2016年から2017年の相続税の3つの改正ポイント

2016年から2017年の相続税の3つの改正ポイント

まずは最近あった相続税の大改正についてみていきたいと思います。

「相続税が改正されて、税金の負担が大きくなるとはよく聞くけれど、自分にはどういう影響があるんだろう?節税のための対策をするとしたらどういうことから始めればいいの?」という視点でも確認しておきたいのが相続税の改正事項についてです。

特に納税者に影響の大きい点としては次の3つが挙げられます。

  1. ①相続税の基礎控除額が40%減少
  2. ②最高税率が50%から55%にアップ
  3. ③不動産所有者の相続税対策の必要性が増加

以下ではこれら3つについて順番に説明させていただきます。

◎①相続税の基礎控除が40%減少…相続税の課税対象者数が1.5倍に
相続税の計算は、「相続財産-基礎控除額」で計算した金額に相続税の税率をかけて計算します。

平成27年以降はこの基礎控除額の計算方法が以下のように変わりました。

平成27年以降の基礎控除額の計算方法

相続税基礎控除額の計算方法の改訂

※相続税基礎控除額の計算方法の改訂

例えば、法定相続人として妻と子供2人の合計3人がいたという場合の相続では、改正前は遺産の合計額が8000万円までであれば相続税はかかりませんでした。

これが改正後には4800万円の遺産から相続税がかかるように変更になっています。

改訂施行後の基礎控除額

※改訂施行後の基礎控除額

法定相続人の人数によって影響の大きさは違いますが、上の場合であれば基礎控除の金額が40%も減少したことになり、相続税の課税対象となる人は大幅に増えるものと思われます。

◎②最高税率が55%にアップ…富裕層の税負担が増加

相続税の税率は、法定相続分に応じて取得した遺産の金額によって異なります。(遺産の金額が大きくなるほど税率は高くなります)

これまでは最高税率が50%だったところ、平成27年以降は55%に増税されることとなったため、富裕層に属する人たちの負担が大きくなっています。

具体的な税率を見ると以下のようになります。

相続税の税率の改正前と改正後

※相続税の税率の改正前と改正後

なお、上の表にある「控除額」というのは、相続した遺産に税率をかけて計算した金額からさらに差し引きされる金額のことをいいます。

例えば、取得金額が4000万円だった場合には、4000万円×税率20%-200万円=600万円というように負担する相続税の金額を計算することになります。

◎③不動産所有者は課税対象になる可能性大
上でも解説させていただいたように、相続税の基礎控除額が大幅に小さくなったことによって、今後は相続税の課税対象となる人は大幅に増えるものと思われます。

特に、財産に占める不動産の割合が多いという方は注意が必要です。

というのも、日本では相続財産として残される財産は不動産が最も多く、相続財産の全体のおよそ4割を占めているのです(土地が37.99%、建物が5.34%で合計すると43.32%となります:平成27年のデータ)

相続財産の金額の推移

※相続財産の金額の推移

相続税の納税は現金で行う必要がありますから、不動産の形で財産を所有しているという方は「相続税を納税したくても現金が足りないので納付できない」という状態になってしまわないように特に注意が必要です。

どうしても納付するための現金が足りない…という場合にはせっかく相続した土地や建物を売却して納めなければならないというようなケースも少なくありませんから、早めに対策を講じておかなくてはなりません。

相続税対策については、税理士に相談することでさまざまな節税方法を提案してもらうことができますから、必要に応じてアドバイスを受けるようにしましょう。