億円 7,605万円 6,555万円 5,963万円 5,500万円

相続財産が多いほど税額アップ

相続人が多いほど税額ダウン

※相続税早見表 配偶者と子供の場合

表内の税額は相続人全員の合計となっており、個人の負担分は相続財産を取得した割合で変わってきます。

相続税早見表 子どもだけの場合 (2次相続)

相続人

相続額


子ども1人

子ども2人

子ども3人

子ども4人
4,000万円 40万円
5,000万円 160万円 80万円 20万円
6,000万円 310万円 180万円 120万円 60万円
7,000万円 480万円 320万円 220万円 160万円
8,000万円 680万円 470万円 330万円 260万円
9,000万円 920万円 620万円 480万円 360万円
1億円 1,220万円 770万円 630万円 490万円
1億5,000万円 2,860万円 1,840万円 1,440万円 1,240万円
2億円 4,860万円 3,340万円 2,460万円 2,120万円
2億5,000万円 6,930万円 4,920万円 3,960万円 3,120万円
3億円 9,180万円 6,920万円 5,460万円 4,580万円
3億5,000万円 1億1,500万円 8,920万円 6,980万円 6,080万円
4億円 1億4,000万円 1億920万円 8,980万円 7,580万円
4億5,000万円 1億6,500万円 1億2,960万円 1億980万円 9,080万円
5億円 1億9,000万円 1億5,210万円 1億2,980万円 1億1,040万円

相続財産が多いほど税額アップ

相続人が多いほど税額ダウン

※相続税早見表 配偶者と子供の場合(2次相続)

2次相続では税額負担が上昇!

相続では配偶者に対する税の優遇処置が大きいため、1次相続では大きな負担にならないことがほとんどです。 しかし、子どもだけの2次相続になると課税対象となる財産額が拡大することがわかります。

たとえば、前述の全国平均に近い6000万円の金融資産を相続した場合、配偶者と子どもひとりが相続人の1次相続では、概算で約90万円の相続税が必要です。 しかし、同額を子どもひとりが相続する2次相続では、税額は310万円に跳ね上がります。 平均的な金融資産を持つ家庭ですら、これだけの税負担になるのですから、相続税に対して真剣に考える必要があるのです。

 

相続税はどうやって計算するのか

相続税の計算は次の順番で行っていきます。

以下、順番に解説させていただきます。

正味の相続財産の計算

財産を所有している人が亡くなった場合、その財産はその人の家族が引き継ぐ(相続する)ことになります。

相続の対象となる財産はプラスの財産(資産)だけではなく、マイナスの財産(つまり借金)も含まれます。 マイナスの財産はプラスの財産から差し引くことができ、これを「債務控除」といいます。それでも借金が多い場合は、相続放棄や限定承認という方法を考えましょう。

ほか相続財産には、みなし相続財産非課税財産があります。
みなし相続財産とは、被相続人が亡くなった後に遺族に支払われる死亡保険金や死亡退職金などのお金のこと。
被相続人の固有財産とはいえないものの、実質的には相続財産とみなされているのです。

一方、仏壇や墓地・墓石などは非課税財産です。
このほか、気をつけたいのが贈与財産。
被相続人が亡くなる前3年以内に贈与された財産は相続財産とみなされるので覚えておきましょう。

相続財産

相続財産まとめ 線

相続税が
かかる財産

非課税財産
(相続税がかからない財産)

債務
(マイナスの財産)

相続財産まとめ 線

本来の相続財産
(プラスの相続財産)

みなし相続財産

相続税がかかる
贈与財産

相続財産まとめ 線

相続開始前3年
以内の贈与財産

相続時精算課税
による贈与財産

相続財産

相続財産まとめ 線

相続税が
かかる財産

非課税財産
(相続税がかからない財産)

債務
(マイナスの財産)

相続財産まとめ 線

本来の
相続財産
(プラスの相続財産)

みなし
相続財産

相続税が
かかる
贈与財産

相続財産まとめ 線

相続開始前
3年以内の
贈与財産

相続時
精算課税
による
贈与財産

相続財産

相続財産まとめ 線

相続税が
かかる財産

非課税財産
(相続税がかからない財産)

債務
(マイナスの財産)

相続財産まとめ 線

本来の相続財産
(プラスの相続財産)

みなし相続財産

相続税がかかる
贈与財産

相続財産まとめ 線

相続開始前3年
以内の贈与財産

相続時精算課税
による贈与財産

相続財産

相続財産まとめ 線

相続税が
かかる財産

非課税財産
(相続税がかからない財産)

債務
(マイナスの財産)

相続財産まとめ 線

本来の
相続財産
(プラスの相続財産)

みなし
相続財産

相続税が
かかる
贈与財産

相続財産まとめ 線

相続開始前
3年以内の
贈与財産

相続時
精算課税
による
贈与財産

※相続財産まとめ
正味の相続財産の計算

相続税はこのプラスの財産からマイナスの財産を差し引きした「正味の相続財産」に対して課税されますので、まずはプラスの財産の金額と、マイナスの財産の金額を確定しなくてはなりません。

    正味の遺産額(相続財産)の計算方法
  • プラスの財産
  • ●預金、預貯金
  • ●株式、国債
  • ●土地、建物など
  • マイナスの
    財産
  • ●葬儀費用
  • ●ローン
  • ●未払い金
    など
  • みなし
    相続財産
  • ●死亡保険金
  • ●死亡退職金
  • 3年以内の贈与財産
  • 相続時精算課税財産

  • 正味の
    遺産額
    正味の遺産額(相続財産)の計算方法
  • プラスの財産


  • ●預金、預貯金

  • ●株式、国債

  • ●土地、建物など

  • マイナスの財産


  • ●葬儀費用

  • ●ローン

  • ●未払い金など

  • みなし相続財産

  • ●死亡保険金

  • ●死亡退職金

  • 3年以内の贈与財産

  • 相続時精算課税財産

  • ❘❘

    正味の遺産額

例えば、亡くなった方の財産として銀行預金が1億円、借金が3000万円残されているという場合には、正味の相続財産は7000万円(1億円-3000万円)ということになります。
また、死亡保険金や死亡退職金があればみなし相続財産として非課税額を控除した金額が加算されます。

生命保険金非課税額 = 500万円 × 法定相続人の数
死亡退職金非課税額 = 500万円 × 法定相続人の数

※受け取った死亡保険金、死亡退職金から上記非課税額を控除していきます。

さらに、相続開始日前3年以内に生前贈与された財産は相続財産に加算しなければいけません。

相続税の基礎控除額の計算

相続税は一定額以上の相続財産がある場合にのみ課税されます。
簡単にいうと「お金持ち以外は相続税がかかることはない」ということですが、具体的に説明すると以下の通りです。

この「相続税がかかるお金持ち」と「そうでない人」をわける基準となるのが「相続税の基礎控除額」です。
相続税は、正味の相続財産から相続税の基礎控除額を差し引きした金額に対して課税されるため、もし「正味の相続財産相続税の基礎控除額」となっている場合にはそもそも相続税の発生もしなければ相続税の申告も必要ありません。
前段で説明もしましたが、相続税の計算において間違えてはいけない重要な目安となりますので、再度説明します。

相続税の基礎控除額は下記の計算で求めます。

基礎控除額

3,000万円法定相続人の数600万円

※相続税基礎控除額の計算式

たとえば、父親が亡くなって、母親と子ども3人が相続人になるケースでは、法定相続人は、4人です。そこで、基礎控除は、3000万円+600万円×4人=5400万円になります。

よって、この事案では、遺産総額が5400万円以下なら相続税はかかりませんが、それを超える場合には、超える部分に対して相続税が課税されます。

法定相続人の数に応じた基礎控除額一覧

法定相続人の数 基礎控除額 (単位:万円)
1人 3,600
2人 4,200
3人 4,800
4人 5,400
5人 6,000
6人 6,600
7人 7,200

課税遺産総額の計算

正味の相続財産と相続税の基礎控除額がわかったら、次に「課税遺産総額」を計算します。
(計算式は以下のようになります)

正味の相続財産 相続税の基礎控除額 課税遺産総額
※課税遺産総額の計算式

2でも少し解説させていただいた通り、正味の相続財産の金額が相続税の基礎控除の金額を下回っている場合(正味の相続財産<相続税の基礎控除額)、相続税の金額は0円ということになります。

例えば、
正味の相続財産が3000万円で、相続人の人数が3人という場合には、課税遺産総額は以下のように計算できます。
3000万円-(3000万円+600万円×3人)=0円未満(相続税は発生しません)

一方で、正味の相続財産が1億円あるという場合には、課税遺産総額は以下のようになります。

1億円 (3,000万円+600万円×3人) 5,200万円

相続税を計算する

相続税特有の税額計算の仕組み

それでは具体的に相続税額の計算についてみていきましょう。
課税遺産総額の金額が計算できたら、次に相続人となる人それぞれが法定相続分で取得したものとみなして相続税額を計算し、その相続税の総額をまずは計算していきます。
この相続税の総額を各相続人が実際に取得する相続分に応じ、相続税の総額を按分して各相続人の相続税額を計算します。

最後に、各相続人の相続税額から適用できる税額控除を差し引いた残額が各相続人の最終の相続税納付額となります。

課税遺産総額

×

(法定相続人の法定相続分)

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

相続税の総額

×

(按分割分)

各相続人の税額

各相続人の税額

各相続人の税額

課税遺産総額

×

(法定相続人の法定相続分)

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

相続税の総額

×

(按分割分)

各相続人の税額

各相続人の税額

各相続人の税額

※相続税特有の税額計算の仕組み図

※按分割分とは、現実に得た遺産の金額を課税価額の合計産出額で割ったものです。

最終的に出された金額について、各相続人の事情で税額の増減がある場合もあります。
たとえば、被相続人の兄弟や孫、内縁の配偶者などは相続税額が20%アップするのです。
なお、原則的に父母または子供など、1親等の血族にあたる人は2割加算の対象にならないのが原則ですが、
例外的に「養子」の場合、その養子が被相続人の孫である場合は2割加算の対象になることにも注意が必要です。
要するに、間を1代飛び越して相続させ、相続税を1回分回避する形になることを踏まえ、それを補填するためなのです。
また、軽減される例として代表的なのは「配偶者の税額軽減」です。
配偶者は被相続人の財産を作ることに貢献しているのが普通ですから、配偶者が取得した財産が法定相続分もしくは1億6,000万円以下であれば納付税額が発生しないことになっています。

納税額は各相続人が取得した割合をもとに算出
相続税の総額が決まったら、今度は実際の相続割合に応じて納税額を計算します。最後に各種控除を適用し、各相続人の納税額が決まります。

納税額 相続税の2割加算
(適用がある場合)
税額控除
(適用がある場合)
最終的な納税額
主な税額控除
配偶者の税額軽減 被相続人の配偶者は、1億6000万円または配偶者の法定相続分のどちらか多い金額までの取得財産について相続税が免除されます。
贈与税額控除 「相続開始前3年以内に贈与された財産」に対する支払い済みの贈与税は相続税から控除されます(詳しくは、下記のアドバイスを参照)。
未成年者控除 相続人が未成年者のとき、その相続人が満20歳になるまでの年数1年につき10万円が控除されます。なお、1年未満の端数は切り上げて1年として計算します。
障害者控除 相続人が85歳未満の障害者のとき、その相続人が満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が控除されます。
「相続税の配偶者控除」を使う場合

亡くなった方の配偶者の場合、「実際に受け取った遺産の金額」が法定相続分の範囲内である場合には税金がかからないというルールがあります。

実際に遺産をいくら受け取るか?は亡くなった方が遺言を残している場合には遺言が法律上ルールよりも優先されますから、実際に受け取る金額と法定相続分が異なるケースがあるのです。
この配偶者控除を使う場合には、相続税の申告期限までに、配偶者の方の相続分を計算した上で申告書を提出する必要があります。

《相続税の配偶者控除とは?》
  • 配偶者が相続する財産は、評価額1億6000万円までは税金がかかりません。
  • 実際の取得金額が1億6000万円
    又は法定相続分以下なら相続税はゼロ
  • 実際の取得金額が1億6000万円
    又は法定相続分以下なら差額部分に対して相続税が発生

法定相続分というのは、法定相続人(民法で定められた範囲の相続人)の誰に、どれだけ相続分があるのかということを決めた民法のルールのことです。民法の基本的な考え方としては、配偶者は被相続人(亡くなった人)の財産を形成することに貢献しており、被相続人が死亡した後もその生活をある程度保障しなければならないという観点から、離婚や死別などしていなければ無条件に相続人になりますし、その相続分も他の立場の相続人より多く定められています。

極端な話をすれば、結婚して1日しか経たずに被相続人が死亡した場合でも、配偶者の相続分は50年連れ添った人と同じなのです。こういった背景から、高齢者の再婚がその子供によって反対される事例も珍しくありません。

法定相続人は基本的な親族の相続分を定めたものではあるものの、決してその通りでなければならないということではなく、たとえば遺言書で法定相続分と異なる相続分を定めてもかまいませんし、遺産分割協議が成立すれば結果的に法定相続分と異なる割合になったとしても違法ではないのです。実際、ほとんどの家庭では遺産分割協議を行って法定相続分と異なる割合で相続しているのが実情でしょう。



法定相続分というのは、法定相続人(民法で定められた範囲の相続人)の誰に、どれだけ相続分があるのかということを決めた民法のルールのことです。民法の基本的な考え方としては、配偶者は被相続人(亡くなった人)の財産を形成することに貢献しており、被相続人が死亡した後もその生活をある程度保障しなければならないという観点から、離婚や死別などしていなければ無条件に相続人になりますし、その相続分も他の立場の相続人より多く定められています。

極端な話をすれば、結婚して1日しか経たずに被相続人が死亡した場合でも、配偶者の相続分は50年連れ添った人と同じなのです。こういった背景から、高齢者の再婚がその子供によって反対される事例も珍しくありません。

法定相続人は基本的な親族の相続分を定めたものではあるものの、決してその通りでなければならないということではなく、たとえば遺言書で法定相続分と異なる相続分を定めてもかまいませんし、遺産分割協議が成立すれば結果的に法定相続分と異なる割合になったとしても違法ではないのです。実際、ほとんどの家庭では遺産分割協議を行って法定相続分と異なる割合で相続しているのが実情でしょう。

どんな財産に相続税がかかるのか

相続税は原則、被相続人が亡くなった日に持っていた全ての財産が相続税の課税対象になります。

相続の対象となる財産一覧

プラスの財産

金融資産 現金、預貯金、有価証券(公社債、上場株式、投資信託など)
不動産 家屋(貸家も含む)、宅地(貸家建付地も含む)、農地、山林など
不動産上の権利 借地検、地上権など
動産 自転車、家財、黄金属、宝石、骨董品など
その他 ゴルフ会員権、リゾート会員権、特許権、著作権、商標など

マイナスの財産

借金 住宅ローンなどの借入金、未払い金など
保証債務 保証人、連帯保証人としての地位
公租公課 滞納している所得税、住民税、固定資産税、税金など
葬式費用 通常の通夜、葬儀社や寺などに支払った葬式費用一式※香典返し、初七日、四十九日などの法要の費用は除く
その他 損害賠償責務など

みなし相続財産

死亡保険金 生命保険金、損害保険金など。相続人に支払われた場合のみ、非課税枠の適用を受けられる
死亡退職金 退職金、功労金や、これに準ずる給与などで、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの。非課税枠の適用あり
その他 生命保険契約に関する権利、定期金に関する権利など

非課税財産

日常礼拝をしているもの 生前から所有していた墓地・墓石、霊廟、仏壇、仏具など※純金製の仏壇、骨董品の仏像など高額なものは除く
寄付財産 相続税の申告期限までに国または地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定法人に寄付したもの
公益事業用の財産 寺社の境内地など、公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

贈与財産

贈与税がかかる贈与財産 被相続人が亡くなった日(相続開始日)前3年以内にもらった財産

相続税の計算にはすべての財産のリストアップが必要

相続財産には上のリストにあるとおり、金融資産、不動産、その他財産といったプラスの財産だけでなく、死亡保険金や死亡退職金といったみなし相続財産、葬儀費用や借入金残金といったマイナスの財産も含まれます。

また、財産の中には相続税が非課税となる財産もあります。まずは、これらの財産をリストアップして「財産目録」を作成することで、相続財産の一覧を正確に把握していくことができます。

財産目録 見本

財産目録サンプル

財産目録サンプル

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※財産目録サンプル

 

相続財産はどのように評価するのか

相続財産は原則として課税時期(通常は相続開始の時、つまり被相続人の死亡の時)の時価、つまり市場で自由に取引されればいくらになるのかという価格で評価されることが基本です。

現金預貯金、有価証券などの場合

現金や預貯金は相続発生時点での価格で見ればよいのでシンプルです。
ただ、有価証券の場合、株式については上場株式、非上場株式のどちらであるかによって異なります。

上場株式については毎日の終値や月平均値を基準にしていますので、証券会社などに問い合わせることで比較的簡単に知ることができます。
投資信託については、相続開始日(被相続人の死亡日)に解約請求又は買い取り請求を行ったとした場合に、支払いを受けることができる価格が評価額になります。

土地の評価方法

市街地にある宅地については「路線価方式」という評価方式がとられていますが、これはその宅地が面している道路に付けられた値段を基準にして評価額を計算する方法です。

路線価が一覧で見られる「路線価図」というものがあり、税務署で調べることができるほか、インターネットでも公開されています。ただ、すべての土地について路線価図に掲載されている値段をそのまま使えるわけではなく、各土地の条件(土地の立地や形状など)を加味してあらかじめ決められた計算式を使い、補正を加えていきます(「画地調整」とよばれます)。

路線価方法

路線とは道路のことで、路線に面する標準的な宅地の1㎡あたり1,000円単位の評価額が、国税庁によって定められています。路線価に土地の面積をかけて土地の価格を計算。路線価は、毎年7月ごろに国税庁が公表する路線価図で確認することができます。 路線価図例

※路線価図例

30万円×100㎡3,000万円

路線価図にある「300C」の「300」が路線価。1㎡あたり1,000円単位なので、この場合の路線価は30万円。計算すると、評価額は3,000万円となる。

土地については、一定の要件を満たすことで、被相続人(亡くなった人)の自宅や店舗、事務所など、事業用に使っていた宅地につき大幅に評価額を下げてもらえる小規模宅地等の特例が適用される場合があります。
不動産の評価額を下げることにより、結果として算出される税額も下がることになります。

「小規模住宅等の特例」を使う場合

亡くなった方が居住していた住宅等を相続した場合には、その住宅の遺産としての評価額を大幅に小さくしてもらえる(80%〜50%)という法律上のルールがあります。

例えば、本来は5000万円の価値がある住宅を相続したけれど、小規模住宅等の特例を使うことによってこの住宅の遺産としての評価額を1000万円としてもらうことができるケースがあるのです。 遺産としての評価額を小さくしてもらうことができれば、相続税の負担額も小さくなりますから、結果として相続税の負担が必要なくなることもあります。
この小規模住宅等の特例を使うためには相続税の申告を行う必要がありますから、結果として相続税の負担が0円となる場合にも、期限までに相続税の申告手続きだけは行わなくてはならないことになります。

小規模宅地等の特例
貸付用

宅地の評価額

50%減

(例)
適用前 5,000万円 適用後 2,500万円

事業用
居住用

宅地の評価額

80%減

(例)
適用前 5,000万円 適用後 1,000万円

相続税の負担が大幅減!

建物の評価方法

家屋の価額は固定資産税評価額がそのまま評価額となります。なお、貸家は自用家屋の60%または70%の評価になります。相続財産がいくらになるのかによって相続税の金額が変わることはもちろん、場合によっては相続税申告の要否までもが決まってくることがありますので、それぞれの計算を慎重に行わなくてはなりません。

生命保険の評価

亡くなった人が保険料を支払っていた生命保険金(死亡保険金)は亡くなった人の“みなし相続財産”として相続財産に含めて遺産の総額を計算します。
ただし、”みなし相続財産”である死亡保険金には一定の非課税枠が用意されています。

500万円 × 法定相続人の数 = 生命保険金非課税限度額
500万円 × 法定相続人の数
= 生命保険金非課税限度額

受け取った保険金額から非課税額を差し引いた金額が生命保険の評価額となるでの注意しましょう。

受け取った死亡保険金

生命保険の評価額
非課税限度額

非課税限度額=500万円×法定相続人の数

非課税額の範囲内であれば相続税の課税はされません。

ゴルフ会員権の評価方法

一般的に名前が知られているゴルフ場の会員権の多くは、取引される相場のある、譲渡することを前提とした預託金制の権利なので、相続財産に含まれます。取引相場のあるゴルフ会員権の評価額は、相続が発生した日の取引価格の70%です。相続財産の評価では、買い相場の取引価格を採用します。

書画・骨董品の評価方法

国税庁の通達では「精通者」と表現されていますが、古くから骨董品や美術品を扱っている店や、鑑定家として有名な人に依頼して評価額を算定してもらいます。

価値の少ないものは「家庭用財産」として評価する!

鑑定の結果、価値が少ないとわかった書画・骨董品などは「家庭用財産」として評価します。「家庭用財産」は、家庭にあるもののことです。例えば、タンスなどの家具・電化製品・貴金属や服・書籍・自動車などです。電話加入権なども含まれます。10万円程度の評価額であれば「家庭用財産のひとつ」として、5万円以下であれば「家財一式」として他のものと一緒にまとめて申告します。

相続税の税率とは

相続税の税率

相続税は相続財産が多くなるほど税率が高くなる累進課税の仕組みを採用しています。なお、相続税の課税標準となる金額は上記で計算した正味の相続財産から相続税の基礎控除額を差し引いた金額となります。

相続税の課税標準 税率 控除額
1000万円以下 10%
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円

※「将来的に相続が発生するときに相続税を払うか、それとも生きているうちに贈与税を払っておくか?」は節税対策を考えるときに問題になるテーマですね。

特に気になるのが税率ですが、相続税、贈与税ともに最大税率は55%にもなりますから、これら2つの税金の計算方法を理解しておくことは大切です。

相続税の申告とは

相続税がかかる、もしくは相続税が0円でも特例を利用しての結果の場合には相続税の申告をしなければなりません。
相続税の申告は相続税の申告書に財産や債務、税額控除などを記入して、期限内に税務署に提出することをいいます。

相続税の申告書サンプル
相続税の申告書サンプル

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※相続税の申告書サンプル

 

遺産の分割協議、または遺言書で各相続人の遺産の取得割合が決まり、相続税の申告書を作成します。申告書は所定の用紙があるので、税務署に行って取得してください。
申告書の作成方法は申告書と一緒にもらえる『相続税の申告のしかた』という冊子に詳しく記載されていますので、それを参考に必要事項と金額などを記入していきます。
なお、相続税の申告書は、同じ被相続人から相続や遺贈などによって財産を取得した人が共同で作成して提出することができます。

相続税の申告は個人でもできる?

時間はかなり必要だが不可能ではない

相続税の申告をするのに特別な資格は必要ありません。遺産をリストアップし、必要な書類をすべて揃え、相続税の申告書を作成して提出、とやることは多いのですが、個人でもできます。ただし、かなりの手間と時間がかかることは覚悟してください。

STEP 1法定相続人を確定させる

相続の手続きをするには、最初に「誰が相続人なのか」を確定させる必要があります。そのため、被相続人の「出生から死亡したときまでの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本」が必要になります。戸籍の収集は時間がかかることも珍しくなく、数ヵ月かかることもあるので早めに取り掛かりましょう。

STEP 2相続財産を確定させる

被相続人がどんな財産をどれくらい持っていたのかも、確定させる必要があります。現金、預貯金、有価証券、生命保険だけでなく、土地や建物の評価額も算出しなければなりません。そのうえで、それぞれの相続人が、どの財産をどれくらい相続するかも決めます。

STEP 3必要な書類の手配

相続税の申告に必要な書類を揃えます。相続人の戸籍や印鑑証明、銀行の預金残高証明書、登記簿謄本など集めなければならないものはたくさんあります。オンラインで手続きできるものもありますが、窓口に行かなければ取得できないものもあり、予想外に手間がかかる作業となります。

STEP 4「相続税の申告書」の作成

遺産の分割が決まり、必要な書類を揃えたら、「相続税の申告書」を作成します。申告書は順番通りに記入していけば完成するようになっていますが、かなりのボリュームがあり、作成には時間が必要です。完成したら必要書類とともに税務署に提出しますが、提出期限に注意してください。

個人で申告するメリット

・税理士などへの費用がかからない

個人で申告するデメリット

節税が難しい
申告漏れの可能性が高まる
土地の評価を間違う可能性が高い
税務調査が入る確率が高くなる
・税務調査に自身で対応

相続税の申告に必要な書類

相続の手続きにはたくさんの書類が必要

市町村役場
市町村役場

郵便局
郵便局

必要な書類を集めるのは大変
必要な書類を集めるのは大変

銀行
銀行

法務局相
法務局相

相続の手続きに必要な書類は、戸籍謄本などの市町村役場でもらえるものだけではありません。銀行や郵便局、法務局の窓口で手続きが必要なものもあり、手続きに必要な書類を集めるだけでも、かなりの手間がかかることを覚悟しておきましょう。

相続の手続きにはたくさんの書類が必要

市町村役場
市町村役場

郵便局
郵便局

銀行
銀行

法務局相
法務局相

必要な書類を集めるのは大変

必要な書類を集めるのは大変

相続の手続きに必要な書類は、戸籍謄本などの市町村役場でもらえるものだけではありません。銀行や郵便局、法務局の窓口で手続きが必要なものもあり、手続きに必要な書類を集めるだけでも、かなりの手間がかかることを覚悟しておきましょう。

手間と時間のかかる必要書類の収集

相続税の申告に必要な書類は多岐に渡ります。申告の際、必要になる書類だけでも、被相続人の改製原戸籍謄本や除籍謄本、住民票の除票、印鑑証明など、10種類以上の書類を用意しなければなりません。基本的に市町村役場で取得できるものばかりですが、戸籍謄本のように本籍地の役場でしか取得出来ないものもあるため、想像以上に大変です。特に被相続人が何度も転籍を繰り返しているような場合、転籍前の本籍地の役場で戸籍謄本取得を繰り返すことになり、大変な手間がかかります。

そのほか、銀行の預金残高証明書も口座のある銀行の窓口に行って発行してもらわなければならないなど、書類の収集は非常に手間と時間がかかります。このため、相続が発生したら、こうした書類の申請は出来るだけ早めに行いましょう。

相続税の申告に必要な添付書類

相続税の申告に必要な添付書類① 公的書類

■申告時に必要になるもの

書類 条件等 申請先
1 被相続人の戸籍謄本 生まれた時からのもの(改製原戸籍謄本・除籍謄本) 各市町村役場
2 被相続人の住民票の除票 省略のないもの 各市町村役場
3 被相続人の死亡診断書コピー ご自身でコピー
4 各相続人の戸籍謄本 家族全員の記載のあるもの 各市町村役場
5 各相続人の住民票 家族全員の記載があり、省略のないもの 各市町村役場
6 各相続人の印鑑証明 遺産分割協議書作成時に必要 各市町村役場
7 遺言書または遺産分割協議書 申告時にどちらかが必要

改製原戸籍謄本とは? 戸籍法の改正により戸籍の様式が変更され、新しい様式で戸籍の書き換えが行われます。この改製(つくり直し)が行われる前の古い戸籍のことを指します。 除籍謄本とは? 死亡のほか、結婚、離婚、転職(本籍地変更)などにより、在籍している人が誰もいなくなった戸籍のことを指します。

改製原戸籍 見本
改製原戸籍 見本

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被相続人が生まれたときからのすべての戸籍を揃える必要あり! 相続の手続きでは、相続人を確定するため原則として被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍が必要になります。そのため、最初に被相続人の最後の本籍地の役所で最終の戸籍謄本を取り、その記載内容をチェックして、転籍があれば転籍前の役場で戸籍謄本を取得し、これを繰り返して出生までの戸籍を遡って追跡しなければなりません。 窓口で取得 郵送で取得 謄本を取得するには? 戸籍謄本は本籍地の役所でしか取得できません。取得方法は窓口で直接取得するか、郵送で取得することになります。本籍地が遠方の場合は郵送での取得になりますが1週間程度かかるので、手続きは早めに行いましょう。

相続税の申告に必要な添付書類② 相続財産

■現金・預貯金

書類 条件等 申請先
1 預金残高証明書 死亡日の残高 各金融機関
2 既経過利息計算書 定期預金の場合 各金融機関
3 被相続人の過去の通帳のコピ-
4 家族全員の過去の通帳のコピ-

相続発生時の残高証明が必要 残高正目お所は、相続が発生した時点での被相続人の講座残高が記載された書類です。各金融機関の窓口で「相続日時点の残高証明書を取得したい」と申請してください。

土地・建物

書類 条件等 申請先
1 全部事項証明書(登記簿謄本) 法務局の各出張所
2 地積測量図又は公図の写し 法務局の各出張所
3 固定資産税評価証明書  各都税事務所・市町村役場
4 実測図
5 賃貸借契約書貸家、貸地・借地の場合

登記事項証明書は法務局で取得 土地の登記関係の書類は、法務局(支局・出張所含む)の窓口で取得するか、オンラインで新生します。固定資産税評価証明書は各市区町村の窓口で取得できます。

有価証券類

書類 条件等 申請先
1 生命保険の保険証書のコピ- 継続中のもの 各保険取扱会社
2 支払保険料計算書 各保険取扱会社
3 火災保険等の保険証書のコピ-  満期返戻金があるもの 各保険取扱会社
4 退職金の支払調書

株の実券債券は見落としやすい 未上場企業の株式や債券類は見落としやすいので注意しましょう。遺産の分配や申告が終わった後に見つかると、手続きのやり直しが必要になってしまいます。

生命保険金・退職手当金など

書類 条件等 申請先
1 生命保険の保険証書のコピー 継続中のもの 各保険取扱会社
2 支払保険料計算書 各保険取扱会社
3 火災保険等の保険証書のコピー  満期返戻金があるもの 各保険取扱会社
4 退職金の支払調書

保険金退職金も申告の必要あり 支払保険料計算書は銀行や保険会社、退職金の支払調書は勤務先から送られてきます。各種保険の証書は、被相続人が保管しているはずなので探してください。

その他の財産

書類 条件等 申請先
1  金銭消費貸借契約書のコピ- 貸付金がある場合
2 会員証 ゴルフ会員権など
3 電話加入権
4 家財一式

計上漏れしやすい相続財産に注意! 貸しているお金、ゴルフやリゾートの会員証、電話加入権も相続税の対象です。それぞれ証明できる書類や証書、会員証をコピーして提出します。

相続税の申告に必要な添付書類③ 債務・葬式費用

債務

書類 条件等 申請先
1 金銭消費貸借契約書のコピー 借入金がある場合
2 借入残高証明書 借入金がある場合 各金融機関
3 請求書 未払金の場合
4 課税通知書・納付書 未納の租税公課
5 明細など その他の債務

借入金などの計上漏れに注意 借入金や未払金はマイナスの財産としてプラスの財産から差し引くことができるので、証明できる書類をきちんと用意しましょう。

葬儀費用

書類 条件等 申請先
1 請求書・領収書
2  諸経費の明細 心付けなど
3 お布施などのメモ

葬儀費用の記録はきちんと保存 葬儀費用もマイナスの財産になりますので、葬儀会社の領収書のほか、葬儀にかかった諸経費の明細と領収書もきちんと保管しておきましょう。

相続税の申告に必要な添付書類④ 生前贈与財産

生前贈与

書類 申請先
1 贈与税の申告書(控) 相続時精算課税・暦年課税
2 被相続人の戸籍の附票のコピー 相続時精算課税
3 相続人の戸籍の附票のコピー 相続時精算課税
4 贈与証書 暦年課税
5 貯金通帳  暦年課税

3年以内の贈与も相続税の対象 相続税の対象となる生前贈与の金額を証明する書類も必要になります。また、被相続人の戸籍の附表のコピーも必要になるので、忘れないようにしましょう。

相続税の申告期限、納付期限

相続税の申告は、相続があったことを知った日の翌日から計算して10ヵ月以内に、管轄の税務署に対して行わなくてはなりません。

相続税の申告期限は「故人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月目の日」となっています。仮に、故人が1月1日に亡くなった場合は、その年の11月1日が申告期限日になります。期限日が土・日・祝日だった場合は、次の平日が期限日です。

「相続があったことを知った」というのは、簡単にいうと親族が亡くなったことを知った日のことです。
遠方に住んでいたり、疎遠となっていたりする場合には、親族が亡くなってかなりの期間がたってから相続の発生を知るということも決して珍しいことではありません。

その場合、お葬式の通知や相続財産の分割協議を行う旨の通知を受けた日の翌日から相続税の申告期限についての日数計算がスタートすることになります。

なお、税金の納付期限も申告期限と同じ日となります。 相続税の申告は相続発生から10か月以内に行う必要がりますが、この期限を過ぎてしまうと、大きく分けて2つの不利益を被る可能性があります。

第1には、延滞税や加算税といったペナルティを課せられる可能性があることです。
第2には、期限内に申告を行った場合に適用してもらえる各種の減税措置が使えなくなることです。代表的なものとし「相続税の配偶者控除」「小規模宅地等の特例」です。

参考:相続税の申告期限までに遺産分割が出来ていない場合

相続税の申告期限までに遺産分割協議が完了していないなどの理由で申告ができない場合には、税務署に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておくことでこれらの適用を後から受ける方法があります。

もちろん、申告期限が相続発生から10か月であることは変わりがありませんから、その時点で遺産分割が未了であっても相続税の申告と納税はしておかなくてはなりません。
その上で、上記の3年以内の分割見込み書を提出しておけば、遺産分割が完了した後に改めて「更正の請求」の手続きを行うことになります。
(更正の請求とは、先に納めた税額が本来負担すべき税額よりも多い場合に、納めすぎた分を還付してもらうための手続きです)
更正の請求は遺産分割が完了した日の翌日から4ヶ月以内にしなければなりませんので注意が必要です。
この期限を過ぎてしまうと配偶者控除や小規模宅地等の特例が受けられなくなってしまいます。

申告期限までに遺産分割が完了してない場合の手続きの流れ
遺産分割が申告期限
までに完了しない
申告期限までに
遺産分割が完了
左矢印 相続開始 右矢印
「申告期限3年以内の」
分割見込書」を、
申告書に併せて提出
税務署へ申告
遺産分割が
完了したとき
真ん中矢印
分割完了の翌日から
4ヶ月以内に
更正の請求or修正申告

申告期限までに遺産分割が完了
してない場合の手続きの流れ
遺産分割が申告期限
までに完了しない
申告期限までに
遺産分割が完了
左矢印 相続開始 右矢印
「申告期限3年以内の」
分割見込書」を、
申告書に併せて提出
税務署へ申告
遺産分割が
完了したとき
真ん中矢印
分割完了の翌日から
4ヶ月以内に
更正の請求or修正申告

相続税が払えない場合

相続税がかかる場合、支払えないケースがあります。相続税は現金によって納付するので、遺産内容が現金や預貯金ならあまり問題になりません。これに対し、不動産をたくさん相続した場合には、財産評価額は高くても手元に相続税の支払い資金がない、ということが起こります。不動産を売却して現金化すれば良いのですが、相続した土地を守りたいという思いから不動産は売却できず、かといってお金はない、というジレンマに陥る人もいるでしょう。また、不動産は急に売ろうとしても売れるものではなく、現金化そのものが難しいケースもあります。

延納について

このように、相続税を支払えない場合には、相続税の延納や物納という方法をとることができます。延納とは、相続税を分割払いで支払う方法です。延納をする場合には、延納期間中に利子税という税金が課税されるので総支払額は増えますし、延納が認められるためには担保も必要になります。

物納について

相続税を支払えない場合に利用できる手続きとしては、物納もあります。物納とは、不動産などの物をもって相続税の支払いに充てる方法です。物納を利用できるのは、延納を利用してもなお相続税の支払いが困難なケースです。

相続税の相続税違反のペナルティ

期限に遅れて申告を行うことを「期限後申告」といい、期限後申告を行うと延滞税や加算税が発生します。また相続税を過少に申告していた場合、意図的に財産を隠したり、証拠隠蔽を行えば重加算税が課税されます。

相続税法違反=不正行為により相続税または贈与税を免れた者は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(併科あり)という場合もありますが、高額の脱税(億単位)や逃亡の可能性などがない限りは以下の追徴課税が一般的になります。

無申告加算税 正当な理由なく申告期限までに申告しなかった場合に課される税金 過少申告加算税 申告期限内に提出した申告書の金額が不足していた場合に課される税金 重加算税 課税対象の財産を意図的に隠していた場合に課される税金 延滞税 相続税の納付期限(被相続人の死亡を知った日から10ヵ月以内)までに納税されなかった場合に課される税金

追徴課税の一覧

税名 内容 税率
無申告加算税 申告期限までに申告せず、自主的に期限後申告した場合 5%
税務調査により期限後申告した場合 納税額のうち50万円までの部分 15%
納税額のうち50万円を超える部分 20%
過少申告加算税 自主的に修正申告した場合 ──
税務署に指摘されて修正申告した場合 10%
税務署に指摘されて修正申告した場合で
追徴税額が「期限内申告税額」または「50万円」のいずれか多い金額を超える部分
15%
重加算税 財産を意図的に隠す、または証拠書類を隠蔽した上で申告した場合 35%
財産を意図的に隠す、または証拠書類を隠蔽した上で申告しなかった場合 40%
延滞税 納付期限の翌日から2ヵ月以内に納付した場合 年7.3%
or
特例基準割合+1%の低い方(※)
納付期限の翌日から2ヵ月を超えた場合 年14.6
or
特例基準割合+7.3%の低い方(※)

※特例基準割合とは、各年の前々年10月から前年9月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で割って得た割合に、さらに年1%を足した数字。2017年の特定基準割合は1.7%。

「相続税のお知らせ」が税務署から届いた方へ

故人がお亡くなりになられて半年ほど経過したときに、
税務署から「相続税についてのお知らせ」または「相続税の申告書についてのご案内」が届く方がおられます。
「これは何ですか?どうしたらいいのですか?」というご相談が、最近急増しています。
下記が実際に送付されてくる書類です。

相続税についてのお知らせ

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相続税の申告書についてのご案内

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この書類は何?どういった人に送られてくるの?

故人がお亡くなりになったときに、死亡届出書を市町村に提出したと思います。

実は税務署には、市町村から死亡届のデータが自動的に送られる仕組みになっています。

これは相続税法第58条で定められています。

税務署は市町村から死亡届のデータが送られてきますと、税務署のデータベースである 「KSKシステム」に照合をかけることになっています。

KSKシステムとは正式名を「国税総合管理システム」と言い、全国524ヶ所の税務署と12ヶ所の国税局に集まったデータを一元管理することができるようになっています。

平成2年から開発がスタートし、平成13年には全国の税務署で本格稼働をしています。

このKSKシステムに故人の過去の収入などの情報が入っています。

また税務署は故人がどんな不動産を持っているかという情報も正確に把握しています。

これらのデータから、税務署が「この人には相続税がかかるだろう」と推定した人に対して、上記の「相続税の申告等についてのお知らせ」や「相続税の申告書等についてのご案内」を送付していると推測されます。

税務署から見て、相続税の対象と認識されているとお考え下さい。

「お知らせ」と「ご案内」は何が違うの?

税務署からこのような封筒がきたら要注意!

「相続税についてのお知らせ」と「相続税の申告等についてのご案内」は、緊迫度が違います。

両方とも税務署の判断として、相続税がかかる可能性があるという基準で送付していますが、「相続税についてのお知らせ」の方は緊迫度が少し低く、「相続税がどういう税金か知ってますか?」という周知の意味合いがあるものです。

それに対して「相続税の申告等についてのご案内」は緊迫度が高く「相続税がかかる可能性が高いので、かかるかどうかを返事してください」というものです。

そのため、大きな封筒にたくさんの資料が入っているものが送付されてきます。

相続税のあらまし、申告要否検討表、チェックシートなどが入っています。

もし「相続税の申告等についてのご案内」が来た方は、早急に弊社の無料相談をご利用ください。 「でも、うちは基礎控除以下と思うが・・」という方もおられるかもしれませんが、下記のような項目が過去のご相談のなかで、よく勘違いをされておられる点です。

    • ・銀行口座のなかで、名義は故人ではなく配偶者や子供だが、相続税の考え方では故人の財産となるものがある。(名義預金と言います)
    • ・不動産の評価を相続税法に基づいて計算していない。
    • ・3年以内に贈与された財産を相続税の対象に入れていない。

このほかにもいろいろなケースがあり、「税務署が考える相続財産」と皆さまがお考えの相続財産が違うというケースがあります。

弊社はこのようなご相談も無料で行っていますので、ぜひ専門家の判断を確認していただいて、ご安心をしてもらえると幸いです。

相続税の税務調査

無事に申告を終えたからと言って、必ずしも安心できないのが相続税です。
というのも、

しばしば相続税は「税務署が最も申告内容の調査に力を入れる税金」とされ、実に申告者の20~30%が税務調査を受けているからです。

この理由として考えられるのは、相続税の複雑さです。相続税は専門的な知識が必要なため、申告に不備が出やすいのです。
国税庁はKSK(国税総合管理)システムを駆使し、全国の納税者たちの情報を一元的に管理しています。相続税の金額が正しいか、申告漏れはないかなど、徹底的にチェックされるのです。
なお、過少申告の可能性が考えられる場合は税務調査が入りますが、税金を払いすぎていた場合はその旨が連絡されることはありません。過払い金の還付はこちらから再申告が必要なので、不安な人は申告内容を見直しましょう。


桑原 弾

税理士:桑原 弾

金融資産を中心に調査される

税務調査では金融資産の漏れについての調査がメインになっています。
実際の調査では、過去5年分のお金や株式などの移動、使い道を重点的に調べられます。
また故人だけでなく、相続人の財産についても、資産の額が不自然に多くないかを調べられます。
たとえば、長年専業主婦だった人の財産は、両親から相続で取得した財産や、贈与税を支払って取得した贈与財産以外には財産がほぼないはずです。しかし、もしも大きな金額が本人名義の口座に残っていれば、税務調査の可能性は高くなるでしょう。
2015年の改正によって相続税申告者が約1.5倍に増え、調査対象者も増えているのが現状です。

桑原 弾

税理士:桑原 弾

金融資産を中心に調査される

税務調査では金融資産の漏れについての調査がメインになっています。
実際の調査では、過去5年分のお金や株式などの移動、使い道を重点的に調べられます。
また故人だけでなく、相続人の財産についても、資産の額が不自然に多くないかを調べられます。
たとえば、長年専業主婦だった人の財産は、両親から相続で取得した財産や、贈与税を支払って取得した贈与財産以外には財産がほぼないはずです。しかし、もしも大きな金額が本人名義の口座に残っていれば、税務調査の可能性は高くなるでしょう。
2015年の改正によって相続税申告者が約1.5倍に増え、調査対象者も増えているのが現状です。

相続税の節税対策

事前に相続税を減らすための対策を行いたい

相続税は遺産額によって大きな金額になってきます。将来の相続を考えて、状況に応じた適切な節税対策を検討してみましょう。

相続税の節税対策は「相続財産を減らす」「相続財産の評価額を下げる」のいずれかの対策になってきます。

相続財産を減らす生前贈与

相続財産を生前に贈与等で減らしておけば相続税も少なくなります。

  • 暦年贈与(1年間で一人当たり110万円まで相続税が非課税)
  • 相続時精算課税(2500万円までが非課税。精算課税を適用すると暦年贈与は使えなくなります。)

ライフイベントに応じた3種類の非課税制度

  • 住宅取得資金贈与(要件を満たすことで一定額が非課税)
  • 教育資金贈与一括贈与(1500万まで一括贈与で非課税)
  • 結婚・子育て資金の贈与(1000万円まで非課税。贈与金を結婚・子育て資金口座の開設等を行ったうえで該当口座で保管します。)

相続財産の評価額をさげる

相続財産を減らすのではなく評価額を下げることで相続税も少なくなります。

  • 現金から生命保険への資産変更(死亡保険金の非課税枠:500万円×法定相続人の数)
  • 現金から不動産への資産変更(現金資産評価は100%、不動産評価は路線価等の相続税評価及び小規模宅地等の特例を提供することで大幅な評価減が可能)

相続発生後の相続税の節税

お亡くなりになった後でも、相続税の節税は間に合います。 遺産の分割方法で大きく節税 相続税を下げるためには遺産を誰に分配するかが重要です。

  • 配偶者控除の活用(残された配偶者は、相続財産の1/2まで相続するか、又は1億6千万円まで相続税がかかりません、ただし二次相続も踏まえたトータルの相続税で検討する二次相続対策も必要です)
  • 小規模宅地等の特例(自宅は配偶者又は同居親族が相続するようにに遺産分割をすることが節税になります。)

土地の評価方法で大きく節税 相続税が発生する場合、「二次相続」を考えて、「一次相続」のときに遺産分割をしないと、一次相続と二次相続の合計で納める相続税が高くなってしまうことがあるのです。
その主な理由は下記のような原因です。

  • 一次相続では使えた配偶者控除が使えない。
  • 一時相続より法定相続人が減るので基礎控除が下がる。(配偶者の分が1人分減ります)
  • 配偶者がもともと持っていた固有の財産も相続税の対象になる。
  • 配偶者が年金収入や不動産収入があると財産が増えることもある。

上記のような要因に加えて、「あと何年生きるか」「これからの期間で行える節税」を考慮に入れた二次相続対策を行うことでトータルの相続税で節税を図ることが出来ます。

二次相続を考えて大きく節税

土地の評価金額が下がる例

土地の評価は原則、路線価方式や倍率方式を使いますが、土地の状況によって評価額を下げる特例が決まっています。

  • 正方形、又は長方形以外の土地は「不整形地」になり評価が下がる可能性あります。
  • 間口の狭い土地は評価額が下がる可能性があります。
  • 間口と奥行きのバランスが悪い土地は評価額が下がる可能性があります。
  • 標準的な土地と比較して、奥行きが短い土地や長い土地は評価額が下がる可能性があります。
  • 路線価が設定されていない道路に面する土地は特殊な評価ができます。
  • 私道は評価ゼロになります。
  • 道路に面していない無道路地は評価額が下がる可能性があります。
  • 敷地の一部が傾斜している土地は評価額が下がる可能性があります。
  • 幅が4メートル未満の道路に面している土地は評価額が下がる可能性があります。
  • 貸している宅地は評価が下がる可能性があります。
  • 土地の上にアパートやマンションを建てている土地は評価が下がります。
  • その他、下記のような土地で「著しく利用価値が低下している」とされる土地

こういった土地は単純に該当すれば適用があるというわけではありません。土地評価は難解で相続税に精通している税理士に依頼するのがよいでしょう。

相続税の相談は税理士が関与している割合が高い

相続税の計算の方法は理解できましたでしょうか?

固定資産税や自動車税のように国等から納税通知書が送られてきて納税するタイプの税金ではなく、自分で計算して申告するのが相続税です。

所得税の確定申告を行ったことがある人であれば、この相続税を自分で計算して申告するというイメージが分かりやすいかと思います。
ただし、所得税の申告と相続税の申告の難易度を比べたら、圧倒的に相続税の申告の難易度のほうが高く、所得税は自分で確定申告する人も多いですが、相続税申告は税理士に依頼する人のほうが圧倒的に多くなっています。
2016年の財務省の統計によれば、所得税の税理士関与割合が約20%であるのに対して、相続税は約9割の人が相続税の申告について税理士が関与しています。

参考指標 3-6:税理士関与割合(所得税・相続税・法人税)(単位:%)
年 度 平成23年度 24年度 25年度 26年度 27年度
所 得 税 19.2 19.5 19.9 20.0
相 続 税 88.3 89.5 89.5 89.7 89.8
法 人 税 87.5 87.7 87.9 88.1 88.4

(出所)課税部個人課税課、資産課税課、法人課税課調

税理士の関与割合が高いのは、財産評価や特例適用要件などが複雑で相続税計算の誤り、申告誤りによって生じる相続税の影響が大きいこと、また相続税は他の税金よりも税務調査割合が高いことなどが理由として挙げられます。

相続税について相談する税理士の選び方

ひとくちに「税理士」といっても、いろんな仕事をしている人がいます。

お医者さんにも外科医や内科医、眼科医や産婦人科医…といったようにいろんな専門分野がありますよね。

これと同じように、税理士にもそれぞれ専門で扱っている分野というものがあるのです。

特に、相続税に関する実務は専門性が極めて高く、1件の依頼ごとにかける必要がある時間と労力が大きいという特徴があります。

相続税について税理士に相談をする場合には相続税を専門としている税理士を探してみましょう。

他業種との連携ができているか

相続に関する実務は他業種との連携が特に重要となる分野です。

相続財産に含まれる不動産の評価や、家族についての法律知識も必要となるため、弁護士や司法書士、不動産鑑定士といった別業種の人たちとも連携していることをアピールしている税理士事務所は、相続税に関する依頼を多く処理してきている可能性が高いです。

土地や建物、非上場の株式など相続財産としての評価が難しい遺産が多くある場合には、どの税理士事務所に依頼をするかをしっかりと吟味する必要があります。

これから相続に関する手続きを行う予定の方、「相続税がかかる?」「どれくらいかかるのか?」を知るため相続税の試算をしたい方は是非、参考にしてみてください。
また、相続サポートセンターに相続税に関することを無料相談、無料試算を行っています。

税務署に相談する前に、無料相談をお勧めします。 弊社では税務調査への不安や申告方法の疑問をお持ちの方に対して無料相談を実施しております。
実際の相続税申告をご依頼いただくか否かの決定は、完全に自由となっており、約4割の方は無料相談で終わっております。

「相続税が発生するのか?」
「かかるとしたらいくらくらい出るのか?」
「安くする方法はあるのか?」
「税務調査が行われる可能性は高いのか?」
「税務署はどういう点を見てくるのか?」

こういった御相談に丁寧に対応させていただきます。

また、期限内に申告をすることで、はじめて適用が認められる「小規模宅地の特例」や「配偶者控除」を使うことで納税額がゼロになるケースも多々あります。

これらの制度を使うためには、期限内の適正申告が必須です。

早めの無料相談をぜひご利用ください。


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