遺産相続は弁護士に依頼する?税理士に依頼する?それぞれのメリットデメリットを考えよう

遺産相続は弁護士に依頼が本当にベスト?

遺産相続が発生した場合に、弁護士に依頼した方が良いのかについては、非常に判断に迷うところです。

自分ですべてを行う場合に比べて、また、他の専門家に依頼する場合に比べてどのようなメリットやデメリットが存在するのかをしっかりと検討して判断しましょう。


弁護士に依頼するメリット

交渉の煩わしさから解放される

突然に家族の不幸が訪れ、遺産相続の話し合いをしなければなくなった場合の精神的負荷はかなりのものです。
ただでさえ親族が亡くなって悲しみに暮れる中、普段の仕事等も並行して行わなければならないわけです。

これに加えて、遺産相続に関する話し合いの煩わしさは大変大きなものです。

この煩わしい作業を、専門家に安心して依頼できることは非常に大きなメリットであります。

また、今まで親しくしてきた身内と突然お金の話をしなければならない状況に陥ります。
例えば、兄弟同士で父親の財産を分ける場合など、お互いの利益は相反することになります。

今後の関係性なども考えて、言いにくいようなことも多くあると思います。
このようなことに思いを巡らせること自体が大変に煩わしいことです。

弁護士に遺産相続を依頼した場合には、代理人として言いにくいことも言ってくれますので、非常に大きなメリットとなります。

手続きの煩わしさから解放される。

相続が発生して、自ら手続きを行おうとすると、その量の多さに驚きます。

戸籍謄本を一つとるだけでも、平日の仕事を休んで市役所へいく時間などないと考えてしまう人は少なくありません。

亡くなった人の代わりにお財産に関する証明書類も取得しなければなりません。
すでに本人はなくなっているわけですから、どこにどんな財産があるのかを把握するのも一苦労です。

例えば、銀行残高を確認するためには、それぞれの金融機関の窓口に赴き残高証明書を取得する必要があります。

また、生前の口座の動きに調整すべき項目があるかどうかを確認するために取引履歴を照会しなければなりません。
これらをすべての金融機関の種類ごとに行う必要があります。

最も財産の状況の確認作業が容易な銀行口座の預貯金でさえ、このように面倒な手続きが生じます。

不動産であれば謄本や権利書の確認等も必要になります。

また、金額において現在の相場を調べる必要があります。

非常に専門的な作業になりますので、普通の人が取り組もうとすると煩雑極まりない作業になります。

知らないと損をする可能性を減らす

相続の局面においては、期限や取り扱いが非常に複雑なルールが多くあります。

財産の分割の方法や申告の期限の問題、相続税の支払方法等、数をあげればきりがありません。

しかも、金額が比較的大きなものになることが多く、うっかりミスをしてしまった場合の被害も大きくなりがちです。
弁護士は法律の専門家ですから、専門知識を駆使して、依頼者の利益が最大になるように提案・調整をしてくれます。

また、遺留分の考え方一つをとってみても、関係者の人数が多い場合や亡くなっている場合、離婚再婚などがあった場合は非常に複雑になります。

自分がもらう権利がある財産についても、ルールを知らないがゆえに主張する機会を逸してしまい、損をしてしまうというようなことにもなりかねません。

だれでも身内とあえてもめるようなことしたくはないはずです。

しかしながら、正当な権利があるのならば主張すべきと考えている人も多いのではないでしょうか。

相続はそのケースに応じて、まったく内容が違うものになります。

相続の事例を解説本などで調べてみても、まったくもって同じ状況ではないとうことがほとんどだと思います。
それぞれの家族にはいろいろな歴史があり、人間関係も異なります。

亡くなった方が築きあげてきた財産の内容もそれぞれ異なります。

すべての財産が銀行の預金であれば、相続に人で分けるのは簡単かもしれません。
しかし、現実には自宅などの不動産も財産として存在するケースも多くあります。

誰が相続して、だれが済み続けるのによって相続税法上の評価が異なることが多くあります。

不動産を相続した場合においては、お金は一銭ももらっていないのにもかかわらず、莫大な金額の相続税が発生することもあります。

この様なときの納税方法などの相談にも乗ってくれるはずです。

遺産相続の専門家である弁護士に依頼することによって、自分の状況にあった最適なプランを提案してくれるはずです。
相続の得意な弁護士に依頼すれば、知らずに損したというようなことはありません。

一生のうちに、多くても数回ていどしか直面しないのが相続です。是非、専門家に依頼するとよいでしょう。

そもそもトラブルが発生しないようにまとめてくれる

お金が絡むと誰でも欲が出て、感情的になってしまうことがあるものです。

時には、感情に任せて常識を外れた主張をしてしまうこともあるかもしれません。

そのようなことで、一度関係性に溝が入ると修復が難しいこともあります。

今まで仲の良かった兄弟同士にもかかわらず、相続をきっかけに絶縁状態になるなどといった話も残念ながら良く聞きます。

法律に熟知した弁護士を通して話し合いをすることによって、話し合いも自然と法律にのっとった建設的な内容になっていくものです。
この結果、スムーズに話し合いが進行し、トラブルが発生することなく無事に完了することもあります。

また、結果として正しいことを主張していたとしても、それが感情的になっている局面で話したことであれば、相手に受け入れてもらえないこともあります。

また、主張された相手側にとっても、それは本当に法的に正しいことなのかの判断がつかず、話し合いがうまくまとまらないこともあります。

こんな時、傍らに法律の専門家である弁護士がいた場合、すぐにその場で法律的な解釈を補ってくれます。

法律に詳しくない一般の人が発言した内容よりも、弁護士という裏付けのある人が発言することによってその信憑性は非常に高くなります。

特に、相続に関する話し合いを行う時は、緊張感が高まりますから、法律的に正しいという裏付けをもって話し合いを進めることができるというのは非常に大きなメリットになります。

相続にトラブルが生じた時に裁判の代理のため弁護士を依頼するという方法の他に、話し合いに一緒に参加してもらい、冷静な立場での交渉のまとめ役としても機能します。

話し合いがもつれる前から弁護士に依頼することにより、よりスムーズに話がまとまる可能性があります。

トラブルの予防のために弁護士に依頼することは、非常に大きなメリットです。

弁護士に依頼するデメリット

金銭的負担が必要

弁護士に遺産相続を依頼するときに、一番のデメリットとして思い浮かぶのが依頼費用ではないでしょうか。

一般の人が普通に生活するうえで、弁護士にお仕事を依頼する機会などはまずありません。

いざ、遺産相続について弁護士に依頼しようとすると高額の報酬を請求されるかもと、二の足を踏んでしまう人も多いのではないでしょうか。

大まかに分けると活動費と報酬に分けることができます。

活動経費

弁護士が依頼された遺産相続の案件について手続きを行う際の移動費が代表的なものです。

管轄の裁判所などに赴いて行う必要のある手続きも多く存在します。

また、資料作成の過程で、どうしても必要になる戸籍や謄本を取得する際にも、印紙代などの費用が掛かります。

また、土地の評価額の計算など、他の専門家に手続きを一部依頼する必要がある場合もあります。その場合には、不動産鑑定士への報酬費用などが発生します。

報酬

基本的に、弁護士費用の中心となるのが依頼報酬です。

多くの場合、導入時の相談料金、正式に手続きを依頼した際の着手金、完全に業務が完了した段階で支払う最終報酬に分かれます。

それぞれの弁護士事務所により異なりますが、まずは初回の相談料を無料としているところも最近は多いようです。
実際に案件に着手する際に支払う着手金についての計算方法は様々です。

全体の見積もり報酬額の2割と計算するところもあれば、一律に10万円等とするところも少なくないようです。

最終報酬については、成功報酬とする場合も多いようです。依頼した手続きが、完全に遂行された際に請求することが多いようです。

弁護士のスタンスによる違い

法律の世界と私たちの日常生活の感覚が異なることは多くあります。

たとえば、人間関係において、相手の性格や関係性に斟酌して、法律論に従って厳密に得られた結論とは違う内容で合意することはよくあることです。

ビジネスの世界において、取引先との関係上、この様な場面は多くあります。

それが親族の間となると、今までの関係性もあり、また、これから先も長く付き合うことを考えて、法律論とは違った合意がなされることがさらに多くあります。
相続の局面でも、まさに、金額の重要性や、相手の立場に配慮して、また、トラブルに発展するのを嫌って、この様な取引がされることが非常に多くあります。

外部の目から見れば、多少不自然に感じる部分があっても、当人同士では非常に整合性の高い結論であることもあるのです。

人間らしい話し合いがされることは決して悪いことではありません。

一方、弁護士は法律に関する豊富な知識を武器に、依頼者の利益を守る職業です。

また、弁護士によっては、法律的に正しいことが、正義であるとの信念を持ったひともいます。

遺産分割を円滑に進めるために弁護士に依頼したのにもかかわらず、当人同士が問題としていないような些細な点について、検討を始め、反対に話し合いがもつれる原因を作るということもあります。

もちろん、この様な弁護士ばかりではありませんが、個人の性格によるところも少なからずあることは確かです。

また、遺産分割について話し合いがこじれて裁判等になり、期間が長引くとそれ相応の追加報酬が発生します。

この意味においては、依頼者と利益が一致しない場合もあるでしょう。


司法書士や税理士、行政書士との違いとは?

弁護士以外で私たちが遺産相続について相談しようとした時に思い浮かぶ専門家として、司法書士、税理士、行政書士があります。

それぞれ専門分野が異なり下記のような特徴があります。

司法書士

司法書士も法律の専門家です。

不動産登記や遺言書の作成、遺産分割協議書の作成等が専門業務です。

これらは、弁護士も行える業務になります。

ただし、遺産分割協議や、調停等において代理人となることはできない点がポイントです。法律問題に対して代理人として対応できるのは弁護士だけです。

税理士

相続税の申告、準確定申告、相続財産の評価、節税スキームの提案等を行うことができます。

相続を考えたときに、実際の納税額が少しでも少なくなるような手法の提案を受けることができる点においては、非常に頼もしい専門家ということができます。

ただし、相続が実際に発生してしまった場合には、取るべき対策も限られます。

節税対策の手法は、基本的に数年単位の事前計画に基づくものが多いです。

行政書士

遺言書の作成や、遺産分割協議書の作成を依頼することができます。

ただし、これらについては弁護士や司法書士にも依頼することのできる業務になります。

しかも、遺産分割の過程において問題が発生した際には、弁護士や司法書士に依頼することになります。

従って、よほど単純な案件で費用を安価に抑えたい場合以外は、相談しにくいというのが実情です。

遺産相続をスムーズに完了させることが重要ならば税理士や司法書士に

遺産相続を相談する専門家には税理士や司法書士も当てはまりますが、彼らにとって、相続を長引かせても良いことはりません。

確定した内容に基づいて相続税の申告を代理で行うことや、遺産分割協議の結論に基づいて各種登記等を行うことが業務になります。
そのため、遺産相続をスムーズに完了させることが重要になります。

この意味においては、弁護士と比較した場合に、スムーズに遺産相続を完了させたい相続人とより利益が一致するのかもしれません。

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