相続税とは?相続専門税理士が語る「相続税のすべて」

あー全ッ然わからん! 不安不安不安不安!

どうしたんですか観音さん。ひとり言が爆音じゃないですか。

人物紹介

人物紹介:観音(かんのん)
税金を絶対に払いたくないと考えているフリーランスのライター。日本三大謎税である「相続税」「贈与税」「固定資産税」の謎を究明すべく、詳しい人に話を聞く。

人物紹介:近藤 洋司
ベンチャーサポート相続税理士法人のベテラン税理士。税を知り、税によって生かされている税の化身。「あまりにも税金に対して詳しすぎるため、国税庁から目をつけられている」という噂が流れているが、実際のところは不明。

あ、近藤先生。実は先日家族で集まったときに父親から相続の話を切り出されまして。

ほう。

僕には妹が2人いるのですが、父親から「財産は兄妹3人で仲良く分配するように遺言書を残してあるから俺が死んだあとはそれに従ってよろしく頼む」と言われたんですよ。

生前に遺言を残してくれるなんて、いいお父様じゃないですか。

ありがとうございます。で、兄妹で揉めずに仲良く分配するためには相続の仕組みを知らなきゃいけないなあと思って。ネットでいろいろ調べてみたものの、僕みたいに「右も左も分からない」「何がわからないのかわからない」というレベルの人間に優しく教えてくれるページがなかなか見つからないんですよね。

あーなるほど。

なのでわかりやすく説明してくれる専門家の人に聞きに行こうと思っているのですが、そんな都合よく説明スキルが高くて信頼できる優しい相続のスペシャリストが……いたー! 目の前にいたー!!!

なるほど。おだてて説明させる作戦ですね?(笑)

近藤先生! 助けてお願いプリーズ!

お任せあれ。観音さんだけでなく、相続に悩める日本中の人たちのために一肌脱ぎましょう!

  1. 1 相続税とは?
  2. 2 相続税法の2019年改正について
  3. 3 相続法(民法)の2019年改正について
  4. 4 相続税がかからない人・かかる人(相続税の基礎控除)
  5. 5 相続税の対象となる財産
  6. 6 相続税の対象となる人(法定相続人)
  7. 7 配偶者に相続税はかからない?(相続税の配偶者控除)
  8. 8 自宅不動産に相続税はかからない?(小規模宅地等の特例)
  9. 9 相続税申告の全体の流れ
  10. 10 相続税の計算方法
  11. 11 相続税はどの専門家に相談すればよい?

今回は相続税にまつわる以上のテーマについて、税の知識がない人でもわかりやすいように解説します。「相続税とは」「相続税 節税」などの検索ワードで検索してたどり着いた人の悩みを解決できる内容になっています。
 
この内容はすべて頭に叩き込んでおいてくださいね!
 
いざ身内で相続が起こったときに、すごく得する情報が満載です。

1 相続税とは?

では、あえてこの質問から始めさせていただき頂きましょう。
 
「相続税とは」なんですか?

相続税とは、亡くなった人が所有していた財産を相続する人が国に支払う税金のことで、一定の財産額を超えた時にかかるものです。
 
ここで言う「相続する人」には、本来の相続人ではないけれど、遺言書により財産を取得した人も含みます。

なるほど。

亡くなった人のことを、この後「被相続人(ひそうぞくにん)」と呼びますので覚えておいてください。

2 相続税法の2019年改正について

「相続税とは」の質問に対して、ほかに思い残すことはありませんか?

ではぜひ、次のこともお伝えさせてください。
税金は毎年少しずつ法律改正されていくのですが、相続税も2019年に大きな改正がありました。

ほう。重大な改正点だけ、めっちゃカンタンに教えてもらえますか?

影響の大きい改正点はこの2つです。
 
・親から子へ、教育資金や結婚・子育て資金を贈与した場合に贈与税が非課税とされる制度が以前からありましたが、受け取る側の年収が1,000万円を超えると非課税措置が受けられなくなりました
 
・個人事業を引き継いだ相続人にかかる相続税のうち、その事業に使用する財産については納税を先延ばしすることができるようになりました

なんか難しいっすね

はい、そして実はこれより重要な改正点もあるんです。理由は、このあとすぐにお伝えしましょう。

3 相続法(民法)の2019年改正について

実は、2019年は相続税法よりも、民法改正のインパクトが大きかったんですよ。

民法の改正!?

はい、民法って税法みたいに毎年コロコロ変わるものではなくて、ここまで大幅に変わるのは40年ぶりと言われています。

なんと。40年って動画で言うとビデオテープがDVDや配信サービスに変わったり、音楽だとウォークマンからiPodに変わったりしていますからね。その間、民法は大きく変わらなかったと。

そうなんです。それも相続に関する部分が大幅に変わったので、民法改正にあわせた相続税の改正が多かったんです。改めてここで紹介しますね。

はい! じゃあ、それもめっちゃ重要な改正点だけカンタンに教えてください。

では断腸の思いで2つに絞ってお伝えします。
 
・新しく配偶者居住権という権利が認められるようになったので、遺産分割において亡くなった人の妻(夫)の自宅や生活資金が、今までより保護されるようになりました
 
・特別寄与料(とくべつきよりょう)制度と言って、亡くなった人の相続人には当たらない親族(たとえば長男の嫁など)にも、介護の世話料を請求できる権利が認められるようになりました

ほー。なんとなく良さそうな改正ですね。

そうですね! 被相続人の配偶者の生活が困らないような配慮が、法定化される動きです。
特別寄与料制度の創設も、義父母への介護の手伝いがしやすくなる良い制度ですよね。

4 相続税がかからない人・かかる人(相続税の基礎控除)

相続税は、一定の財産額を超えた時にかかるということでしたが、いくらからかかるのでしょうか?

相続税の基礎控除額を超えれば、申告が必要になり、納税も発生することになります。
基礎控除額はこのような計算をして求めます。

この金額を超える財産をもらった人だけにかかる、ということですか?

いえ、違います!
 
被相続人の財産のトータル金額が基礎控除額を超えていれば、たとえもらった財産が100万円だけだったとしても相続税はかかります。
 
相続税がかかるか・かからないか、は財産総額と基礎控除額の比較になります。
 
財産総額のほうが多い場合は、相続税がかかります。
 
基礎控除のほうが多い場合は、相続税はかかりません。

5 相続税の対象となる財産

ではその財産総額に含まれる「財産」って具体的にどういうものを指すんでしょうか?
たとえば、美少女フィギュアとか錦鯉とかも財産になるんですか?

はい! 錦鯉とかは普通に財産に含まれますよ。美少女フィギュアは……それなりの価値があるものは財産に含めないといけないですね。
よくあるのは、現金、預貯金、土地、建物、貴金属などですね!

なるほど。「財産」の言葉どおりですね。

はい、ただ相続税法上の「財産」の計算に含めるものとして、被相続人にかけていた生命保険金とか、ローンなどのマイナスの財産もあります。

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相続税がかかる財産とかからない財産とは

6 相続税の対象となる人(法定相続人)

4で、亡くなった人の財産総額が基礎控除額を超えると相続税がかかる、というのは分かったんですが、そもそも財産を相続できる人って誰なんですか?

財産を相続する権利がある人を法定相続人と言って、誰が法定相続人となるかは、家族構成によって違ってきます。

たとえば?

被相続人の配偶者、つまり奥さんや旦那さんは、生きていれば必ず法定相続人になります。
 
その他の法定相続人には、まず子ども(または孫)がなります。
 
子どもがいなければ、被相続人の両親(または祖父母)がなります。
 
子どもも両親もいなければ、被相続人の兄弟姉妹(または甥姪)がなります。

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7 配偶者に相続税はかからない?

亡くなった人の配偶者って、財産を相続しても相続税がかからない、みたいな噂を聞いたことがあるんですが。

それは、配偶者の税額軽減のことですね。
たしかに、かなり優遇されていまして、財産額1億6,000万円までなら相続税は一切かかりません。相続税が0円でも、申告はしないといけませんが。

1億6,000万円を超えると、配偶者にも相続税がかかるのですか?

そうですね。
民法で定められた取り分(法定相続分)を超えて財産を相続する場合は、配偶者でも相続税がかかることがあります。

8 自宅不動産には相続税はかからない?(小規模宅地等の特例)

配偶者の税額軽減みたいに、相続税が下がるお得な情報は他にないんですか?

もちろん、あります!
小規模宅地等の特例と言って、土地の評価額が最大80%も下げられる制度です。

小規模宅地等の特例って、超カンタンに言うとどんな内容なんですか?

被相続人の自宅に同居していた家族が、その自宅不動産を相続しやすいように設けられた制度で、
 
その土地の財産評価額を80%下げて相続税を計算することができるものです。

なるほど。同居してる人にその不動産をあげましょうよ、ということですね。

はい、基本的にはそうですが、実はこの制度、めちゃくちゃお得な代わりに、条件も厳しく定められています。
 
また自宅の不動産だけでなく、事業用や賃貸用に使っている土地でも適用が受けられたり、別居の家族でも適用が受けられたり、と複雑なルールがたくさんありますので注意が必要です。

9 相続税申告の全体の流れ

ふむふむ、かなり相続税について知識が蓄積されてきたような気がします!
しかし、身内が亡くなった後、実際には何から手をつければいいんでしょうか?

相続の手続きや、相続税申告の全体の流れのことですね。
実際に身内が亡くなってしまったら、相続税だけではなく、今までに経験したことのない色んな手続きをテキパキ進めていかなくてはなりませんからね。
 
表で見てみましょう!

これは分かりやすいですね!

はい。あとここには書いていませんが、遺品の整理をしていくなかで、銀行預金口座の凍結やクレジットカード・スマホなどの解約手続きも順に進めていきましょう。
 
表の中では、期限のある手続きがやはり重要で「相続放棄・限定承認」「準確定申告」「相続税の申告」の3つが要注意です。

相続税の申告については、進める順番みたいなのはありますか?

はい! 相続税の申告は、これだけで何ヶ月もかかりますからね。進める順番も大事です。
 
遺言書の有無の確認戸籍を集めて相続人を特定預金の残高証明など財産関連の資料収集
 
スタートはこのように進めましょう。表で見るとこうなります。

これまた分かりやすい! けど、大変そうですね……。

10 相続税の計算方法

財産関連の資料まで全部集められたら、そこからどうやって相続税を計算するんですか?

相続税の申告書を順番に埋めていくのが一番間違いないですね。
 
ただ、それも慣れが必要ですので、ざっくりとした流れをお伝えしましょう。

すごく大変そうですね。

そうですね。特に、遺言書が遺されていなかった場合は、STEP4の「遺産分割協議書」を作成しなくてはいけないんです。
 
家族仲が良くない場合は、ここで作業が暗礁に乗り上げることもあります。

遺産分割協議が終わらないと、相続税の計算はできないんですね。

はい。ただSTEP1の全財産のピックアップができないと、遺産分割協議が進まないケースも多いので、このSTEPどおりに進めるのが良いと思います。

たとえば、1億円の財産を持っていた人が亡くなって、配偶者はおらず、子ども2人が相続する場合は、どんな計算式になるんでしょうか?

このような計算になります。

子ども2人で合計770万円の相続税を納めることになります。
 
770万円の負担は、財産をもらった割合に応じて支払いますので、たくさんもらったほうが、相続税もたくさん納めることになります。

財産1億円で770万円の相続税ですか。けっこう高いですね(汗)。

11 相続税はどの専門家に相談すればよい?

今日一日、いろんな事を聞かせてもらいましたが、全部自分でやるのは不可能ですね。
ちょっと勉強したくらいで完全に理解できるようなものじゃないことが分かりました(笑)。

それはありますね。今は無料相談を実施している専門家も多いので、専門家に依頼するつもりがなくても、一度は話を聞いておいたほうがいいでしょうね。
とくに、相続が始まる前、生きているうちから相談に行っておけば、その分得する金額も大きくなるはずです。

専門家っていっても、弁護士とか行政書士とかいろいろあるじゃないですか?
どの専門家に相談すればいいですか?

相続争いが起こりそうな場合・起こった場合は弁護士ですね。
相続で家族が揉めていない場合は、税理士に相談すればムダな税金を納めなくてすむでしょう。

弁護士か税理士ですね。

はい、弁護士か税理士が運営してる事務所を訪ねましょう!
ちなみに弊社はこちらです! 相続に特化した弁護士・税理士の両方が在籍しています。よろしくお願いします!
 
相続サポートセンター(東京・埼玉・横浜・名古屋・大阪)
https://support-sozoku.com/office/

 
身近な方を亡くしてしまって大変な時期だと思いますが、目の前のことをひとつずつ落ち着いてクリアーしていくと良いですよ!

 

相続税おもしろ丸分かりシリーズ
全6回