下記の表は相続財産ごとの金額の推移をまとめたものです。日本では相続財産として残される財産は不動産が最も多く、相続財産の全体のおよそ4割を占めているのです(土地が37.99%、建物が5.34%で合計すると43.32%となります:平成27年のデータ)
平成27年の相続税の大改正により基礎控除が40%減少し、相続税の課税対象者は従来より1.5倍増えました。特に都市部では不動産を所有している世帯では相続税が課税される可能性が高いです。 そこで、不動産を相続する際の相続税の計算のポイントについて説明していきます。
【基礎控除額の計算】
平成26年以前 5000万円+(法定相続人の数×1000万円)
平成27年以降 3000万円+(法定相続人の数×600万円)
相続税の納税は現金で行う必要がありますから、不動産の形で財産を所有しているという方は「相続税を納税したくても現金が足りないので納付できない」という状態になってしまわないように特に注意が必要です。
どうしても納付するための現金が足りない…という場合にはせっかく相続した土地や建物を売却して納めなければならないというようなケースも少なくありませんから、早めに対策を講じておかなくてはなりません。
土地や建物の評価額
税額を計算する際は、遺産全てについての課税価格が基本になります。
不動産については定額がないため、一定のルールに基づいて、一つ一つの不動産について個別に課税価格を評価することになります。
このルールは、毎年、国税庁から相続税や贈与税を算出する際に基準となる「財産評価基準」として公表されています。
財産評価基準は、毎年1月1日から12月31日の間に、相続や遺贈、贈与によって取得した財産についての、相続税や贈与税の対象となる財産を評価する場合に適用される基準です。
土地の評価
土地の評価は、1筆ごとに、路線価方式または倍率方式で評価します。
市街地の場合は、道路に面する土地の基準価格をもとに評価する「路線価方式」、市街地以外の場合は、固定資産税評価額に決められた倍率をかけて評価する「倍率方式」によって評価します。
どちらの方式を使うかについては、一つ一つの土地の所在地によって決められています。
一般的に、土地の評価額は、実際の取引価格などに比べて低く設定され、路線価は公示地価の0.8倍、固定資産税評価額は公示地価の0.7倍に評価されるように、均衡化が図られています。
路線価方式
この方式は、道路ごとに国税庁が定めている価格を使って土地を評価する方法です。
対象となる土地が、どの方式に該当するかは、道路ごとの価格が定められているかどうかで区別できます。
一般的に、対象の土地が、市街地や住宅地にある場合はこの方式を用いることが多くなっています。
この方式では、道路に面する「標準的な」土地の1平方メートル当たりの価格が決められていて、千円単位で表記されています。
地域による格差もありますが、公示価格に対して0.8倍となるよう均衡化が図られています。
評価額は、「路線価(千円/平方メートル)x補正率x地積(土地の面積:平方メートル)」で求めます。
この方式は、土地が面している道路ごとに、評価の基準価格が定められていることが特徴です。
あくまでも正方形や長方形の整形地をイメージした、標準的な土地を想定した価格として定められているものです。
標準的な土地の場合は、基準価格に対する補正を行って評価額を決めます。
補正は、道路からの土地の奥行きが短い場合や長い場合には評価額を減額するために、地区ごとに率が定められています。
地区は、ビル街、高度商業地区、繁華街、普通商業・併用住宅地区、普通住宅地区、中小工場地区、大工場地区の7区分に分類されています。
普通住宅地区の場合、奥行補正率は、道路からの奥行きが10m以上24m未満であれば、1.0です。
奥行きが短い、または長いほど、補正率が小さくなるため、評価額が低くなります。
また、面している道路が2以上ある場合は、正面路線以外の道路について「側方路線影響加算率」や「二方路線影響加算率」によって、評価額が加算されます。
具体例で確認しましょう。
二路線に面している土地について、評価額を求めます。
引用元: 「二路線に面する宅地」(国税庁)
(流れ1)路線価を確認
対象の土地は、西側と北側が道路に面しています。
西側は、普通商業・併用住宅地区にあたり、「200C」と定められています。
「200」は土地の評価額が20万円であることを示し、「C」は、借地権である場合の評価額が所有している場合の評価額に対して何割に相当するかの割合を示しています。
(流れ2)メインの基準価格を決める
土地の評価に使用する価格が2種類あることになりますが、それぞれの価格に奥行によって定められている補正率を掛け算した数値が大きい方を「正面路線価」とします。
この率は、国税庁「土地及び土地の上に存する権利の評価についての調整率表」によって調べることができます。
西側道路は、普通商業・併用住宅地区にあり、奥行きが20mであることから、補正率は1.0であることが分かります。
1平方メートル当たり20万円の路線価に、補正率1.0を乗ずると、20万円となります。
北側道路も、普通商業・併用住宅地区にあり、奥行きが35mであることから、率は0.97と定められています。
1平方メートル当たり30万円に、0.97を乗ずると、29万1000円となります。
このため、北側が正面路線価となります。
(流れ3)別の道路があることで発生する価値を加算
加算される価値は、「西側の路線価20万円x奥行補正率1.0x側方影響加算率0.08」で求め、1万6000円となります。
側方影響加算率は、国税庁「土地及び土地の上に存する権利の評価についての調整率表」で調べることができます。
(流れ4)評価額を計算
正面路線価29万1000円に、西側道路の価値1万6000円を加えた価格に面積を乗じます。
評価額は、(291,000円+16,000円)x700平方メートルで、2億1,490万円となります。
借地権を相続した場合は、借地権割合を掛け算することによって求めます。
この例では「C」ですから、割合は70%で、1億5,043万円となります。
記号が意味する借地権割合は、路線価図の上部に記載されます。
基準価格を地図上に表記したものは「路線価図」と呼ばれ、国税庁「財産評価基準」で、都道府県別に公表されています。
路線価方式での標準的ではない土地の評価
この方式では、土地が面している道路ごとに、正方形や長方形の整形地をイメージした標準的な土地における基準価格が定められています。
では、標準的でない土地の場合、どのように評価すれば良いのでしょうか。
このような土地については、土地の形状などを考慮して補正や減額を行います。
補正率には、「間口狭小補正率」「奥行長大補正率」「不整形地補正率」「がけ地補正率」などがあり、国税庁から公表されています。
どの補正が適用されるか、率がいくつかなどは、該当する地区、奥行きや間口の長さ、変形の割合などが定められていますから、条件に該当する補正や率を確認することになります。
標準的ではない土地についての評価方法について、代表的なものを紹介します。
(1)不整形な土地の評価
路線価で評価する地域において、台形や三角形、いびつな四辺形など、形状が整形ではない土地の評価については、その土地が整形なものであるとして算出した額に、「不整形地補正率表」で定められている率を評価額に掛け算して減額します。
整形な土地と比べた場合のいびつさや、土地面積の大きさに応じて、補正率が決められています。
評価額=「整形な土地として奥行価格補正を行った価格x土地の面積x不整形地補正率」によって求めます。
この補正率は、繁華街や普通商業・併用住宅地区などの地区と土地の広さごとに、変形の割合で率が定められています。
変形の割合は、かげ地割合として表記されています。
国税庁ホームページに「不整形地補正率表」が掲載されています。
かげ地割合は、対象の土地を正方形や長方形で囲んだ場合、対象の土地に該当しない部分の面積割合です。
正方形や長方形などと比べ、どの程度いびつであるかを意味します。
普通商業・併用住宅地区にある650平方メートル未満の土地の場合では、かげ地割合が50%なら補正率は0.84となります。
普通住宅地区の場合は、同じ条件でも補正率は0.79となり、さらに評価額が下がることになります。
(2)間口が狭小な土地
路線価で評価する地域において、間口が狭小な土地は「間口狭小補正率表」で定められている補正率を乗じて評価額を減額します。
間口の広さが、普通商業・併用住宅地区の場合で6m未満、普通住宅地区の場合では8m未満の場合、補正率が1よりも小さくなり、評価額が下がることになります。
間口が狭小な土地の評価額=「奥行価格補正を行った価格x間口狭小補正率x土地の面積」によって求めます。
(3)奥行が長大な土地
路線価で評価する地域において、奥行が長大な土地は「奥行長大補正率表」で定められている補正率を乗じて評価額を減額します。
奥行きが長大な土地の評価額=「奥行価格補正を行った価格x奥行長大補正率x土地の面積」によって求めます。
間口と比べた奥行きの比率が大きいほど、つまり、細長い形状になるほど補正率が小さくなり、評価額が下がることになります。
普通商業・併用住宅地区の場合、奥行きの長さが間口の3倍以上になると、段階的に補正率が小さくなり、評価額が下がります。
普通住宅地区の場合は、奥行きの長さが間口の2倍以上になると、段階的に補正率が小さくなります。
(4)セットバックが必要な土地
建築基準法では、土地が面している道路の幅は4m以上が必要とされ、原則として道路の中心線から左右に2mずつ後退した線が道路との境界とみなされます。
幅員が4m以下の道路に面している場合は、既存の建物を建て替える際に、土地の一部を道路として提供しなければなりません。
セットバックしなければならない土地については、通常どおりに評価した評価額の70%を控除して評価します。
倍率方式
路線価の定めがない地域において、固定資産税評価額に「一定の倍率」をかけて評価額を求める方法が、倍率方式です。
字や小字単位などで、倍率が定められています。
「倍率方式による土地の評価額=固定資産税評価額x一定の倍率」で求めます。
固定資産税の評価額は、毎年4月頃に送付される「固定資産税納税通知書」に記載されます。
市町村役場の税務課で、「固定資産税評価証明書」を取得すれば確認することもできます。
一定の倍率は、評価倍率表として定められ、一般の土地等用のほか、大規模工場用地用やゴルフ場用地等用があります。
「一般の土地等用」では、現況が宅地、田畑、山林、原野などについて、倍率が定められています。
倍率方式は、すでに固定資産税の評価額に補正が行われているため、路線価方式のように土地の形状などによる補正は必要ありません。
固定資産税評価額に倍率を乗ずるだけで評価額を求めることができます。
評価倍率表は、路線価図や調整率表と同様、国税庁ホームページで公表されています。
建物の評価
建物の評価は、取得価格や取引価格などではなく、固定資産税評価額をそのまま適用します。
固定資産税評価額は、毎年4月頃に市町村から送付される納税通知書や固定資産税評価証明書に記載されます。
建物の固定資産税評価額は、同じ建物を建て直す場合にかかる再建築費を基に、経年劣化分を差引いて求められるものです。
再建築費は、屋根や外壁、建築設備などについて面積や材質に応じて点数化して計算されています。
小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす居住用や事業用の小規模宅地を相続する場合、その相続税評価額を最大で80%まで減額することができる制度になります。小規模宅地等の特例で対象とされる土地には、亡くなった被相続人が住んでいた土地である「特定居住用宅地」、亡くなった被相続人が事業用に利用していた土地である「特定事業用宅地」、さらに亡くなった被相続人が賃料収入を得るために貸していた土地である「貸付事業用宅地」があります。
減額される割合については、相続開始の直前での宅地等の利用区分によって適用可能な限度面積が決められ、その限度面積によって異なります。例えば、被相続人などの居住用の宅地については「特定居住用宅地等に該当する宅地等であること」という要件を満たしている場合、「限度面積330㎡」「減額される割合80%」と定められています。
また、小規模宅地等の特例については亡くなった被相続人が相続開始の直前まで住んでいた宅地などが対象とされ、以下のような適用要件があります。
- 配偶者が相続すること
- 相続は被相続人と同居していた相続人によっておこなわれること
- 「家なき子特例」の要件を満たしていること
このうち「家なき子特例」とは亡くなった人と同居していなかった親族でも一定の要件を全て満たせば小規模宅地等の特例が受けられる制度のことです。その要件とは以下に挙げるもの全てを満たしていなければなりません。家なき子特例ですが、2018年(平成30年度)の税制改正によって厳格化されました。例えば、相続開始前3年以内に親の持ち家に住んでいた孫は家なき子特例を受けられないようになっていますので注意しましょう。
- 要件その1: 亡くなった人に配偶者も同居の親族もいないこと
- 被相続人に配偶者や同居していた他の親族がいた場合はこの特例を受けることができません。
- 要件その2: 3年以内に相続人が自己所有の家に住んでいないこと
- 相続開始前3年以内に相続人が自己所有の家に住んでいた場合、この特例の適用はありません。
- 要件その3:3年以内に相続人が3親等以内の親族の家に住んでいないこと
- 相続開始前3年以内に3親等以内の親族が所有する家に相続人が住んでいた場合、この特例の適用はありません。
- 要件その4: 相続開始前3年以内に相続人と特別な関係がある法人が所有している家に住んでいないこと
- 「特別な関係の法人」とは親族が経営する法人などが該当し、そのような法人所有の家に相続人が住んでいた場合、本特例の適用はありません。
- 要件その5:相続開始時点で過去に住んでいる家を所有していないこと
- 相続開始時点で過去に一度でも住んでいる家を所有していた場合は本特例を受けることができません。
- 要件その6:相続した土地を10ヶ月以内に売却していないこと
- もし、被相続人が亡くなってから10ヵ月以内に被相続人の所有していた土地を売却すれば家なき子特例の適用はありません。
尚、現在郊外などに小規模宅地等の特例が受けられる宅地を保有しているような場合、都市部の宅地に買換えることも節税効果が期待できる場合があります。これは都市部の宅地のほうが相続税評価額が高いためです。例えば、現在所有している宅地の相続税評価額の2倍の評価額となっている都市部の宅地に、手持ちの現金を使って買い換えをおこなうことで、現金のままで保有しておくよりも高い節税効果が期待できます。
賃貸マンションやアパートの建築や購入
相続税の節税対策としてはかなりの効果が期待できるものとして、賃貸マンションやアパートの建築や購入があります。特に効果が大きいケースとしては多額の現預金を保有する人が相続税対策としてその現金を使って、賃貸マンションやアパートを建てたり、購入するような場合です。なぜこのような方法で高い節税効果が期待できるのかというと、賃貸不動産に対する相続税の評価は現預金に比べてかなり低いため、現預金として保有しておくよりもその現預金を不動産の購入に回したほうが有利になるからです。
例えば、現預金で2億円を保有していた場合、相続税の評価額は2億円のままです。しかし、その資金で事業用の賃貸不動産を購入すれば相続税の評価額は半分以下となり、大きな節税効果を享受できます。また、現在居住用の自宅を保有している場合でも賃貸にまわせば相続税の評価額が自己利用の場合に比べて70%掛けとなり、節税効果が期待できます。
ただし、この方法で注意したいのが賃料不動産は賃貸しなければ相続税の評価減とならない点です。日頃からできるだけ多くの入居者に居住してもらい、空き部屋を減らす努力が必要になってきます。また、空き部屋の多い賃貸不動産は保有しているだけでもメンテナンスコストがかかりますし、投資効率も悪くなります。空室が増えると賃料収入が減るだけでなく、相続税の評価減にもならないというリスクがあるということについては予め理解しておきましょう。
基礎控除以外の相続税額の控除・特例
相続税には基礎控除の他に様々な税額控除や特例があります。これらの制度が適用できる場合には積極的に利用することで大きな節税効果が期待できます。
配偶者控除(配偶者の税額軽減)
配偶者控除は配偶者の税額軽減制度とも呼ばれ、配偶者のみに適用される控除です。配偶者が相続や遺贈によって取得した相続財産の取得額のうち、配偶者の法定相続分あるいは1億6,000万円のいずれか大きいほうの金額まで、相続財産の取得額から控除することができます。控除額が1億6,000万円までと大変大きいので、たとえ法定相続分を超える相続財産を配偶者が取得しても、たいていのケースでは配偶者の相続税はゼロとなります。
未成年者の税額控除
未成年者の法定相続人が20歳になるまで利用できる税額控除で、未成年者の税額控除額は「10万円×満20歳になるまでの年数」によって算出されます。年齢が低ければそれだけ多くの控除が受けられる制度になっています。また、年齢について1年未満の期間があった場合でもあくまで相続時の満年齢で計算されるため、その期間は切り捨てられます。例えば、13歳11ヶ月であっても、11ヶ月という期間は切り捨てられて13歳として計算されます。この場合の未成年者の税額控除額は「10万円×(20-13)」で、70万円が控除可能な額になります。
尚、未成年者の税額控除額が未成年者の相続税額よりも大きいために控除しきれないというケースが考えられます。この場合、控除しきれない控除額はその未成年者の扶養親族の相続税額から控除することができます。ただし、同じ未成年者が過去に未成年者控除の適用を受けている場合、今回の未成年者控除が制限される可能性があります。
障害者の税額控除
障害者の法定相続人が85歳になるまで利用できる税額控除です。障害者の税額控除額は「10万円×満85歳になるまでの年数」によって算出されます。10万円という額ですが、重度の障害のある特別障害者の場合では「20万円」になります。いずれの場合も未成年者の税額控除と同様に年齢が低いとそれだけ多くの控除が受けられます。また、年数の計算で1年未満の期間がある場合にその期間が計算上切り捨てられる点は未成年者の税額控除額と同じです。
障害者の税額控除額も、障害者の相続税額よりも大きいために控除しきれない場合、控除しきれない控除額はその障害者の扶養義務者の相続税額から控除することができます。ただし、同じ障害者が過去に同控除の適用を受けている場合、今回の障害者の税額控除が制限されることがあります。障害者の扶養義務者に該当するのは、配偶者や直系血族、兄弟姉妹の他、3親等以内の親族となっています。
贈与税額控除
贈与税額控除は、相続開始前3年以内におこなわれた贈与には相続税が課せられますが、贈与を受けた際に既に贈与税を納めていたようなケースでは二重課税となってしまうため、納付済みの贈与税を相続税額から控除できるという仕組みです。ただし、納付済みの贈与税額が相続税額より大きかったとしても差額について還付を受けることはできません。
相次相続控除
相次相続控除とは、一次相続の被相続人が亡くなってから10年以内に一次相続の相続人が亡くなって二次相続がおこなわれた場合、その一次相続の相続人に課せられていた相続税額から一定の金額を二次相続の相続人が自らの相続税額から控除できるという制度のことです。例えば、一次相続の際に祖父から遺産相続した父親(一次相続の相続人)が相続や遺贈、相続時精算課税にかかわる相続税を納めていたとします。この場合、祖父の死亡から10年以内にその父親が亡くなってその子供(二次相続の相続人)が相続した場合、その子供は自分の相続税額から父親が納めた相続税の一部を控除できます。実際の相次相続控除の控除額ですが、一次相続で課税された相続税について、1年ごとに10%ずつ逓減した金額を二次相続の相続税額から控除できる仕組みになっています。
外国税額控除
日本国外で納めた相続税がある場合、日本で課税される相続税から収めた分について差し引くことができる控除です。
【適用要件】
1 相続又は遺贈により財産を取得したこと
2 ①により取得した財産が日本国外にあること
3 ①により取得した財産について、その財産の所在地国において、相続税に相当する税が課税されたこと
まとめ
税額を計算する際は、土地や建物などを税務上のルールに基づいて評価します。
建物や倍率方式で評価する土地については、評価方法が単純で計算に手間取ることもありませんが、路線価方式によって評価額を算定する土地については、接する道路や土地の形状などに応じて、路線価の複雑な補正が必要になります。
また、ここでは触れていませんが、各種の控除を適用することによって、納税額を減らすことができます。
居住用に使用していた場合は、大幅に評価を減額することができる「小規模宅地等の特例」などもあります。