はじめての「相続税」入門ガイド【2019】知っておくべき相続税の基本知識を図解でわかりやすく解説

2013年の相続税法の改正で基礎控除(遺産総額のうち相続税がかからない金額)が縮小し、遺産規模5,000万円以下の家庭も相続税の課税対象に含まれることになりました。

身内が亡くなって「初めての相続」、相続税がかからないものと思い、税務署から「相続税についてのお尋ね」という通知書が届いたことに驚いてご相談に来られる人も増えています。

今となっては相続税の知識は、全ての人にとって必要なものになってきています。

毎年の税制改正(2019年税制改正)や、民法に含まれる相続法の改正により2019年から順次施行も始まったりと難しい論点も多いですが、

はじめての相続の方に知っておいてもらいたいのは主に下記の3つです。

・相続税がかかるかどうかの判定の仕方
・相続税の計算方法
・相続税の申告手続き

今回は初めての人にこれだけは知っておいていただきたい相続税の基礎を図解を用いて分かりやすく説明しています。皆さんの相続税についての理解の手助けとなれば幸いです。

目次
00
    1. はじめての相続の方へ
01
    1. 相続税とはどんな税金?
    2. 相続税はどんなときにかかるのか?相続税は誰にかかるのか?誰が相続人になれるのか?
    3. どのくらいの財産から相続税がかかるのか
    4. 相続税がかかるかどうかは基礎控除を超えるか?超えないか?
02
    1. どんな財産に相続税がかかるのか
    2. プラスの財産 マイナスの財産 みなし相続財産 贈与財産
03
    1. 相続財産はどのように評価するのか
04
    1. 相続税の計算の流れとは?
    2. 相続税の計算を4STEPで説明
05
    1. 相続税が軽減できるのはどんな場合?
    2. 活用すべき特例(配偶者の税額控除、小規模宅地の評価減など)
06
    1. 実際に相続税を計算してみよう
07
    1. 相続税の申告とは
    2. 申告期限、納付期限
    3. 相続税申告手続きまでの流れ、必要書類
08
    1. 相続税が払えない場合
    2. 金銭納付、延納、物納
09
    1. 相続税の相続税違反のペナルティ
    2. 相続税追徴課税の一覧
10
    1. 相続税の税務調査
    2. 税務調査の実施割合は?
11
    1. あなたにも起こるかも?相続税のトラブル事例
12
    1. 相続税の節税基礎知識
13
  1. 相続税について相談する税理士の選び方
  2. 参考:相続税の相談は税理士が関与している割合が高い

目次
00
    1. はじめての相続の方へ
01
    1. 相続税とはどんな税金?
    2. 相続税はどんなときにかかるのか?相続税は誰にかかるのか?誰が相続人になれるのか?
    3. どのくらいの財産から相続税がかかるのか
    4. 相続税がかかるかどうかは基礎控除を超えるか?超えないか?
02
    1. どんな財産に相続税がかかるのか
    2. プラスの財産 マイナスの財産 みなし相続財産 贈与財産
03
    1. 相続財産はどのように評価するのか
04
    1. 相続税の計算の流れとは?
    2. 相続税の計算を4STEPで説明
05
    1. 相続税が軽減できるのはどんな場合?
    2. 活用すべき特例(配偶者の税額控除、小規模宅地の評価減など)
06
    1. 実際に相続税を計算してみよう
07
    1. 相続税の申告とは
    2. 申告期限、納付期限
    3. 相続税申告手続きまでの流れ、必要書類
08
    1. 相続税が払えない場合
    2. 金銭納付、延納、物納
09
    1. 相続税の相続税違反のペナルティ
    2. 相続税追徴課税の一覧
10
    1. 相続税の税務調査
    2. 税務調査の実施割合は?
11
    1. あなたにも起こるかも?
      相続税のトラブル事例
12
    1. 相続税の節税基礎知識
13
  1. 相続税について相談する税理士の選び方
  2. 参考:相続税の相談は税理士が関与している割合が高い

 

0.はじめての相続の方へ

「身内が亡くなった、相続手続きを始めないといけない。」

そのような場合に、あなたはスムーズに手続きを進める準備はイメージ出来ますか?

相続手続きを終えて、相続税の申告を終了させるまでは10か月という期限が用意されています。

10か月という期限

この10か月という期間は早いといえるでしょうか?

実際に体感をしていないと、特に焦りは感じないかもしれませんが、

いざご自身が相続手続きや相続税申告をすることになるとそれほど時間に余裕がないことを感じることになるかもしれません。

人と人との問題や、財産に関する問題で想像以上に手続きに時間がかかるということが分かるとどのように対処すべきかについて少しはイメージ頂けるのではないかと思い、

相続税の手続きについて、まずは解説していきます。

遺産分割で揉めてなかなか決まらないと相続税も算出できない

相続が発生して相続税を支払うまでの期間は10か月と決まっています。

ところでこの10か月の期間の間に私たちは何をしなければいけないのでしょうか?

死亡時から相続税申告までの流れ
死亡後
一週間●市町村へ死亡届提出
●取引金融機関へ連絡
2カ月●相続人と相続分の確定●遺言書確認(家探し・公証役場へ問合せ等)
検認手続き
●被相続人の戸籍情報入手
●遺産リストの作成●故人宅の遺品探し
●取引金融機関のリストアップと残高照会
(郵便物やPCメール等から追っていく)
3カ月●遺産継承の判断●相続放棄または限定承認する場合は3カ月以内に
被相続人住所地の管轄裁判所に申述
4~9カ月●遺産分割協議●遺言書がある場合
遺言書に基づき分割
ただし遺留分の侵害有無について要確認
●遺言書がない場合
法定相続人全員で協議
各法定相続人には法定相続分の権利あり
裁判所への調停・審判の選択肢も
10カ月●相続税の申告・納付●申告期限:被相続人の死亡を知った次の日の
翌日から10カ月以内
●被相続人の住所地の管轄税務署へ
相続人共同で提出
(分割協議後遅滞なく)●分割財産の名義変更●不動産:相続登記が必要
●金融資産:一般的には相続人全員からの
委任に基づき代表者が一時的に受領

相続が開始されると、早速亡くなった方の財産を分けましょうということにはならないですよね?

たいていの場合には、法要やお葬式をして一段落しないと相続手続きを進める雰囲気にはなかなかならないものです。

 

また、これらの手続きが終わると遺産分割をする前に、
前提として相続財産がいくらあるのかについて把握する作業をしなければいけません。

ところが、何が相続財産となって、どうやって調べれば良いのかということもなかなか分からないものです。

また調査をかけても情報を収集するだけで数ヶ月程度はかかってしまうこともあります。

さて、その場合、これだけで期間の3分の1は終わってしまいます。残り3分の2しかありません。
この段階で相続税がかかりそうか否かについて検討を付けられるようにしておきましょう。

産分割前に行うこと
  1. 相続財産の調査・把握
  2. 相続財産の評価
  3. 相続税がかかるかかからないか?の判断、相続税の概算計算

相続税はどうやって支払う?相続した財産をお金に変えるのにも時間がかかる。

皆さんは、親戚同士付き合いは良い方ですか?

全く問題ないというのであれば特に心配する必要はないでしょう。

ところが、あまり付き合いがないという方の場合には、遺産分割協議でもめる可能性がでてきます。

お互いが権利を主張しあえば、遺産分割協議が長引いてしまうのですが、これが長引けば長引くほど相続手続きが進まなくなってしまいます。

また、利用すべき制度が利用できなくなってしまい、多額の相続税を支払わなければいけないことも考えられるため、遺産分割協議には非常に気を使わなければいけません。

亡くなった方の財産はどのようになっているでしょうか?

相続財産として考えられるものとしては、現金・預貯金・株式・不動産などが考えられますが、
この相続財産もしっかりと確認をしなければいけません。

財産が現金のみであれば、公平に分けやすいといえます。

しかしながら、財産のほとんどが不動産である場合、誰が不動産を所有することにするのか、
不動産を所有しない者はその他にどの財産を相続させるのかなど、相続財産の種類によって検討しなければいけないことが変わってくることになります。

止むを得ず上手く分けることが出来ない場合には、不動産を換価して現金による分配が考えられますが、不動産はそれほど早く売却できるという保証はありません。

したがって、遺産分割協議をすることになったとしても分け方にも十分苦慮することになる可能性があるということです。

「建物」や「土地」というのは意外と厄介で、お金と違って単純に割ることができません。

ある程度の規模を相続するとなると、代償金(代償分割)が必要になることもあります。

無申告で相続税増加?申告漏れで納税額が増えることも。

相続税を抑えるための制度はいくつか存在します。

ところが、こうした制度を使う場合にでも相続税の申告手続きをすることを忘れてはいけません。

万一、申告手続きを怠った場合には、相続税の減税制度を利用できないこともありますので注意が必要です。

きちんと相続税額を把握しないで誤った税額を申告した場合に、本来の納税額よりも少なかったときには追加で税金を支払わなければいけないデメリットがあります。

また、相続対策として生前贈与などがありますが、これにも注意が必要です。

きちんと行ったつもりでも、税務署の職員の方に認められなければ、生前贈与があったとはみなされず相続財産であるとして捉えられる可能性も十分にあります。

相続税申告の手続きは簡単ではありません。

気を配らなければいけないポイントがいくつも存在します。

これらをご自身で適切に進められない恐れがあるときには、一度専門家である税理士に相談をしてみるのが良いでしょう。

相続税の申告を行う際には、期間の計算について余裕をもってしっかりと行わなければいけないということ、相続手続き・相続税申告はどれほど手間がかかるのか理解することが重要であるとお伝えしました。

申告の際にも漏れや誤りがあると、多額の相続税を払うことになったり、適切な特例や制度が利用できない可能性が考えられますので、しっかりと確認をすることが大切です。

そのためには、まず相続税の基本をしっかり把握していくことが大事になってきます。

それでは相続税の基本論点についてみていきましょう。

0.はじめての相続の方へ

「身内が亡くなった、相続手続きを始めないといけない。」

ような場合に、あなたはスムーズに手続きを進める準備はイメージ出来ますか?

相続手続きを終えて、相続税の申告を終了させるまでは10か月という期限が用意されています。

10か月という期限

この10か月という期間は早いといえるでしょうか?

実際に体感をしていないと、特に焦りは感じないかもしれませんが、いざご自身が相続手続きや相続税申告をすることになるとそれほど時間に余裕がないことを感じることになるかもしれません。

人と人との問題や、財産に関する問題で想像以上に手続きに時間がかかるということが分かるとどのように対処すべきかについて少しはイメージ頂けるのではないかと思い、相続税の手続きについて、まずは解説していきます。

 

相続が発生して相続税を支払うまでの期間は10か月と決まっています。

ところでこの10か月の期間の間に私たちは何をしなければいけないのでしょうか?

死亡時から相続税申告までの流れ
死亡後
一週間●市町村へ死亡届提出
●取引金融機関へ連絡
2カ月●相続人と相続分の確定●遺言書確認(家探し・公証役場へ問合せ等)
検認手続き
●被相続人の戸籍情報入手
●遺産リストの作成●故人宅の遺品探し
●取引金融機関のリストアップと残高照会
(郵便物やPCメール等から追っていく)
3カ月●遺産継承の判断●相続放棄または限定承認する場合は3カ月以内に
被相続人住所地の管轄裁判所に申述
4|9カ月●遺産分割協議●遺言書がある場合
遺言書に基づき分割
ただし遺留分の侵害有無について要確認
●遺言書がない場合
法定相続人全員で協議
各法定相続人には法定相続分の権利あり
裁判所への調停・審判の選択肢も
10カ月●相続税の申告・納付●申告期限:被相続人の死亡を知った次の日の
翌日から10カ月以内
●被相続人の住所地の管轄税務署へ
相続人共同で提出
(分割協議後遅滞なく)●分割財産の名義変更●不動産:相続登記が必要
●金融資産:一般的には相続人全員からの
委任に基づき代表者が一時的に受領

相続が開始されると、早速亡くなった方の財産を分けましょうということにはならないですよね?

たいていの場合には、法要やお葬式をして一段落しないと相続手続きを進める雰囲気にはなかなかならないものです。

また、これらの手続きが終わると遺産分割をする前に、前提として相続財産がいくらあるのかについて把握する作業をしなければいけません。

ところが、何が相続財産となって、どうやって調べれば良いのかということもなかなか分からないものです。

また調査をかけても情報を収集するだけで数か月程度はかかってしまいます。

さて、これだけで期間の3分の1は終わってしまいます。残り3分の2しかありません。

この段階で相続税がかかりそうか否かについて検討を付けられるようにしておきましょう。

産分割前に行うこと
  1. 相続財産の調査・把握
  2. 相続財産の評価
  3. 相続税がかかるかかからないか?の判断、相続税の概算計算

皆さんは、親戚同士付き合いは良い方ですか?

全く問題ないというのであれば特に心配する必要はないでしょう。

ところが、あまり付き合いがないという方の場合には、遺産分割協議でもめる可能性がでてきます。

お互いが権利を主張しあえば、遺産分割協議が長引いてしまうのですが、これが長引けば長引くほど相続手続きが進まなくなってしまいます。

また、利用すべき制度が利用できなくなってしまい、多額の相続税を支払わなければいけないことも考えられるため、遺産分割協議には非常に気を使わなければいけません。

 

亡くなった方の財産はどのようになっているでしょうか?

相続財産として考えられるものとしては、現金・預貯金・株式・不動産などが考えられますが、この相続財産もしっかりと確認をしなければいけません。

財産が現金のみであれば、公平に分けやすいといえます。

しかしながら、財産のほとんどが不動産である場合、誰が不動産を所有することにするのか、不動産を所有しない者はその他にどの財産を相続させるのかなど、相続財産の種類によって検討しなければいけないことが変わってくることになります。

止むを得ず上手く分けることが出来ない場合には、不動産を換価して現金による分配が考えられますが、不動産はそれほど早く売却できるという保証はありません。

したがって、遺産分割協議をすることになったとしても分け方にも十分苦慮することになる可能性があるということです。

 

「建物」や「土地」というのは意外と厄介で、お金と違って単純に割ることができません。

ある程度の規模を相続するとなると、代償金が必要になることもあります。

相続税を抑えるための制度はいくつか存在します。

ところが、こうした制度を使う場合にでも相続税の申告手続きをすることを忘れてはいけません。

万一、申告手続きを怠った場合には、相続税の減税制度を利用できないこともありますので注意が必要です。

きちんと相続税額を把握しないで誤った税額を申告した場合に、本来の納税額よりも少なかったときには追加で税金を支払わなければいけないデメリットがあります。

また、相続対策として生前贈与などがありますが、これにも注意が必要です。

きちんと行ったつもりでも、税務署の職員の方に認められなければ、生前贈与があったとはみなされず相続財産であるとして捉えられる可能性も十分にあります。

相続税申告の手続きは簡単ではありません。

気を配らなければいけないポイントがいくつも存在します。

これらをご自身で適切に進められない恐れがあるときには、一度専門家である税理士に相談をしてみるのが良いでしょう。

相続税の申告を行う際には、期間の計算について余裕をもってしっかりと行わなければいけないということ、相続手続き・相続税申告はどれほど手間がかかるのか理解することが重要であるとお伝えしました。

申告の際にも漏れや誤りがあると、多額の相続税を払うことになったり、適切な特例や制度が利用できない可能性が考えられますので、しっかりと確認をすることが大切です。

そのためには、まず相続税の基本をしっかり把握していくことが大事になってきます。

それでは相続税の基本論点についてみていきましょう。

 

相続税とはどんな税金?

相続税はどんなときにかかるのか

相続税は人の死亡によって亡くなった人の財産を受け継いだときに受け継いだ人にかかる税金で、相続相続とは、亡くなった人が持っていた財産(すべての権利や義務)を配偶者や子などの親族がまとめて引き継ぐことをいいます。詳しくはこちら遺言遺言(ゆいごん、いごん、いげん)とは、自分が亡くなった後の財産の処分方法などについて言い残すことをいいます。法律に定められた書き方でなければ、無効になるケースもあります。詳しくはこちらによって遺産(財産)を取得した場合に、その取得した遺産(財産)に課税されます。

相続税がかかるケースは次の3パターンです。

相続生前に自分の財産を誰に渡すか決めていないケース
遺贈生前に遺言書で自分の財産を誰に渡すか決めているケース
死因贈与生前に契約書で自分の財産を誰に渡すか決めているケース

相続」は遺言や死因贈与の契約書がなく、遺産は誰に渡すか決められていないケースが一般的です。

亡くなった方が生前にしっかり遺言を残してくれていた場合には「遺贈」に該当してきます。

また、「死んだら財産を○○に渡します」とあらかじめ財産を渡す相手と契約書を交わしているケースが「死因贈与」となります。

 

相続税は誰にかかるのか

相続税は財産を受け継いだ人に課税される税金ですから、相続、遺贈、死因贈与のいずれであっても財産をもらった人(個人)に課税されます。

相続民法で定めた法定相続人法定相続人(ほうていそうぞくにん)とは、民法に規定されている相続人となる人のことをいいます。亡くなった人の配偶者・子・父母・兄弟姉妹にその可能性があります。詳しくはこちらに相続税がかかります
遺贈遺言によって財産をもらった人に相続税がかかります
死因贈与生前に財産を受け渡す契約書を交わした人(財産をもらった人)に相続税がかかります。

誰が相続人になれるのか

相続が起きて被相続人被相続人(ひそうぞくにん)とは、亡くなった方のことをいいます。故人と同じ意味ですが、相続に関する法律関係の専門家は、被相続人という言い方をよく使います。詳しくはこちらが生前に遺産を誰に渡すかが明らかになっていない場合(遺言、死因贈与がないケース)があります。

民法ではこのような場合に、被相続人の遺産を誰が相続することができるかを定めています。

民法で定められた相続人のことを「法定相続人」といいます。

相続人は「配偶者と血縁関係にある親族」が原則で、血縁関係によって相続順位が決まっています。

この順位に従い法定相続人が決まってきます。

具体的には、次のような相続順位になります。

  • 第1順位:子供や孫(直系卑属といいます)
  • 第2順位:父母や祖父母(直系尊属といいます)
  • 第3順位:兄弟姉妹

具体的には、次のような相続順位になります。

  • 第1順位:子供や孫(直系卑属といいます)
  • 第2順位:父母や祖父母(直系尊属といいます)
  • 第3順位:兄弟姉妹

例えば、亡くなった人の遺族として父と子供が存命の場合、第1順位の子供は相続人となりますが、第2順位の父は相続人になりません。

同様に、亡くなった人の遺族の弟と母が存命の場合、第2順位の母は相続人となりますが、第3順位の弟は相続人となりません。

※相続人パターン図1

被相続人に配偶者がいる場合、配偶者が常に相続人となり、さらに配偶者に子どもがいる場合、子どもも相続人になります。

※相続人パターン図2

被相続人が独身で子どもがいない場合、第2順位の親が相続人になります。さらに両親がいない場合、祖父母が相続人になります。

※相続人パターン図3

被相続人が独身で子どもがいなく、さらに両親も祖父母も死亡している場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

 

どのくらいの財産から相続税がかかるのか

相続税の基礎控除とは

相続税は亡くなった人の遺産の総額に基づいて税金が計算されますが、「ここまでの範囲の財産には相続税をかけません」という基準の金額があります。

この基準の金額を相続税の「基礎控除」といいます。

相続税の課税の仕組みを簡単なイメージ図にすると下記のようになります。

 

亡くなった人の遺産の総額

課税価格この金額に対して相続税がかかる
基礎控除基礎控除額
3,000万円+(法定相続人の数×600万円)

基礎控除は下記の計算によって、計算します。

基礎控除3,000万円法定相続人の数×600万円

基礎控除の計算は「法定相続人」の人数によって控除額が変わってきます。

つまり、遺産の金額が基礎控除の金額を上回ってくる遺産額になってくると相続税がかかるということです。

遺産の総額にまるまる相続税がかかるのではなく、遺産の総額から基礎控除額を差し引いた金額に対して相続税がかかってくるというのがポイントです。

 

遺産の金額>基礎控除 ⇒ 相続税がかかる

 

※基礎控除を超えても相続税の特例の適用を受けることで相続税がかからない場合もあります。

反対にいえば、遺産の金額が基礎控除の金額以下であれば相続税はかからないということになります。

例えば法定相続人が3人である場合には4800万円(3000万円+600万円×3人)ということになります。

この場合、遺産の総額が4800万円で未満であれば、相続税の負担は発生しないことになります。

 

遺産の金額<基礎控除 ⇒ 相続税はかからない

 

 

どんな財産に相続税がかかるのか

相続税は原則、被相続人が亡くなった日に持っていた金銭で見積もることができる全ての財産が相続税の課税対象になります。

相続税の計算においても遺産分割協議においても、相続財産の把握は必要不可欠です。

それではどんな財産が相続財産となるのかをみていきましょう。

 

相続の対象となる財産一覧

プラスの財産

金融資産現金や預貯金、有価証券(公社債、上場株式、投資信託等)
不動産家屋(貸家も含む)、宅地(貸家建付地も含む)、農地、山林など
不動産上の権利借地権、地上権など
動産自転車や貴金属、宝石、骨董品などの家財
その他リゾート会員権やゴルフ会員権、著作権、商標、特許権など

まず、相続財産の代表的なものとしてプラスの財産があります。

土地、借地権、建物、現金、預金、株式等があり、本来の相続財産とも言われます。

マイナスの財産

借金住宅ローン等の借入金、未払い金など
保証債務保証人、連帯保証人としての地位
公租公課滞納中の所得税や固定資産税、住民税など
葬式費用通常の通夜、葬儀社や寺に支払う葬式費用一式※香典返しや初七日、四十九日などの法要費用は除く
その他損害賠償責務など

次にマイナスの財産、つまり相続財産から差し引きできるものを見ていきましょう。

銀行や他人からの借入金や未払い金などの債務が残っていれば、相続人が債務を相続することになります。

債務はマイナスの財産になるため、プラスの相続財産から差し引きができ、これを債務控除といいます。

みなし相続財産

死亡保険金生命保険金や損害保険金について、相続人に支払われたもの。
死亡退職金退職金や功労金、これに準ずる給与の中で、被相続人の死亡後3年以内に支給確定したもの
その他生命保険契約や定期金に関する権利など

また、死亡保険金や死亡退職金のように祖被相続人が亡くなった日に持っていなかった財産であっても相続によって、被相続人の死亡の事実により相続人が受け取ることになる財産は「みなし相続財産」として相続財産に含めていきます。

みなし相続財産である死亡保険金と死亡退職金にはそれぞれ一定の非課税枠があります。

  • 死亡保険金の
    非課税枠
    500万円×法定相続人の
    人数
  • 死亡退職金の
    非課税枠
    500万円×法定相続人の
    人数

  • 死亡保険金
    の非課税枠
    500万円×法定相続人
    の人数
  • 死亡退職金
    の非課税枠
    500万円×法定相続人
    の人数

もらった生命保険金、死亡保険金については受け取った金額が全て相続税の課税対象となるのではなく、上記非課税枠を超えた金額が課税の対象になってきますので、非課税枠内で死亡保険金又は死亡退職金を受け取った場合には相続税の課税対象からはずれることになります。

非課税財産

日常礼拝をしているもの生前から所有している墓地・墓石や仏壇、仏具など。ただし純金製の仏壇や骨董品の仏像など資産価値の高いものは除く
寄付財産相続税の申告期限までに国または地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定法人に寄付したもの
公益事業用の財産寺社の境内地など、公益目的の事業に使用されることが明確なもの

相続税がかかる財産は亡くなった日に持っていた全ての財産が原則ですが、財産の性質上、相続税の課税対象とすることが適当でないことから、相続税をかけないこととしている「非課税財産」が定められています。

贈与財産

贈与税がかかる贈与財産被相続人が亡くなった日(相続開始日)前3年以内にもらった財産

被相続人の亡くなる日前3年以内に、被相続人から贈与された財産がある場合には、その贈与された財産も相続財産に含める必要があります。

このルールは被相続人が亡くなる直前に相続税を減らすために恣意的に相続人に財産を分けることを抑制するために設けられています。

また、これ以外に相続時精算課税制度を利用して生前に贈与をしていた場合には、亡くなる日前3年以内という期限にかかわらず、贈与財産を相続財産に含める必要があります。

相続財産はどのように評価するのか

亡くなった人の財産を相続した場合に相続税が発生するかどうかを確認し、あるいは発生する相続税額を計算するために重要なのは、相続した財産の金額がいくらになるのかを知ることです。

ここでは、相続した財産の評価方法について解説します。

相続財産の評価方法を知れば、おおよその相続税額まで計算できるため、相続に対する不安を少なくすることができるはずです。

相続財産は原則として課税時期(通常は相続開始の時、つまり被相続人の死亡の時)の時価、つまり市場で自由に取引されればいくらになるのかという価格で評価されることが基本です。

現金預貯金、有価証券の評価方法

現金や預貯金は相続発生時点での価格で見ればよいのでシンプルです。

上場株式は証券取引所(東証1部2部・東証マザーズ・JASDAQ等)で取引価格が公表されています。

上場株式は、次の最も低い価格を評価額とします

  • ① 死亡日の終値
  • ② 死亡した月の日々終値の平均
  • ③ 死亡した前月の日々終値の平均
  • ④ 死亡した前々月の日々終値の平均

上場株式は、次の最も低い価格を評価額とします

  • ① 死亡日の終値
  • ② 死亡した月の日々終値の平均
  • ③ 死亡した前月の日々終値の平均
  • ④ 死亡した前々月の日々終値の平均

投資信託については、相続開始日(被相続人の死亡日)に解約請求又は買い取り請求を行ったと想定した際の受け取り価格が評価額になります。

亡くなった方が非上場株式を保有していた場合、原則としてその会社の資産と負債を時価で評価した金額(純資産価額)と、その会社の経営状態を類似する他の会社と比較して算出する金額(類似業種比準価額)を組み合わせて課税評価額を決定します。

上場株式の場合は自分で計算することも難しくありませんが、非上場株式の場合は会社の資産状況が分からないと評価できないため、自分で計算することは難しいかもしれません。

同族株主の場合は規模によって異なります。

因みに会社規模は、業種別の売上高・従業員数により区分基準が設けられています。

会社規模評価額計算方式
大会社A 類似業種比準方式(配当・利益・純資産価額の3つの値を類似業種から参照する)
中会社BAとCの折衷方式
小会社C1株当たり純資産価額

土地の評価方法

土地は「宅地」「田」「畑」「山林」などの地目ごとに路線価値方式と倍率方式で評価します。

路線価方式

路線とは道路のことで、路線に面する標準的な宅地の1㎡あたり1,000円単位の評価額が、国税庁に定められています。

路線価に土地の面積をかけて土地の価格を計算。

路線価は、毎年7月ごろに国税庁が公表する路線価図で確認することができます。


路線とは道路のことで、路線に面する標準的な宅地の1㎡あたり1,000円単位の評価額が、国税庁に定められています。

路線価に土地の面積をかけて土地の価格を計算。

路線価は、毎年7月ごろに国税庁が公表する路線価図で確認することができます。

路線価図例

※路線価図例

30万円×100㎡3,000万円

 

路線価図にある「300C」の「300」が路線価。

1㎡あたり1,000円単位なので、この場合の路線価は30万円。

計算すると、評価額は3,000万円となります。

アパートや借地などの権利の対象となる不動産に関しては、借家権割合・借地権割合を加味します(これは土地・建物とも共通です)。

土地については、一定の要件を満たすことで、被相続人(亡くなった人)の自宅や店舗、事務所など、事業用に使っていた宅地につき大幅に評価額を下げてもらえる小規模宅地等の特例が適用される場合があります。

不動産の評価額を下げることにより、結果として算出される税額も下がることになります。

倍率方式

路線価がない地域は、「倍率方式」を使って評価します。

倍率方式を使う場合、宅地の固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて、価額を算出します。

倍率についても決まっており、税務署での閲覧、あるいはインターネットで調べることもできます。

固定資産税評価額×倍率評価額
※倍率方式による評価額の計算式

敷地面積が同じでも、間口が狭い・道路に面していない・奥行きがないといった土地は価値が下がります。

こうした「不細工な土地」の評価額計算には補正率表を用います。

補正率には間口狭小・奥行長大・無道路地・道路開設・袋地・通路拡幅・不整形地・がけ地など17もの種類があります。

どの補正率を適用するかで、不動産鑑定士などのプロでも見誤ることがあります。

建物の評価方法

家屋の価額は固定資産税評価額がそのまま評価額となります。

なお、貸家は自用家屋の60%または70%の評価になります。


家屋の価額は固定資産税評価額がそのまま評価額となります。

なお、貸家は自用家屋の60%または70%の評価になります。

相続財産がいくらになるのかによって相続税の金額が変わることはもちろん、場合によっては相続税申告の要否までもが決まってくることがありますので、それぞれの計算を慎重に行わなくてはなりません。

因みに建物の所有者は、毎年4-5月頃に市役所から送付される固定資産税の納税通知書で、固定資産税評価額を確認します。

生命保険の評価

亡くなった人が保険料を支払っていた生命保険金(死亡保険金)は亡くなった人の“みなし相続財産”として相続財産に含めて遺産の総額を計算します。

ただし、“みなし相続財産”である死亡保険金には非課税枠が用意されています。


亡くなった人が保険料を支払っていた生命保険金(死亡保険金)は亡くなった人の“みなし相続財産”として相続財産に含めて遺産の総額を計算します。

ただし、“みなし相続財産”である死亡保険金には非課税枠が用意されています。

受け取った保険金額から非課税額を差し引いた金額が生命保険の評価額となるので注意しましょう。

受け取った死亡保険金


 
生命保険の評価額
非課税限度額

非課税限度額=500万円×法定相続人の数

非課税額の範囲内であれば相続税の課税はされません。

ゴルフ会員権の評価方法

一般的に名前が知られているゴルフ場の会員権の多くは、取引される相場があり、譲渡することを前提とした預託金制の権利です。

そのため、相続財産に含まれます。

取引相場をもつゴルフ会員権の評価額は、相続が発生した日の取引価格の70%です。

財産の評価では、買い相場の取引価格を採用します。

書画・骨董品の評価方法

国税庁の通達では「精通者」と表現されていますが、古くから骨董品や美術品を扱っている店や、鑑定家として有名な人に依頼して評価額を算定してもらいます。

価値の少ないものは「家庭用財産」として評価する

鑑定の結果、価値が少ないとわかった書画・骨董品などは「家庭用財産」として評価します。

「家庭用財産」は、家庭にあるもののことです。

例えば、タンスなどの家具・電化製品・貴金属や服・書籍・自動車などです。

電話加入権なども含まれます。

10万円程度の評価額であれば「家庭用財産のひとつ」として、5万円以下であれば「家財一式」として他のものと一緒にまとめて申告します。

相続税の計算の流れとは?

相続税計算は、次の流れで行っていきます。

 

相続税の計算において一番手間となる相続財産の把握と評価ができたら、それらプラスの財産、マイナスの財産等を加減算して正味の相続財産の計算を行っていきます。

相続税の基礎控除額=3000万円 + 法定相続人の人数 × 600万円

正味の相続財産、相続税の基礎控除額が計算できたら、正味の相続財産から基礎控除額をマイナスしていきます。この金額が課税遺産総額になり、相続税の課税計算の基本となります。

その後の相続税計算のステップは電卓があれば誰でもできる簡単な計算になりますが、相続税の総額の算出は法定相続分で計算することや、適用できる相続税の税額控除を忘れないことが大事になってきます。

これら相続税の計算のステップを具体的に確認してきましょう。

STEP1正味の相続財産の計算

相続税がかかる財産については上記「2.どんな財産に相続税がかかるのか」で確認していきました。

次に、把握した相続財産の評価を基に、本来の相続財産であるプラスの財産から葬儀費用や債務等のマイナス財産を差し引いて、さらに、みなし相続財産や贈与財産(相続開始前3年以内)等を加算し、正味の相続財産(遺産の総額)を計算してきます。

正味の遺産額(相続財産)の計算方法
  • プラスの財産
  • ●預金、預貯金
  • ●株式、国債
  • ●土地、建物など
  • マイナスの
    財産
  • ●葬儀費用
  • ●ローン
  • ●未払い金
    など
  • みなし
    相続財産
  • ●死亡保険金
  • ●死亡退職金
  • 3年以内の贈与財産
  • 相続時精算課税財産
正味の
遺産額

(正味の相続財産)

正味の遺産額(相続財産)の計算方法
  • プラスの財産

     

     

  • ●預金、預貯金
  • ●株式、国債
  • ●土地、建物など

  • マイナスの財産

     

     

  • ●葬儀費用
  • ●ローン
  • ●未払い金など

  • みなし相続財産

  • ●死亡保険金
  • ●死亡退職金
  • 3年以内の贈与財産

  • 相続時精算課税財産

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正味の遺産額(正味の相続財産)

例えば、亡くなった方の財産について、銀行預金が2億円、借金が6000万円の場合、正味の相続財産は、2億円-6000万円で、1億4000万円ということになります。

STEP2相続税の基礎控除額の計算

正味の相続財産から控除する相続税の基礎控除額を計算していきます。

上記「1-4.どのくらいの財産から相続税がかかるのか?」でも基礎控除の確認をしましたが、相続税は、正味の相続財産から相続税の基礎控除額を差し引きした金額に対して課税されるため、もし「正味の相続財産相続税の基礎控除額」となっている場合にはそもそも相続税の発生もしなければ相続税の申告も必要ありません。

 

相続税の基礎控除額は下記の計算で求めます。

基礎控除額

3,000万円法定相続人の数600万円

※相続税基礎控除額の計算式

たとえば、父親が亡くなって、母親と子ども3人が相続人になるケースでは、法定相続人は、4人です。

そこで、基礎控除は、3000万円+600万円×4人=5400万円になります。

この場合、遺産総額が5400万円以下であれば相続税はかかりません。

5400万円を超える場合は、超える部分に対してのみ課税されます。

 

法定相続人の数に応じた基礎控除額一覧

法定相続人の数基礎控除額
(単位:万円)
1人3,600
2人4,200
3人4,800
4人5,400
5人6,000
6人6,600
7人7,200

 

STEP3課税遺産総額の計算

正味の相続財産と相続税の基礎控除額がわかったら、次に「課税遺産総額」の計算します。

(計算式は以下のようになります)

正味の相続財産相続税の基礎控除額課税遺産総額
※課税遺産総額の計算式

 

正味の相続財産額が、相続税の基礎控除以下の場合(正味の相続財産<相続税の基礎控除額)、相続税の金額は0円になります。

例として、正味の相続財産が3000万円、相続人数が3人の場合、課税遺産総額は以下のようになります。

3000万円 - (3000万円 + 600万円×3人) = 0円(相続税は発生しません。)

一方で、正味の相続財産が1億円の場合、課税遺産総額は以下のようになります。

 

1億円(3,000万円+600万円×3人)5,200万円

 

STEP4相続税を計算する
相続税特有の税額計算の仕組み

それでは具体的に相続税額の計算についてみていきましょう。

課税遺産総額の金額が計算できたら、次に相続人となる人それぞれが法定相続分で取得したものとみなして相続税額を計算し、その相続税の総額をまずは計算していきます。

この相続税の総額を、実取得の相続分に応じて按分し、各相続人の相続税額を計算します。

最後に、各相続人の相続税額から適用できる税額控除を差し引いた残額が各相続人の最終の相続税納付額となります。

課税遺産総額

×

(法定相続人の法定相続分)

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応ずる
取得金額

×

税率

算出税額

相続税の総額

×

(按分割合)

各相続人の税額

各相続人の税額

各相続人の税額

課税遺産総額

×

(法定相続人の法定相続分)

法定相続分に応じた
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応じた
取得金額

×

税率

算出税額

法定相続分に応じた
取得金額

×

税率

算出税額

相続税 総額

×

(按分割合)

各相続人の税額

各相続人の税額

各相続人の税額

※相続税特有の税額計算の仕組み図

【 相続税の税率 】

相続税は相続財産が多くなるほど税率が高くなる累進課税の仕組みを採用しています。

なお、相続税の課税標準となる金額は上記で計算した正味の相続財産から相続税の基礎控除額を差し引いた金額となります。

各相続人の法定相続分に応ずる取得金額を下記の相続税速算表に当てはめて相続税額を計算し、合算した相続税の総額に各人の按分割合(各相続人が実際に相続する財産の割合)を乗じて各相続人の納付税額が確定します。

〈 相続税の速算表 〉

相続税の課税標準税率控除額
1000万円以下10%
3000万円以下15%50万円
5000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1700万円
3億円以下45%2700万円
6億円以下50%4200万円
6億円超55%7200万円

 

最終的に出された金額について、各相続人の事情で税額の増減がある場合もあります。

たとえば、被相続人の兄弟や孫、内縁の配偶者などは相続税額が20%アップします。

なお、原則的に父母または子供など、1親等の血族にあたる人は2割加算の対象にならないのが原則ですが、例外的に「養子」の場合、その養子が被相続人の孫である場合、2割加算対象になることにも注意が必要です。

納税額相続税の2割加算
(適用がある場合)
税額控除
(適用がある場合)
最終的な納税額

納税額相続税の
2割加算
(適用がある場合)
税額控除 (適用がある場合)最終的な
納税額

相続税が軽減できるのはどんな場合?

相続税の計算には各種特例があり一定の要件に該当することで相続税を軽減することができます。

 

軽減特例の名称内容
配偶者の税額控除 詳細はこちら

配偶者が相続した財産額が1億6,000万円まで、あるいは法定相続分までなら、相続税をかけませんという特例です。

■実際の取得金額が1億6000万円又は法定相続分以下 相続税はゼロ。差額部分に対して相続税が発生。

要件

相続税の申告期限までに、配偶者の相続分を計算して申告書を提出。未分割の場合は、法定相続分で相続したものとして相続税を計算し、申告及び納税を行う必要があります。

小規模宅地の
評価減(自宅)

詳細はこちら

自宅の土地等を相続した場合には、330㎡まで評価額を80%減額できます。
※小規模宅地等の特例は自宅土地の他、被相続人等が事業に供していた宅地や貸付事業用の宅地等にも適用が設けられています。

要件

〈配偶者が相続する場合〉
条件なし

〈同居していた親族が相続する場合〉
相続開始時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に住み、所有すること

〈同居していなかった親族が相続する場合(家なき子特例)〉
以下のすべてを満たすこと

  • ・被相続人に配偶者がいない
  • ・被相続人と同居していた相続人がいない
  • ・相続開始前の3年以内に日本国内にある、3親等内の親族または親族の経営する法人が所有する家屋に住んだことがない
  • ・相続開始時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋を所有する
相次相続控除
詳細はこちら

短期間のうちに相次いで相続が続くと、相続税を支払う人にとって負担になるので、相続税額から一定金額を差し引くことができます。

要件

10年以内に2回以上相続があった場合、最初の相続税の一部を2回目の相続税から控除できます。

未成年者控除
詳細はこちら

相続人が未成年者の場合、その相続人が満20歳になるまで、年数×10万円が控除されます。なお、1年未満の端数は切り上げて1年として計算します。

障害者控除
詳細はこちら

相続人が85歳未満の障害者の場合、その相続人が満85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が控除されます。

贈与税額控除

「相続開始前の3年以内に贈与された財産」に対する支払い済みの贈与税は相続税から控除されます。

要件

相続開始前の3年以内に贈与された財産の価額は正味の遺産額にプラスします。

実際に相続税を計算してみよう

遺産はそのまま分割できるわけではなく、そこから相続税を支払はなくてはなりません。

以前は資産家でなければ相続税が課されることはまれでしたが、数年前の税制改正で基礎控除額が大幅に引き下げられたこともあり、相続税の課税対象となるケースは増えています。

この記事では相続税の計算方法について、わかりやすく解説します。

相続税の計算と聞いて、どこから手を付ければいいのか戸惑う方は多いでしょう。

シンプルに考えれば、課税価格(財産評価額)×税率=相続税額であり、課税価格計算と税率適用のルールに基づいてプロセスを踏んでいけば計算できます。

<ケース>
被相続人
法定相続人長男、次男
課税財産課税財産金融資産5000万円、不動産2000万円、生命保険2000万円
葬儀費用500万円
遺産分割長男3/5、次男2/5
<計算プロセス>

① 遺産の課税価格計算

A 遺産総額計算金融資産5000万円+不動産2000万円+生命保険金2000万円=9000万円
B 非課税額保険金控除額(500万円×2)+葬式費用500万円=1500万円
C 基礎控除額3000万円+600万円×2人(法定相続人の数)=4200万円
D 最終課税遺産総額A-B-C=3300万円

② 相続税の総額計算

E 法定相続人の法定相続分に応じた取得金額長男 D×1/2=1650万円
次男 D×1/2=1650万円
F 各法定相続人の算出税額長男 1650万円×15%-50万円=1975000円 F1
次男 1650万円×15%-50万円=1975000円 F2
G 相続税の総額F1+F2=395万円

E 法定相続人の法定相続分に応じた取得金額長男 D×1/2=1650万円
次男 D×1/2=1650万円
F 各法定相続人の算出税額長男 1650万円×15%-50万円=1975000円 F1
次男 1650万円×15%-50万円=1975000円 F2
G 相続税の総額F1+F2=395万円

③ 各人の納付税額計算

長男: G×分割割合3/5=237万円
次男: G×分割割合2/5=158万円

上記は極めてシンプルなモデルケースですが、算定プロセスにおける詳細ポイントを解説します。

遺産は相続財産だけではない

相続開始3年以内の贈与財産・相続時精算課税贈与財産・みなし相続財産も加えます。
小規模宅地等の課税価格特例などは遺産総額計算時に加味します。

控除できる費用

債務・葬式費用は、遺産総額から控除できるほか、香典は非課税扱いとなります。

基礎控除額

3000万円に600万円×法定相続人の数を加えた金額を控除できます。
養子は1人まで(実子がいない場合は2人まで)法定相続人の数に参入できます。

相続税の総額計算

相続税は、課税価格が増えるほど税率が上がる超過累進税率が適用され、最高税率は55%(課税価格6億円超の場合)です。

税額軽減の優遇措置を忘れない

相続人が未成年者・障がい者・配偶者の場合は、税額軽減の優遇措置が受けられます。

 

計算プロセスとポイントをつかんでおけば、相続税の計算は決して難しくありません。

億劫がらずにぜひトライしてみましょう。

 

相続税の申告とは

相続税がかかる、もしくは相続税が0円でも特例を利用しての結果の場合には相続税の申告をしなければなりません。

相続税の申告は相続税の申告書に財産や債務、税額控除などを記入して、期限内に税務署に提出することをいいます。

 

相続税の申告書サンプル

相続税の申告書サンプル

———–画像タップで拡大———–

※相続税の申告書サンプル

 

遺産の分割協議、または遺言書で各相続人の遺産の取得割合が決まり、相続税の申告書を作成します。

申告書は所定の用紙があるので、税務署に行って取得してください。

申告書の作成方法は申告書と一緒にもらえる『相続税の申告のしかた』という冊子に詳しく記載されていますので、それを参考に必要事項と金額などを記入していきます。

なお、相続税の申告書は、同じ被相続人から相続や遺贈などによって財産を取得した人が共同で作成して提出することができます。

「相続税の申告書」作成の概要

「相続税の申告書」作成の概要

「相続税の申告書」作成の概要

———–画像タップで拡大———–

相続税の申告期限、納付期限

相続税の申告は、相続があったことを知った日の翌日から計算して10ヵ月以内に、管轄の税務署に対して行わなくてはなりません。

相続税の申告期限は「故人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月目」になります。

故人が2月1日に亡くなった場合、その年の12月1日が申告期限日になります。

ただし期限日が、土・日・祝日の場合、次の平日が期限日になります。

多くの場合、お葬式の連絡や相続財産の分割協議実施の通知などを受けた日の翌日から日数計算がスタートします。

「相続があったことを知った日」は、親族が亡くなったことを知った日のことです。

遠方に住んでいる、長く疎遠になっている場合、かなりの期間がたってから、親族が亡くなった・相続の発生を知ったということも多いためです。

なお、税金の納付期限も申告期限と同じ日となります。

相続税の申告は、相続の発生から10か月以内に行う必要があり、期限内で手続きをしないと大きく2つの不利益になることが可能性があります。

相続税申告に必要な書類

相続の手続きに必要な書類は、戸籍謄本などの市区町村役場でもらえるものだけではありません。

銀行や郵便局、法務局の窓口で手続きが必要なものもあり、手続きに必要な書類を集めるだけでも、かなりの手間がかかることを覚悟しておきましょう。

相続税の申告に必要な添付書類①
公的書類

■申告時に必要になるもの

書類条件等申請先
1被相続人の戸籍謄本生まれた時からのもの(改製原戸籍謄本・除籍謄本)各市町村役場
2被相続人もの住民票の除票省略のないもの各市町村役場
3被相続人の死亡診断書コピーご自身でコピー
4各相続人の戸籍謄本家族全員の記載のあるもの各市町村役場
5各相続人の住民票家族全員の記載があり、省略のないもの各市町村役場
6各相続人の印鑑証明遺産分割協議書作成時に必要各市町村役場
7遺言書または遺産分割協議書申告時にどちらかが必要

改製原戸籍謄本とは?

戸籍法の改正により戸籍の様式が変更され、新しい様式で戸籍の書き換えが行われます。この改製(つくり直し)が行われる前の古い戸籍のことを指します。

除籍謄本とは?

死亡のほか、結婚、離婚、転籍(本籍地変更)などにより、在籍している人が誰もいなくなった戸籍のことを指します。

改製原戸籍謄本とは?

戸籍法の改正により戸籍の様式が変更され、新しい様式で戸籍の書き換えが行われます。この改製(つくり直し)が行われる前の古い戸籍のことを指します。

除籍謄本とは?

死亡のほか、結婚、離婚、転籍(本籍地変更)などにより、在籍している人が誰もいなくなった戸籍のことを指します。

見本

被相続人が生まれたときからのすべての戸籍を揃える必要あり!

相続の手続きでは、相続人を確定するため原則として被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍が必要になります。そのため、最初に被相続人の最後の本籍地の役所で最終の戸籍謄本を取り、その記載内容をチェックして、転籍があれば転籍前の役場で戸籍謄本を取得し、これを繰り返して出生までの戸籍を遡って追跡しなければなりません。

見本

被相続人が生まれたときからのすべての戸籍を揃える必要あり!

相続の手続きでは、相続人を確定するため原則として被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍が必要になります。そのため、最初に被相続人の最後の本籍地の役所で最終の戸籍謄本を取り、その記載内容をチェックして、転籍があれば転籍前の役場で戸籍謄本を取得し、これを繰り返して出生までの戸籍を遡って追跡しなければなりません。

窓口・郵送

謄本を取得するには?

戸籍謄本は本籍地の役所でしか取得できません。取得方法は窓口で直接取得するか、郵送で取得することになります。本籍地が遠方の場合は郵送での取得になりますが、1週間程度かかるので、手続きは早めに行いましょう。

窓口・郵送

謄本を取得するには?

戸籍謄本は本籍地の役所でしか取得できません。取得方法は窓口で直接取得するか、郵送で取得することになります。本籍地が遠方の場合は郵送での取得になりますが、1週間程度かかるので、手続きは早めに行いましょう。

相続税の申告に必要な添付書類②
相続財産

■現金・預貯金

書類条件等申請先
1預金残高証明書死亡日の残高各金融機関
2既経過利息計算書定期預金の場合各金融機関
3被相続人の過去の通帳のコピー
4家族全員の過去の通帳のコピー

相続発生時の残高証明が必要

残高証明書は、相続が発生した時点での被相続人の口座残高が記載された書類です。
各金融機関の窓口で「残高証明書を取得したい」と申請してください。

■土地・建物

書類条件等申請先
1全部事項証明書(登記簿謄本)法務局の各出張所
2地積測量図又は公図の写し法務局の各出張所
3固定資産税評価証明書各都税事務所・市町村役場
4実測図
5賃貸借契約書貸家、貸地・借地の場合

登記事項証明書は法務局で取得

土地の登記関係の書類は、法務局(支局・出張所含む)の窓口で取得するか、オンラインで申請します。固定資産税評価証明書は各市区町村の窓口で取得できます。

■有価証券類

書類条件等申請先
1証券・株券・通帳・預り証明書死亡日の残高各銀行・証券会社
2配当金支払通知書保有株数表示証券代行業者

株の実券債券は見落としやすい

未上場企業の株式や債券類は見落としやすいので注意しましょう。
遺産の分配や申告が終わった後に見つかると、手続きのやり直しが必要になってしまいます。

■生命保険金・退職手当金など

書類条件等申請先
1生命保険の保険証書のコピー継続中のもの各保険取扱会社
2支払保険料計算書各保険取扱会社
3火災保険等の保険証書のコピー満期返戻金があるもの各保険取扱会社
4退職金の支払調書

保険金退職金も申告の必要あり

支払保険料計算書は銀行や保険会社、退職金の支払調書は勤務先から送られてきます。
各種保険の証書は、被相続人が保管しているはずなので探してください。

■その他の財産

書類条件等申請先
1金銭消費貸借契約書のコピー貸付金がある場合
2会員証ゴルフ会員権など
3電話加入権
4家財一式

計上漏れしやすい相続財産に注意!

貸しているお金、ゴルフやリゾートの会員証、電話加入権も相続税の対象です。
それぞれ証明できる書類や証書、会員証をコピーして提出します。

相続税の申告に必要な添付書類③
債務・葬式費用

■債務

書類条件等申請先
1金銭消費貸借契約書のコピー借入金がある場合
2借入残高証明書借入金がある場合各金融機関
3請求書未払金の場合
4課税通知書・納付書未納の租税公課
5明細などその他の債務

借入金などの計上漏れに注意

借入金や未払金はマイナスの財産としてプラスの財産から差し引くことができるので、証明できる書類をきちんと用意しましょう。

■葬儀費用

書類条件等申請先
1請求書・領収書
2諸経費の明細心付けなど
3お布施などのメモ

葬儀費用の記録はきちんと保存

葬儀費用もマイナスの財産になりますので、葬儀会社の領収書のほか、葬儀にかかった諸経費の明細と領収書もきちんと保管しておきましょう。

相続税の申告に必要な添付書類④
生前贈与財産

■生前贈与

書類条件等申請先
1贈与税の申告書(控)相続時精算課税・暦年課税
2被相続人の戸籍の附票のコピー被相続人の戸籍の附票のコピー
3相続人の戸籍の附票のコピー相続時精算課税
4贈与証書暦年課税
5貯金通帳暦年課税

3年以内の贈与も相続税の対象

相続税の対象となる生前贈与の金額を証明する書類も必要になります。
また、被相続人の戸籍の附票のコピーも必要になるので、忘れないようにしましょう。

相続税申告手続きまでの流れ

被相続人の死亡(相続開始)

  • ①遺言書の有無の確認遺言書が見つかったら家庭裁判所で「検認」の手続き(公正証書遺言の場合は検認不要)を行い、遺言書に従い遺産分割を実行します。遺言書がない場合には戸籍調査と遺産調査を行っていきます。
  • ②相続人調査と相続財産調査被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本などを取得。相続財産を特定するため、被相続人宅にある預貯金通帳や銀行、証券会社から届いた書類、不動産に関する権利証(登記事項証明書)などの書類、役所から届いた固定資産税の明細書などを探します。
  • ③準確定申告被相続人が自営業者などで、確定申告をすべき立場であった場合、相続人が代わりに、相続開始後4ヶ月以内に準確定申告を行います。
  • ④相続財産評価財産ごとの相続税評価を行います。
  • ⑤遺産分割協議相続人間で合意が出来たら遺産分割協議書を作成
  • ⑥相続税の申告と納税
    相続開始後10ヶ月以内に所轄税務署に相続税申告書を提出、納税を済ませます。

  • ①遺言書の有無の確認遺言書が見つかったら家庭裁判所で「検認」の手続き(公正証書遺言の場合は検認不要)を行い、遺言書に従い遺産分割を実行します。遺言書がない場合には戸籍調査と遺産調査を行っていきます。
  • ②相続人調査と相続財産調査被相続人が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本などを取得。相続財産を特定するため、被相続人宅にある預貯金通帳や銀行、証券会社から届いた書類、不動産に関する権利証(登記事項証明書)などの書類、役所から届いた固定資産税の明細書などを探します。
  • ③準確定申告被相続人が自営業者などで、確定申告をすべき立場であった場合、相続人が代わりに、相続開始後4ヶ月以内に準確定申告を行います。
  • ④相続財産評価財産ごとの相続税評価を行います。
  • ⑤遺産分割協議相続人間で合意が出来たら遺産分割協議書を作成
  • ⑥相続税の申告と納税
    相続開始後10ヶ月以内に所轄税務署に相続税申告書を提出、納税を済ませます。

相続税が払えない場合

相続税がかかる場合、財産があっても支払えないケースがあります。

相続税は現金によって納付します。

そのため、不動産などを多く相続した場合、財産評価額が高くても現金がたりないということが起こります。

不動産は急に売ろうとしても売れるものではなく、現金化そのものが難しく、相続した土地を守っていきたという思いから不動産は売却したくない、でもお金はない、という場合もあります。

延納について

このように、すぐに相続税を支払えない場合、相続税の延納・物納という方法があります。

延納とは、相続税を分割払いする方法です。

延納の場合、金融機関のローンと同じような利子税という税金が課税されるため総支払額は増えます。

また、延納が認められるには担保も必要になります。

物納について

相続税を支払えない場合に利用できる手続きとして物納もあります。

物納とは、不動産などの現金以外の資産で相続税の支払いに充てる方法です。

物納を利用できるのは、延納を利用した場合でも、相続税の支払いが困難なケースです。

 

 

相続税の相続税違反のペナルティ

期限に遅れて申告を行うことを「期限後申告」といい、期限後申告を行うと延滞税や加算税が発生します。

また相続税を過少に申告していた場合、意図的に財産を隠したり、証拠隠蔽を行えば重加算税が課税されます。

相続税法違反=不正行為により相続税や贈与税を免れた者は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金(併科あり)という場合もありますが、高額の脱税(億単位)や逃亡の可能性などがない限りは以下の追徴課税が一般的になります。

無申告加算税

正当な理由がなく、申告期限に申告しなかった際に課される税金

過少申告加算税

申告期限内に提出した申告書の金額が不足していた場合に課される税金

重加算税

課税対象の財産を意図的に隠していた場合に課される税金

延滞税

相続税の納付期限(被相続人の死亡を知った日から10ヵ月以内)までに納税されなかった場合に課される税金

追徴課税の一覧

税名内容税率
無申告加算税申告期限までに申告せず、自主的に期限後申告した場合5%
税務調査により期限後申告した場合納税額のうち50万円までの部分15%
納税額のうち50万円を超える部分20%
過少申告加算税自主的に修正申告した場合──
税務署に指摘されて修正申告した場合10%
税務署に指摘されて修正申告した場合で
追徴税額が「期限内申告税額」または「50万円」のいずれか多い金額を超える部分
15%
重加算税財産を意図的に隠す、または証拠書類を隠蔽した上で申告した場合35%
財産を意図的に隠す、または証拠書類を隠蔽した上で申告しなかった場合40%
延滞税納付期限の翌日から2ヵ月以内に納付した場合年7.3%
or
特例基準割合+1%の低い方(※)
納付期限の翌日から2ヵ月を超えた場合年14.6
or
特例基準割合+7.3%の低い方(※)

※特例基準割合とは、銀行の新規の短期貸出約定平均金利の平均に、さらに年1%を足した数字。2017年の特定基準割合は1.7%。

相続税の税務調査

無事に申告を終えたからと言って、必ずしも安心できないのが相続税です。

というのも、しばしば相続税は「税務署が最も申告内容の調査に力を入れる税金」とされ、実に申告者の20~30%が税務調査を受けているからです。

 

税務調査が実施されている

この理由として考えられるのは、相続税の複雑さです。

相続税は専門的な知識が必要なため、申告に不備が出やすいのです。

国税庁はKSK(国税総合管理)システムを駆使し、全国の納税者たちの情報を一元的に管理しています。

相続税の金額が正しいか、申告漏れはないかなど、徹底的にチェックされるのです。

なお、過少申告の可能性が考えられる場合は税務調査が入りますが、税金を払いすぎていた場合はその旨が連絡されることはありません。

過払い金の還付はこちらから再申告が必要なので、不安な人は申告内容を見直しましょう。

税務調査で指摘されやすい3つの論点

相続税の税務調査でもよく調べられる論点があります。

税務調査では下記の3点が指摘されやすい論点でもあり、間違いが多い論点ということもいえます。申告の前に一度、確認をしておきましょう。

「相続税の申告における過去の贈与の見落とし」

相続税の税務調査で指摘の多い、「相続開始前3年以内に贈与された財産及び相続時精算課税制度により贈与された財産を相続財産に含めているかどうか?」は相続税の税務調査では必ず確認してくる論点ですので、しっかりと確認を行いましょう。

もし、被相続人の財産を何も相続しない相続人が相続開始前3年以内に贈与を受けていた場合には生前贈与加算の適用はありません。(生前贈与加算はあくまで相続又は遺贈により財産を取得した者が対象)

「相続税の申告における過去の贈与の見落とし」

「名義預金」の見落としは「過去の贈与」の見落としと同じくらいミスが多くなる論点です。

配偶者や子ども名義で作成した通帳に預金を行っていたが、本人には何も知らされてず被相続人が管理していた預金であった場合には、「名義預金」として相続財産に含めなければなりません。

もし、通帳を本人に渡して贈与が完了していた場合においても印鑑の管理が被相続人、実質的に預金の引き出しができない状況であれば「名義預金」として相続財産にしなければならないので注意しましょう。

「小規模宅地等の特例を適用するための要件を失念」

小規模宅地等の特例は、その宅地等を相続税の申告期限まで保有していることが要件となります。

どのような事情があったとしても申告期限前に売却をしていれば要件を満たせないので注意しましょう。

 

あなたにも起こるかも?相続税のトラブル事例

相続が開始された日より10か月の期間内にのんびり行動をしていると、不動産の売却や納税などにおいてトラブルが生じるという事例が最近増えています。

これは決して他人ごとではありません。

あなたもこのようなトラブルに合わないように、どのような問題が起こりうるのか対策例を一緒に確認していきましょう。

遺産分割はできたけど、相続税の支払いが…

まずは、ある事例をご紹介しましょう。田中さん(仮称)の家族では、父親と二人の娘が一緒に暮らしていましたが、病気で父親が亡くなり娘は父の相続手続きをしなければいけないことになりました。ところが、ふたを開けてみると、父はいくつもの不動産を保有しており、現金もいくらか残ることが分かりました。これらを公平に分けようと心づもりをしていた二人は相続税の金額を聞いて驚くことになります。

いざ相続税を計算すると高額で支払えない!

相続財産がいくつもあると自分たちに多くの相続財産をもらうことが出来るという気持ちになるかもしれませんが、その分相続税が多くなる可能性が高くなるということでもあるのです。田中さんの娘さんは相続税として、約2,000万円負担しなければいけないことが分かったのは、田中さんが亡くなってからかなりの時間が経った時でした。

もう相続税の申告まであまり時間は残されてはいません。そんなにすぐに2,000万円も支払えないと考えた娘さんは、仕方なく相続財産である不動産を売却して相続税納税資金として活用しようとしました。ところが、不動産というものはそれほどすぐに売却が出来る訳ではありません。相続税の納税期限を考えると、このままでは希望していた売却額では間に合わないと考えた娘さんはどんどん売却額を下げることにしました。ようやく1ケ月前に売買が成立し納税資金を確保することが出来ましたが、結局手元に残ったお金は手数料などを差し引くとほとんどありませんでした。

ポイント

こちらの事例のポイントとしては、多額の相続税を負担しなければいけないことが分かったのが、田中さんが亡くなってからしばらくたった後になったという点です。特に不動産の場合には相続税の金額には十分に注意をすべきです。資産性のあるものを譲り受けたと喜ぶだけではなく、その後処理として相続税の支払い手続きまで見据えて計画を立てることが重要になります。

本当に大丈夫?「相続についてのお尋ね」が届いて大慌て。

続いての事例をご紹介しましょう。
鈴木さん(仮称)の家族では、妻と息子を残して元々体が弱かったご主人が亡くなってしまいました。ところが、この家族相続対策には意欲的で日頃から相続に関するセミナーに参加し、また書籍を意識的に読むなどして相続に関する情報を頭の中に入れていました。そして、相続税が最もかかりにくい方法に遺産分割を行い、奥様とお子様は安心して過ごしていたところ、税務署より連絡があり、相続手続きの不備を指摘されてしまうことになりました。

申告しないと使えない特例も。

鈴木さんの奥様と息子さんは、心配になって知り合いの税理士に相談をしたところ、お二人が考えていた「相続税が最もかかりにくい方法」を行うには、いくつかの書類の申告をしなければいけないことが分かりました。これを行わないと二人には若干程度の相続税が発生することを告げられましたが、既に相続税申告時期が迫っています。慌ただしくも二人はその場で税理士に依頼をし、ギリギリ相続手続きが完了しましたが、書類集めや段取りなどで一段と苦労したんだとか。

ポイント

こちらの事例のポイントとしては、ご家族の間で相続に関する知識を十分につけていたのだけれど、いざ相続が開始したときに知識の正確さに問題があり、適切に相続を進めることが出来なかった点にあるでしょう。もちろん、相続に関する知識を知ろうとしたこと自体は、素晴らしいことではあります。しかしながら、実際の相続手続きにおいては、複雑な計算や細かい実務的な対応が求められますので、ご自身でいくつかの手続きをされるにしろ、事前に相続税の専門家である税理士にも相談をすべきであったといえるでしょう。

  • 二つの事例をご覧頂きましたがいかがでしたでしょうか?ご自身のことを考えて、全く同じようなことは起こらないといえるでしょうか?相続税の手続きは想像以上に簡単にはいきませんので、事前にどのようなことをしなければいけないのか十分に把握しなければいけませんし、ご自身では難しいと判断した場合には早急に専門家の下に相談に行き、手続きを進めていくことも賢い方法であるといえるでしょう。

相続税の節税基礎知識

財産が多くあると、将来、相続が発生した際に相続税の支払を避けては通れません。

また、財産が多くないと思っている人も、実際に相続が発生した時に相続税の負担に悩まされる可能性があるため安心できません。

ここでは、相続税額を少しでも減らすための方法について解説します。

ぜひこの記事を参考にして、自分にあった相続対策を考えてみましょう。

相続対策は財産を持っている被相続人が生きているうちでなければできません。

そのため、相続税の負担を減らしたいと考える方は、少しでも早く相続対策を考えて実行することが大事です。

相続対策を考えるうえでのポイントは、①相続財産自体を減らす、②相続財産の評価額を下げる、③納税資金を確保する、の3点となります。

まず①相続財産自体を減らすのは、相続する財産が少なくなれば相続税も少なくなるからです。

ただ、だからといって散財しても意味がありません。

もっとも簡単かつ確実な方法は、生きているうちに相続人に贈与しておくことです。

贈与税には、受贈者一人あたり110万円の基礎控除があるため、その金額内であれば贈与を行っても贈与税はかかりません。

また、教育資金や住宅取得の資金などについては、贈与税がかからない特例もあります。

このような制度を上手に利用すれば、相続財産を減らすことができます。

次に②相続財産の評価額を下げる方法を説明します。

相続財産の評価額はその財産の種類によって変わります。

現金や預金を相続する際はその残高が評価額となりますが、不動産や株式の評価額はそれぞれ計算方法が定められており、購入金額や取引価格とは異なります。

一般的に、不動産の相続税評価額は取引金額の8割程度になります。

例えば、1億円で購入した土地の相続税評価額は8000万円程度になるため、多額の現金を持っている人は、現金を土地に変えるだけでも相続財産の評価額を下げることができるのです。

また、購入した土地に賃貸アパートを建てると土地の評価額はさらに下がります

例えば、先ほどの土地にアパートを建てたとします。

その土地の借地権割合が70%、借家権割合が30%の場合、土地の相続税評価額は8000万円×(1-70%×30%)=6320万円となるのです。

さらに建設した建物の評価額も30%減額することができるため、土地と建物の評価額は現金として保有していた場合に比べて数千万円単位で減少します。

また、賃貸物件を保有していれば家賃収入を得られるメリットもあります。

相続対策を考えるうえで欠かせないのが③納税資金の確保についてです。

というのも②のように、現金や預金を不動産などに変えるのは相続財産の評価額を下げるのには有効ですが、現金や預金の残高を減らすこととなるため、いざ相続が発生した際に相続税が支払えないことにもなりかねないのです。

相続財産の評価額を下げるのは重要ですが、現金や預金を確保しておくのも忘れてはなりません。

また、生命保険契約を利用すれば、相続人1人あたり500万円までは相続税がかからないため、確実に納税資金を確保することができます。

相続税は、被相続人が亡くなってから10か月以内に相続税を一括で納付するのが原則です。

相続が発生してあわてることのないようにしましょう。

相続の際にトラブルになる一番の原因は、相続人全員が納得のいく遺産分割ができないためです。

遺産分割でもめる可能性を少しでも減らすためには、遺産を分割しやすくしておく必要があります。

現金や預金を不動産に変えるのであれば、大きな物件を1つ購入するのではなく複数の物件を購入すれば、遺産分割の際にもめる可能性を下げられます。

また、逆に不動産を売却して現金化しておくこともトラブルの回避には有効です。

相続税の負担を少なくしたいと誰もが考えますが、相続対策を計画的に行わないと、相続税が支払えなくなったり、遺産分割の際にもめる原因になったりします

また、相続対策として生前贈与を活用すれば相続財産を減らせますが、贈与税の税率は相続税の税率より高いため、トータルの税負担がかえって増えてしまうこともあります。

相続人と被相続人がコミュニケーションをとって、長期的な視点で相続対策を行うようにしましょう。

 

相続税について相談する税理士の選び方

ひとくちに「税理士」といっても、いろんな仕事をしている人がいます。

お医者さんにも外科医や内科医、眼科医や産婦人科医…といったようにいろんな専門分野がありますよね。

これと同じように、税理士にもそれぞれ専門で扱っている分野というものがあるのです。

特に、相続税に関する実務は専門性が極めて高く、1件の依頼ごとにかける必要がある時間と労力が大きいという特徴があります。

“相続税について本当にプロの税理士として必要な知識や経験を伴っているか?”

という目線で相続税申告を依頼する税理士を選ばなかったら、せっかく専門家に費用までかけて依頼した相続税申告も多くのデメリットを生じさせてしまう可能性があります。

具体的なデメリットとしては、相続税に不慣れな税理士に依頼すると本来納付すべき相続税額よりも多く納税しないといけなくなったり、税務調査で指摘を受けて無駄な税金を払うことになってしまったりする場合があります。

たしかに税理士報酬は高いかもしれません。

しかし、相続税やその他の支払う金額諸々を考慮すると、税理士報酬を支払って依頼した方が最終的な支出額を抑えることができる可能性が大いにあるのです。

相続税の申告を依頼する場合には相続税に強い税理士をしっかり探してみましょう。

参考虫眼鏡 参考:相続税の相談は税理士が関与している割合が高い

2016年の財務省の統計によれば、所得税の税理士関与割合が約20%であるのに対して、相続税は約9割の人が相続税の申告について税理士が関与しています。

参考指標 3-6:税理士関与割合(所得税・相続税・法人税)(単位:%)
年 度平成23年度24年度25年度26年度27年度
所 得 税19.219.519.920.0
相 続 税88.389.589.589.789.8
法 人 税87.587.787.988.188.4
(出所)課税部個人課税課、資産課税課、法人課税課調

税理士の関与割合が高いのは、財産評価や特例適用要件などが複雑で相続税計算の誤り、申告誤りによって生じる相続税の影響が大きいこと、また相続税は他の税金よりも税務調査割合が高いことなどが理由として挙げられます。

税務署に相談する前に、無料相談をお勧めします。

弊社では、税務調査への不安や申告方法の疑問をお持ちの方に対して無料相談を実施しております。

実際の相続税申告をご依頼いただくか否かの決定は、完全に自由となっており、約4割の方は無料相談で終わっております。

 

「相続税が発生するのか?」
「かかるとしたらいくらくらい出るのか?」
「安くする方法はあるのか?」
「税務調査が行われる可能性は高いのか?」
「税務署はどういう点を見てくるのか?」

こういった御相談に丁寧に対応させていただきます。

また、期限内に申告をすることで、はじめて適用が認められる「小規模宅地の特例」や「配偶者控除」を使うことで納税額がゼロになるケースも多々あります。

これらの制度を使うためには、期限内の適正申告が必須です。

早めの無料相談をぜひご利用ください。


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