相続財産の調べ方から財産目録作成までを徹底解説!

 

  1. 1.銀行預金はどうやって調べる?
    1. 1-1.銀行の預金口座の見つけ方
    2. 1-2.ネット銀行の口座の調べ方
    3. 1-3.銀行での手続き方法
  2. 2.家や土地の価格はどこで調べるの?
    1. 2-1.故人所有の建物や土地の調べ方
    2. 2-2.家や土地の評価方法
    3. 2-3.まとめ
    4. 2-4.株や投資信託などの金融商品の調べ方
    5. 2-5.株や投資信託などがある場合の手順
    6. 2-6.財産のリストアップができたら財産目録を作成しよう
  3. 3.株や投資信託があったらどうするの?
    1. 3-1.株や投資信託などの金融商品の調べ方
    2. 2-2.株や投資信託などがある場合の手順
    3. 2-3.財産のリストアップができたら財産目録を作成しよう

 

銀行預金はどうやって調べる?


 

  1. 銀行の預金口座の見つけ方
  2. ネット銀行の口座の調べ方
  3. 銀行での手続き方法

 

銀行の預金口座の見つけ方

  • 1.遺品整理をして通帳キャッシュカードを見つける
  • 2.銀行名の入ったタオルや文房具などの粗品を手掛かりにする
  • 3.金融機関からの郵便物を見つける
  • 4.自宅や会社の近くにある各銀行に直接問い合わせる
  • 5.生前に確定申告をしている場合は、税理士のところに口座の書類が残っている場合もある

 

銀行口座を探すヒントは自宅の中にたくさん!

たとえ同居している親でも、どこの銀行で口座をつくっているか意外と知らないもの。

まずは上記のポイントを参考に遺品整理を行って、通帳やキャッシュカードを見つけましょう。

まったく手掛かりがない場合は、被相続人の自宅や職場の近くにある銀行に直接問い合わせてみるのも手です。

銀行口座の入出金停止=凍結は、役所に死亡届を出したからといって自動的には行われません。

実際は、「死亡したことを金融機関が知ったとき」に行われるので、遺族が各銀行に知らせて、凍結してもらい、預金残高証明書を発行してもらいましょう。

一方、通帳がないネット銀行の場合、手掛かりを探すのも大変です。

下記を参考に、パソコンや携帯電話のメールや履歴などをチェック。

そして取引のあるネット銀行が見つかったら、カスタマーサービスに連絡して手続き方法を確認しましょう。

 

ネット銀行の口座の調べ方

  • 1.メールをチェックネット銀行は郵便物でなく、メールで宣伝や取引の案内を送ってくるので、パソコンやスマートフォンのメールを確認してみよう
  • 2.パソコンをチェックネット銀行はインターネット上で取引を行うため、口座のあるネット銀行のサイトが「ブックマーク」や「お気に入り」に登録されている場合も
  • 3.ネット銀行から配布されるトークンなどがないか確認。ネット銀行によっては、取引実行時に必要となるパスワードを生成機として「トークン」や「パスワードカード」を採用しているところも

    ネット銀行から配布されるトークン

    ※ネット銀行から配布されるトークン
  • 4.見つかっている銀行の記載をみるネット銀行に入金するために、既存の口座から振り込みを行っている場合があるので、ネット銀行への振り込みがないか確認する

銀行での手続き方法

銀行での手続き方法

 

専門家からのアドバイス

行政書士:本間剛

被相続人の休眠口座に注意!

長い間、引き出しや預け入れなどの取引がされていない銀行預金口座のことを休眠口座といいます。最後の取引から、銀行では10年、ゆうちょ銀行では5年以上経ったもののうち、預金者本人と連絡のつかないものを指し、最終的に預金は銀行のものになってしまいます。一方、凍結とは、銀行が被相続人の死亡を知った時点で故人名義の口座が引き出しができないように凍結されることをいいます。通常は遺族が口座の入出金停止の手続きをし、その後、預金口座の名義変更または解約の手続きを行っていきますが、残高が少ない口座について、そのまま放置して休眠口座となることも少なくありません。休眠口座を作らないようによく探しましょう。

 

まとめ

最寄りの銀行に直接聞く方法もアリ

口座の凍結は自分で依頼する

 

家や土地の価格はどこで調べるの?

  1. 故人所有の建物や土地の調べ方
  2. 家や土地の評価方法
  3. まとめ

 

故人所有の建物や土地の調べ方

  • 1.固定資産税納税通知書を探す役所の資産税課などから、毎年郵送されてくる固定資産税納税通知書には、その役所管内で故人が所有している不動産のほとんどが記載されている
  • 2.不動産の権利証登記資料を見つける重要書類なので、金庫などに大切に保管されている場合がほとんど
  • 3.名寄帳を取得する名寄帳とは、所有者ごとの不動産を一覧表にまとめたもの。故人が所有する不動産があると考えられる市区町村役所の資産税課に、相続人が必要書類を提出すれば取得できる

 

まずは所有の建物や土地を探すのが肝心

被相続人が所有していた家や土地を調べるために、一括して調査できる機関は残念ながらありません。

各市区町村の役場では固定資産税を徴収するため、所有者ごとに不動産をまとめた一覧表=名寄帳があります。

しかし、担当エリアのみなので、個人が所有していたと考えられるエリア分の役場ごとに申請しないと取得できません。

そのためにも上記を参考に、自宅に不動産の権利証や登記資料などがないか探すことが重要です。

不動産の建物価値は、被相続人が死亡した年の固定資産税評価額がそのまま評価額となります。

土地については、国税庁によって定められている路線価がある地域では路線価方式、路線価がない地域では倍率方式で計算し、評価します。

ただし、土地の形状や賃貸中の不動産などの場合、実際の計算は複雑になるため、専門家に相談するのがおすすめです。

 

家や土地の評価方法

財産の種類 評価の仕方
家屋 固定資産税評価額(3年に1度改定)×1.0=評価額
土地 市街地など→路線価方式:路線価×土地面積=評価額 郊外地など→倍率方式:固定資産税評価額×倍率=評価額

 

まとめ

名寄帳で所有の不動産を確認する

土地の評価は路線価地域の評価が基本

 

株や投資信託があったらどうするの?

  1. 株や投資信託などの金融商品の調べ方
  2. 株や投資信託などがある場合の手順
  3. 財産のリストアップができたら財産目録を作成しよう

 

株や投資信託などの金融商品の調べ方

  • 1.口座を開設したときの控え書類を探す株の取引などをしている場合、証券会社や金融機関を通して行っているので、それらの口座を開設したときの控えの書類を大切に保管してあるはず
  • 2.四半期報告書を確認する四半期ごとに書類が交付される「四半期報告書」を確認しましょう。交付時期や内容は証券会社によって異なります
  • 3.通帳を確認する通帳記入して記載を見ると、配当金が振り込まれている場合があるので、それを手掛かりに探しましょう
  • 4.パソコンを確認するインターネットで株の取引を行っていた場合、パソコンのブラウザの「ブックマーク」や「お気に入り」に証券会社が登録されている場合も
  • 5.メールを確認するメールで証券会社から案内などが届いている場合もあるので、パソコンや携帯電話のメールを確認しましょう

 

証券会社や信託銀行などの口座の有無がポイント

電子化したことで、目に見えない権利となった株式などの金融商品。

故人が所有していた金融商品があるかどうかを調べるには、上記のようなポイントがあります。

金融商品をやり取りするには、証券会社や信託銀行などが窓口になっているので、その痕跡を探しましょう。

金融商品が見つかった場合は、証券会社や信託銀行などに残高証明書を発行してもらいます。

この残高をもとに、相続人全員で話し合い=遺産分割協議を必ず行い、合意した内容を「遺産分割協議書」に残しておきましょう。

これは相続税の申告に必要な重要な書類です。

金融商品を相続した場合、窓口になっている証券会社や信託銀行などに口座を開設して名義変更が必要です。

評価額が日々変動するため、相続人で均等に分ける場合は、「代表相続人口座」を作ってから売却しましょう。

 

株や投資信託などがある場合の手順

相続人が証券会社や金融機関に残高証明書(または評価証明書)を請求する

上場株式(証券取引所に上場されている株式のこと)の場合

被相続人が死亡した日を基準にして、右記の4つの数値を算出

  • ①死亡日の最終価格
  • ②死亡月の最終価格の平均額
  • ③死亡前月の最終価格の平均額
  • ④死亡前々月の最終価格の平均額

①~④の中で最も低い価格評価額になる

投資信託などの場合

相続開始日(被相続人の死亡日)に解約請求または買い取り請求を行ったとした場合に、支払いを受けることができる価格が表価額になる

遺言書あり

株や投資信託を引き継ぐ人が決定しているか、また遺言執行者の選任があるかを確認

相続人の間で遺産分割の協議をし、遺産分割協議書を作成(株を引き継ぐ人を決定)する

証券会社などに株の引継ぎ(名義変更)にともなう書類を提出する

相続した人は、窓口の証券会社や信託銀行の口座を開設して、名義変更する

遺言書なし

相続人の間で遺産分割の協議をし、遺産分割協議書を作成(株を引き継ぐ人)を決定する

株や投資信託を引き継ぐ人が決定しているか、また遺言執行者の選任があるかを確認

現金化して、相続人で分けることにする

代表者相続人口座をつくって名義変更してから、売却して現金化する

 

専門家からのアドバイス

行政書士:本間剛

変動する株や投資信託をどう分割するか

遺産の中でも、株や投資信託などについては、評価額が日々変動しているので、遺産分割のときの評価が難しい面があります。相続発生日の評価額をもとにして遺産分割協議を進めるのが一般的ですが、相続後に株価が上がったりするケースも少なくありません。そのため、相続日の評価額をもとにしてしまうと、その株式を相続した人が優位になってしまう場合もあるのです。それだけに、その後の評価額も検討し、状況に応じて遺産分割の基準となる評価を決めていく形が通常です。また、納税後に株式が発見されると、相続財産計上漏れとなります。その分の遺産分割協議や修正申告を行い、追加納税と、手間も労力もかかるので、漏れがないようしっかり調査しましょう。

 

財産のリストアップができたら財産目録を作成しよう

 

財産目録をつくる理由

遺産分割協議の前提資料とするために
相続財産の内容が一目でわかる財産目録が遺産分割の話し合いの際にあれば、相続人間の協議もスムーズに進められ、円滑にまとまりやすい

相続税申告の要否、あるいは相続税の納付額を明確にするため
相続税の申告が必要となった場合、必ず相続財産の一覧表を作成する必要があるので、きちんとしたものをつくっておけば転記するだけで済む

 

無用なトラブルを避けられる財産目録

財産目録とは、被相続人の相続財産がどれくらいあるのかを一覧にしたもの。

遺言書がない場合、遺産の分割をするためには、相続人全員で話し合う遺産分割協議が必要です。

その際に財産目録があれば、遺産が一目でわかり、隠し財産の有無など無用なトラブルを避けられます。

また、相続税の申告が必要となった場合、必ず相続財産の一覧をつくる項目があるため、あらかじめきちんとした財産目録を作っておくことで手間が省けます。

作成する際には、不動産や預貯金、その他の資産などのプラスの財産と負債などのマイナスの財産をしっかり調査し、評価額を算出。

取得した固定資産評価証明書や残高証明書などを添付し、くれぐれも記載漏れがないようにしておきましょう。

この財産目録には決まった書式はありません。下記の見本を参考に準備しましょう。

 

財産目録 見本
財産目録サンプル

財産目録サンプル

———–画像タップで拡大———–

※財産目録サンプル

 

専門家からのアドバイス

司法書士:田中千尋

財産目録の漏れには要注意!

最終的に遺産分割を確定させるためには、この財産目録もすべての遺産が漏れなく記載され、各相続財産の評価額もきちんと確定しておく必要があります。万が一、財産目録に記載している財産に漏れがあり、評価金額も途中で変更になってしまうと、決まるはずの遺産分割協議も決まりませんし、相続税の申告後に漏れが発覚すると、追加納税のほか、延滞税というペナルティも発生してしまうので注意が必要です。漏れがちな項目としては、家庭用財産、車、ゴルフ会員権等、未収となっている給与・地代・家賃・公租公課、被相続人のお金を原資とした子や孫の預金通帳、その他還付金等(高額療養費、介護保険、後期高齢者など)、海外財産などがあります。