2020年までに大幅に変わる相続法 改正のポイントを徹底解説

民法の相続に関する改正案が国会で成立され、2019年1月よりは新しい相続のルールが適用されることになります。

今までとは異なる規定も新設される点で、業界でも現在多くの注目を集めています。

それに伴い、改正法の是非押さえておくべき重要なポイントについて、分かりやすく解説していきます。

また、今回の相続法改正の背景となる事情及び問題となる恐れの高い論点についてまとめてご紹介していきますので、是非最後までお読み頂けますと幸いです。

改正相続法の4つのポイントがコチラ!


今回の民法の相続分野における改正点について、重要な4つのポイントをまとめています。

大きくまとめますと、以下のように変更されました。

  • (1)配偶者が相続するのに困らない制度が新設された
  • (2)妻の介護行為に対する対価を請求することが出来るようになった
  • (3)自筆証書遺言が簡単に作成できるようになった

上記につき、解説を見ていきましょう。

これまでは、亡くなった方の相続財産が少ない場合に、残された配偶者が所有している自宅の処分に困窮してしまうという状態が当たり前となっていました。

配偶者居住権の新設

ところが、それでは配偶者が本来あるべき相続のあり方とは問題があるということで、「配偶者居住権」を新設し、残された自宅に配偶者が以後も住み続けることのできる権利がつくられました。

配偶者居住権を利用するためには、遺産分割協議により取得するか、又は遺贈により指定することが必要とされています。

配偶者短期居住権

「配偶者居住権」と似たような制度で、配偶者短期居住権という制度も新たに設けられることになります。

こちらは、相続の結果として配偶者が自宅の処分を迫られ、生活に困窮することを防ぐために、(1)相続開始より6ケ月経過する、又は(2)遺産分割によって自宅の所有者が確定することの遅い日まで自由に利用することが出来ることが保証されることになります。

こちらは既に存在していた判例を規定として明文化したとされる制度になります。

特別寄与料制度

従来では、奥様がご主人の両親に対する介護を行っても何ら見返りはなされず、更にご主人の奥様は法律上「法定相続人」には当たらないため、相続財産も一切手に入らないという状態に陥ることが少なくありませんでした。

そのため、多くの奥様より自分はこんなに献身的に支援したのだから少しくらい対価があってもおかしくないのではないかという声があがるようになりました。

そこで、新設されたのが「特別寄与料制度」であり、相続人以外の親族が配偶者の両親に対する療養看護に寄与した場合には、程度に応じて報酬を請求することが出来るようになりました。

自筆証書遺言の制度変更

遺言の方式として、公正証書遺言の他に自筆証書遺言も多く利用されていましたが、すべて自筆で記入しなければいけないという煩雑さが高齢者にとってデメリットとなっていました。

しかし、改正によりパソコンソフト等により作成することが可能となりましたので、負担が軽減されることになりました。

また、自筆証書遺言では遺言書の保管場所を考えなければならず、場合によっては紛失のリスクもありました。

制度改正では、法務局にて保管される仕組みに変更されますので安心して預けることが出来るようになります。

今回の改正の背景

今回の民法の相続分野の改正の背景としては、日本の高齢化に対応するためであると考えられています。

今後ますます高齢社会が見込まれる中で、より時代に見合った法制度に変更していくことは理由のあるものであるように思えます。

ところが、今回の改正点を踏まえて気を付けなければいけない点も確認しておかなければいけないでしょう。

以下に、分かりやすくまとめていますので参考にしてみて下さい。

改正に伴う争われやすそうなポイント

今回の相続分野における改正点において、特別寄与料制度を利用した対価の金額については制度が整っていない現在では争いとなる可能性が高いと言われています。

つまり、支援をしたのかしていないのかの線引きは当事者間以外では難しく、どうしても裁量による判断をせざるを得ないという懸念はあるようです。

また、保護される対象者が増えたことによりこれまでの「法定相続人」に位置付けられた方に対する一定程度の補償が正しく行われるかについても問題となるのではないかと心配されているところではあります。

まとめ

今回の大きな改正の結果として、高齢者時代に対応するため、保護されるべき対象者が拡大されるようになったという特徴を挙げることが出来るでしょう。

これに伴い、配偶者の権利が守られ、また配偶者の両親の介護にも前向きな気持ちで臨むことが期待されます。

相続税の基礎控除が下がった今日では、多くの人が注目すべき相続に関する改正点です。

ご自身の場合と照らし合わせて、今後の動向にも注目し更に内容を深めていって頂ければと思います。