相続法制度改正!相続税の節税対策に厳しくなるので要注意

来る2019年には、相続法制度が改正されることになります。

税金面においては、相続法制度はどのように変わるのでしょうか。

今回は注目される節税対策についてどのように考えれば良いのかについて分かりやすく解説していきます。

ここでは、小規模宅地等の特例が従来と比べてどのように制限されるか、どのように小規模宅地等の特例が利用されているのかについてご紹介していきます。

また、節税はしやすくなるのか、あるいはしにくくなるのかについても解説していきますので、税金の改正点について気になるという方は是非最後までお読みいただければと思います。

節税対策の手法の利用の制限について

相続手続きにおいて最も多くの人が関心を抱いているのが、納める税金額がいくらになるかということと、それをどうすれば安く抑えることが出来るのかということです。

そのために、多くの人がいかにして相続税を減らすことが出来るのかについて節税策を行使しています。

その中でも有名なものとして、「小規模宅地等の特例」制度があります。

これについて、国としては最近認めにくいとする方針を採るようになってきました。

少し詳しく見ていきますと、この制度は亡くなった方と同居していた者が土地を相続することになった場合の、その土地の相続税の評価額を低く抑えることが出来るというようになっています。

この「同居していた者」というのは、亡くなった方の配偶者だけではなく、亡くなった方の親族でも問題ありませんでした。

ところが、これらの者以外でも小規模宅地等の特例を受けることが出来るとしたのが「家なき子」の節税策です。

これを使用するためには、亡くなった方の配偶者でも親族でもなく、また同居しているのではなく別で物件を賃貸して居住しているという場合が考えられます。

しかしながら、この家なき子を利用した小規模宅地等の利用が今回の税制改正に伴い、制限されてしまうことになったのです。

節税目的として相続開始の3年前までに小規模宅地等の特例の使用を見越して、不動産の貸付の事業用の土地とされたものには特例の適用がされなくなってしまいました。

更に、一般社団法人を設立して課税対象から除外される試みも考えられますが、これについても節税対策として認めないようになっています。

資産を運用するための法人を設立して結果として資産を移転する行為は、遺贈と同様に捉えて相続税をかけるという対応を取るようにしています。

これまで節税対策の手法はどのように利用されていたのか

驚くべきことに、一般社団法人を設立して相続税の節税を狙う対応策については、いまだ裁判によって争いが見られていないにもかかわらず、ルールとして制定されるようになってしまいました。

更に、家なき子の適用にもより厳格な基準を満たす必要が出てきました。

すなわち、以下の条件に当てはまる人は、家なき子の制度を利用することが出来なくなりました。

  • (1)今まで亡くなった方の自宅を所有したことがある人
  • (2)相続開始3年以内に亡くなった方の親族の方の自宅で暮らしたことがある人
  • (3)相続開始3年以内に亡くなった方に関係する法人名義の住宅に暮らしたことのある人

どうしてこれほどまでに厳格な解釈が進められているかというと、過剰なまでの節税志向が普及しているために国としても何らかの対策を早期にでも打ち出したかったということが考えられるでしょう。

国の機関である会計検査院も相続税に関するデータを分析して公開しています。

その中で、小規模宅地等の特例の利用の実態について調べるために、相続開始前3年以内に高額にて土地を売却したデータを調査してみると、不動産貸付用の土地が過半数の割合を超えており、更に相続開始直後に売却がされていることが分かっています。

これでは、あまりにも相続税逃れが酷いということで、この問題点を発見した税務署側も強気に対応するように変わっていったという訳です。

相続税を支払うか否かは、相続人にとって非常に重大な問題となるために、税務当局との見解をめぐり、資産家にとってはしばしば対立すべき大きなテーマとなっています。

時価評価により節税がしにくくなった

税務当局の方針としては、なるべく節税対策を回避し、資産家から多くの税金を集めようと考えています。

そこで、あまりにも大幅で現実離れした節税手法が用いられた場合には、通常の時価相当の評価基準に引き上げて計算するという手法が用いられたことがありました。

相続法制度が注目されればされるほど、いかにして相続税を納めずに済むかということが考えられるようになるため、節税対策も検討されやすくなります。

そのため、税務当局としても、今までの税務調査の基準を引き下げてでも徴収すべき税金額を取りこぼさないようにと必死になっています。

これからは小手先だけの節税対策はなかなか効果が出にくいようになってしまうでしょう。

むしろ今まで以上に本格的に取り組む姿勢をもって望むことで税務署に文句の言われようのない節税が出来るといっても良いと思われます。

そのように考えるとこれからは税理士等の専門家の存在がこれまで以上に重要となってくるでしょう。

相続について考えるのであれば、いつくらいからどのようにして相続対策を始めていけばよいのか真剣に相談して早期の行動をしていくことこそ、問題のない節税対策をすることにつながるのではないでしょうか。

まとめ

これまでよく利用されてきた節税対策として、一般社団法人を設立した資産移しの手法と小規模宅地等の特例制度がありますが、近年税務当局はこれらの節税手法の要件を厳しくするようになってきました。

この背景としては、主に資産家による相続税逃れがあまりにも大きいために徴収すべき税金が取れなくなってしまっていたという事情がありました。

相続法制度改正後は、益々節税対策をすることが難しくなっていくでしょう。

相続対策を真剣に考え、そして問題の内容にするためにも税理士等の専門家に相談をし、早期に適切な計画を考えていくことが重要であると考えられます。