相続税の税務調査で知っておきたい時期・流れ・対応方法を徹底解説!

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相続税の税務調査で知っておきたい時期・流れ・対応方法を徹底解説!

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相続税がかかりそうな人にとって、「税務調査」は怖い・嫌なものというイメージがあることでしょう。実は、対策をきちんとすれば過度に心配する必要はありません。今回は「税務調査」について詳しく見ていきます。
相続税の申告と納付は相続が発生してから10ヶ月以内に税務署に対して行わなくてはなりません。
さらに、その後になって納付した相続税の金額が正しかったかどうかをチェックするために、税務調査が行われることがあります。
税務調査は税務署の調査官が、相続財産として申告した財産の状況を実際に確認しにくる手続きのことです。もし税務調査の結果として先に納めた税金の金額が少なくなったような場合には、ペナルティとして追徴課税や延滞税といった形で追加の税金納付が求められてしまう可能性があるので注意が必要です。ここでは税調査が行われやすい相続財産や行われやすい時期、さらに調査が来た時の対応の仕方等について具体的に解説させていただきます。

1.税務調査は何件くらい行われているか知っておく


「税務調査」は、申告した相続税の内容に間違いがないか、主に故人の自宅などに税務署の職員が出向き、実際に話をしたり通帳を見たりして調査をすることです。きちんと納税している人に対して公平を保つのが目的で、KSKシステムと呼ばれる「国税総合管理システム」を活用して対象者を選ぶとされています。
国税庁のホームページには「無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています」とあります。「税務署は財産に関する情報を持っているので、相続税逃れしようとしても追いかけますよ」と公言しているのと一緒だと言えるでしょう。
相続税の申告件数について、平成27年1月1日以降に発生した相続については「基礎控除額が40%下がった」ことが影響したと思われる数字が発表されています。「基礎控除額」は、相続税がかかるかどうかの基準になる金額です。平成26年12月31日までは「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でしたが、平成27年1月1日からは「3,000万円+600万人×法定相続人の数」になっています。

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例えば法定相続人が3人だった場合、平成26年までは、遺産総額が5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円以下だったら相続税はかかりませんでした。平成27年からは、遺産総額が3,000万円+600万円×3人=4,800万円を超えると相続税がかかることになり、納税者が大幅に増えるのでは?と予測されていました。
相続税の課税対象になる相続件数は、5万件台だったのが10万件を超えました。一方、相続1件あたりの課税される遺産総額は2億円台だったのが1億円台に下がり、相続税額も2,500万円程度だったのが1,800万円程度に下がりました。相続税の税収は4,200億円程度増えて、予測とおりの結果になったことが読み取れます。
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相続税の税務調査が入るのは、相続税を払う必要のある件数の20%から30%、4件に1件程度だとされています。この数字で単純に計算すると、全国で年間5万件×25%=1万2,500件の税務調査数が一気に10万件×25%=2万5,000件に増えるということになります。税務署の職員数を一気に倍に増やすことも困難でしょうし、基礎控除額が下がったことを考慮して対策を講じた人も多いでしょうから、実際の調査数が倍増することはないかもしれません。しかし、税務調査が入ると80%から90%の確率で、追徴税が発生しているというデータもあります。ですから、遺産総額が2億円弱以上になりそうだという人は注意が必要です。
税務調査に入られる対象になるのは、下記のケースが多いようです。

  • 遺産総額が億単位の大きなケース
  • 遺産分割でもめてしまい複数の相続人が申告書を提出しているケース
  • ある程度の資産があるのに申告しないケース・家族名義の預金が多いケース
  • 故人の口座から大きな金額が引き出されているケース・海外に資産があるケース
  • 不慣れな一般の人が自分で申告して間違ってしまったケース
  • 相続に不慣れな税理士などが申告したケース

などが多いようです。このようなケースに該当しそうで不安だという人は、早めに相続に詳しい税理士などの専門家に相談したほうが良いでしょう。税務調査に入られる確率が低くなることを期待できます。

2.相続税の調査が行われる理由を知っておく

相続税は一定以上の金額の財産が相続されるケースに限って発生するものですから、必然的に税金として納める金額も大きくなります。
税務署の職員は「自分の担当管内で税金の徴収をどれだけできたか?」が自分の業務成績にひびくこともありますから、大きな金額の動く相続税に関しては入念に調査を行う傾向があります。
また、相続税の納税は企業が行う法人税などとは違って、いわば「素人が申告納付を行っている」というケースが少なくありません。
必然的に調査によって修正を指摘できる可能性も高くなりますから、税務署側にとっても「狙い目」の案件となりやすいのです。

「税務調査が来る=問題がある」というわけではない

ただし、税務調査の連絡が来たからといって、ただちに税務署から「怪しい」とみなされていることを意味するわけではありません。
実際に行われる調査でも調査官が高圧的な態度をとるようなことは普通はなく、「この部分のお金の流れはどのようになっていますか」「この財産を実際に見させていただくことは可能ですか」といったように、物腰柔らかに質問をしてくるのが一般的です。
仕事の都合等によりどうしても指定された日時に対応できない時には、常識的な範囲であれば日程調整にも応じてもらえます。

3.相続財産の種類によってチェックされるポイントを知っておく


相続財産として相続税の課税対象となる財産には様々な種類がありますが、それぞれの財産ごとに税務調査によってチェックされるポイントを知っておきましょう。

1 銀行預金

国税庁が公表している相続税の課税対象になる財産は「現金・預金」が30%程度、「土地」40%程度、「株などの有価証券」が15%程度です。特に「現金・預金」はいろいろな角度から調査をされます。
銀行預金については、税務調査の時点での銀行預金残高から、何かを購入するために出金したお金や別の口座に移したお金などの動きからさかのぼって、相続開始時の残高を推測するという作業が行われます。
調査官はなんのためにお金を使ったのか等について質問をしますので、わかる範囲で回答するようにしましょう。
具体例を見ていきます。
夫が亡くなり妻と子どもが相続人になった場合を例にして、説明しましょう。妻が専業主婦であったのに数千万円単位の預金通帳を持っている場合、夫から渡された生活費の余りをコツコツ貯めていた結果だったとしても、夫の遺産だと判断されて追徴税がかかることがあります。子どもの収入から判断して明らかに大きい金額の預金通帳があった場合なども同様です。子どものために夫が定期的に貯金していた場合でも「名義預金」だと判断されてしまうことがあります。「名義預金」は税金逃れをするために作られる預金を意味していますが、夫にも子供にも税金逃れするつもりはなかったとしても、隠し財産として「重加算税」がかかってしまう可能性があります。
税務調査に来る前の準備で、税務署の職員は故人の預金通帳のみならず親族の預金通帳の内容も、故人が亡くなる5年くらい前にさかのぼって調べてきます。1回につき50万円以上の出金があると、その用途について一つ一つ質問してきます。通帳が見られてしまうなら自宅の金庫へしまっておきたいと考える人もいるかもしれませんが、出金の記録が残っているので、何に使ったのか質問されます。それならば、いっそ海外へ送金すればわからないのでは、という人もいるでしょう。100万円以上の海外への送金があった場合は、「国外送金の調書」が金融機関から税務署へ提出されることになっています。海外に資産があったのが見つかって追徴税が課されるケースは意外に多いので、注意してください。

2 生命保険

「生命保険金」も注意が必要です。特に、被保険者が亡くなった夫で、契約者が妻や子どもになっているケースなどです。妻や子どもが契約者になっていても、実質的に保険料を負担していたのは亡くなった夫なので、受け取った保険金は相続財産であると判断されてしまうことがあります。これでは、せっかく受け取った保険金に追徴税が課されてしまいます。よく考えないで保険契約してしまった失敗例と言えるでしょう。保険証券や受け取った保険金の内容等から、相続が発生した時点で契約されていた生命保険の内容がチェックされます。

3 貴金属や骨董品などを相続した場合

貴金属や骨董品については、売買実例価格や精通者意見価格を元に相続財産としての価値が評価されます。
相続税申告時にこれらの資料を用いて相続税の計算を行なっている場合には、計算根拠となる資料として提出するようにしましょう。

4 不動産

不動産は一般的に金額が大きく、相続財産としての評価を行う際の計算方法も複雑になりがちです。
各種の特例措置(小規模宅地等の特例等)を利用できるケースが多いのも不動産の特徴ですが、これらの計算の行い方を巡って税務調査で修正を指摘されることも少なくありません。
税務調査に備えて土地の権利証や不動産を購入した時の契約書等はいつでも取り出せるように準備をしておくようにしましょう。
厳しい調査事例ばかり挙げましたが、早めの相続対策ができれば「現金や預金については相続税を取られるしかないのか」と諦める必要はありません。贈与税の仕組みを使って、子どもや孫に時間をかけて財産を移していく方法もあります。お金を不動産などの別の形の資産に変えておく、という方法も考えられます。資産のバランスや家族構成によっては、複数の方法を採ることもできます。このような相続対策について詳しく知りたい、さっそく取組んでみたいという人は、なるべく早い段階で相続に詳しい税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

4.どういう場合に税務署に目をつけられやすいのかを知っておく


税務調査は、基本的に「怪しいから行われる」というものではなく、相続税の申告後しばらくするとチェックのために行われる性質のものです。
しかし、税務署職員側としてもすべての申告について税務調査を行うだけの時間的な余裕はありませんから、できる限り「修正申告を指摘しやすいもの」をピックアップして税務調査を行うことになります。
一般的に、以下のような状況がある場合には、修正申告を指摘しやすい相続税申告とみなされる可能性が高くなると言えます。

収入が多くあったのに、相続財産が少ない場合

亡くなった方にたくさんの収入があったにもかかわらず、相続時に相続財産として申告されている金額が少ないような場合には、「もっと財産があるはずでは?」と思われる可能性があります。
財産隠しは典型的な税務調査による修正事項ですから、ここを狙って税務調査が行われることが考えられます。

家族に財産が多くある

相続税対策として、財産を持っている人が亡くなる前に家族に対して財産を贈与する(生前贈与)ということはよく行われます。
そのため、亡くなった人の奥さんや子供に多くの預貯金などがあるというような場合には、生前贈与について贈与税の申告と納付が正しく行われていたか?という点から税務調査が行われることが考えられます。
もちろん、生前贈与が行われたたびに贈与税の申告が正しく行われていたのであれば税務調査を恐れる必要はありませんので、贈与税の申告時に用意した資料等があれば準備をしておきましょう。

葬儀後に多額のお金が引き出されている

亡くなった方の葬儀にかかる費用については、相続財産から支払うことが認められていますから、その分を差し引きした金額で相続財産の金額を計算しても問題はありません。
しかし、葬儀が完了して相続税の申告納付が行われるまでの間に、多額の現預金が引き出されているような場合には、税務調査によって修正が指摘されてしまう可能性があります。
具体的には、葬儀後〜相続税の申告納付までに行われた出金で、何に使ったのかを明確に説明できないものについては、相続財産に加算して相続税の申告をやり直すという形で修正を求められてしまうことが考えられます。

5.相続税の調査が来やすい時期を知っておく


相続税の税務調査は、被相続人が亡くなり三回忌が済んだ頃に行われるといわれています。具体的には、申告書を提出して1年から1年半後に行われることが多いです。事前に綿密な調査が必要なケースなどでは、2年後、3年後に突然税務署から電話がかかってくるということもあります。無申告の疑いありと判断されたケースでは、故人が亡くなってから2年以内に連絡があると考えて良いでしょう。
8月から11月の秋頃には遺産総額が大きく手間がかかりそうなケース、5月から6月は問題が少ないケースを選んで調査が行われている印象があります。税務署の1年間の流れと関係していると考えられます。1月から3月は確定申告の季節で、申告書作成指導などをしなければならず、税務署の職員も忙しくなります。また、税務署の就業年度は7月始まりの6月終わりで、人事異動は7月にあります。年度末の6月に向けて、税務調査数のノルマ達成するために、問題が少ないと判断したケースを選んで調査していると考えられます。そして、人事異動が終わって落ちついた8月頃から、追徴税が多くなりそうな手間のかかるケースを綿密に下調べしたうえで調査しているようです。
相続税の申告を行うのは相続発生から10ヶ月以内ですから、申告納付から税務調査までかなり長い期間が空くことになります。
その他の理由としては亡くなった方の遺族の精神的苦痛への配慮と見ることもできますが、基本的には申告された相続税申告書に基づいて相続財産の状況についてある程度の情報を把握するために余裕をもったスケジュールにしていると考えることもできます。
税務署は銀行預金残高などを合法的にチェックすることができますから、怪しい現預金の動き方や、亡くなった人の生前の収入金額から考えて、相続財産があまりにも少ないというような場合には税務調査を積極的に行ってくることが考えられます。

6.税務調査は事前連絡があることを知っておく


相続税の税務調査には「マルサ」のような潜入捜査、警察の「ガサ入れ」と呼ばれるような突然の家宅捜査もありません。税務署から必ず事前連絡があるので、怖がる必要はありません。調査に行く日の都合を聞かれますが、都合が悪ければ変更してもかまいません。怒鳴られるようなこともなく、紳士的な対応をする職員が増えている印象があります。
相続税がかかりそうでも申告していない人には、税務調査前の段階で連絡が入ります。申告期限2カ月から3カ月前に「相続についてのお尋ね」や「相続税申告書」が送られてくることがあります。中には期限1カ月前ということもあり、何も準備していない場合には間に合わないことあります。間に合わない場合は、相続税の本税に延滞税などが加算されてしまうこともあります。そんなことになっては大変ですから、相続税がかかりそうだという人は、早めに申告書を手に入れましょう。
相続税がかかりそうかわからないという人は、税理士などの専門家に相談したほうが安心できます。相続税の申告などを依頼する場合は有料でも、相続税がかかるかどうかの簡単な判断までは無料で対応してくれるところもあります。もし相続税がかかるようなことになっても、相続に詳しい税理士であれば「税務調査の対象になりにくい申告書」の作成も依頼できるでしょう。税務調査の対象になっても、税理士がかかわっていれば、その税理士への調査で終わることもあります。もし調査があっても代わりに対応してもらえるとわかっていれば、相続に対する不安が大きく軽減されるのではないでしょうか。

7.相続税調査の流れを知っておく


実際に相続税についての税務調査が行われる際の手続きの流れについても理解しておきましょう。
税務署が相続税についての税務調査を行う場合、おおよそ以下のような流れで調査が行われることが多いです。

電話による日程調整

過去に申告した相続税の申告書の内容に基づいて、相続税を申告した代表の相続人に対して税務署職員から電話連絡が入ります。税理士がかかわっていた場合は、その税理士に連絡が入ります。調査に指定された日の都合が悪ければ、2週間から1カ月先くらいの範囲で変更してもかまいません。初回の電話で即答できなければ、後日の回答でも大丈夫です。指定された日に対応できなくても、特別に調査が厳しくなるということはありません。
また、連絡が来てからいきなり自宅に押しかけてくる…というようなことは普通はなく、調査予定日の1週間前ぐらいに連絡が来ることが多いです。税務調査が行われるのは、基本的には亡くなった人の生前に生活していた場所(相続した自宅など)であることが多いです。

税務調査当日(現物確認調査)

調査の日程が決まったら、当日には税務署の調査官が相続財産の現物を確認しに来ます(2人組であることが多いです)。
当日は、午前10時頃に2人の職員が調査に来ます。1人が質問役、もう1人はメモをとる役です。この職員は「国税調査官」と呼ばれ、事前に綿密な下調べをしてきます。金融機関から情報をもらい、故人と相続した親族のお金の動きを、故人の亡くなる前5年間分くらいを徹底的に調べてきます。「小規模宅地の特例」などを使った場合は、登記簿上の宅地の面積を確認し、申告書に間違いがないか目を光らせます。一般の人が普段目にしない書類でも、調査官はプロなので、小さな間違いやごまかしでも見抜いてしまうことでしょう。
その下調べをもとに、1度のチャンスでとにかく申告漏れがないか確認するのが彼らの当日の職務です。午前中は、医師の問診のようにたくさんの質問をされます。「(相続人に対して)どのようなお仕事されてますか」「奥様はお仕事されてますか」=所有している財産は身分相応か、実は名義預金ではないのか確認、「故人の亡くなった原因は」=亡くなったのは病気か事故か、入院費用、亡くなる前に引出された預金の使い道の確認、「遺言書はありましたか」=隠している財産がないか確認、など雑談のように思えるような質問でも調査官は冷静に見ています。故人の経歴や趣味、生活費についても質問されることがありますが、ここが一つのポイントです。故人の収入に対して生活費が少ないと判断されたら、残りのお金はどうしたのか質問されます。故人の手帳や日記なども見せてもらいたいと言われることもあります。お金に関する記録が残されていないか確認するためです。隠し事をせず、ない物はない、知らないことは知らないと答えるだけで大丈夫です。
12時になると調査官は休憩に入り、午後1時から再開します。午後は、帳簿や通帳を見ながらの確認になります。遺産分割協議書の内容とおりに、財産が分割されたかも確認していきます。そして、午後4時になると調査は終了です。1日で完了することがほとんどですが、2日に渡る場合もあります。2日目の調査は、1日目の午後と同じような内容です。
相続財産の内容についていろいろと質問されますので、回答できるようにしましょう。

調査資料の精査期間

相続財産の現物確認が完了すると、必要な資料を調査官が税務署に持って帰って精査を行います。
およそ2週間〜1ヶ月程度の期間、返事待ちとなることが多いです。

調査結果の報告と修正申告

調査官による調査が完了すると、調査結果の報告が行われます(税理士がいる場合には、同時または先に税理士に調査結果の報告があることがあります)。調査終了後2週間から3週間で、調査結果のまとめが相続人の代表者に伝えられます。税理士がかかわっていた場合は、その税理士にも伝えられます。追徴税があるのか、追徴税がある場合はその理由と金額といった内容です。問題がなかった場合は電話のこともありますが、故人の自宅または税務署で伝えられます。
もしすでに行った相続税申告の内容に問題があった場合には、その事項の説明が行われるほか、修正申告を行うように求められる可能性があります。
税金の納付漏れがあった場合のペナルティについては、次の項目でくわしく説明させていただきます。

8.相続税の脱税があった場合のペナルティを知っておく


本来納めなくてはならない相続税を納めていなかったような場合には、納税時の態様に応じてペナルティが課せられる可能性があります。
どのようなペナルティが課せられるかは、納税漏れとなっていた金額の大きさや申告書の内容(意図的に財産を隠したような場合は重いペナルティが生じる可能性があります)にもよって異なります。
脱税とみなされてしまった場合には、延滞税(日数計算で負担します)や、罰則としての意味合いが強い加算税(財産の隠匿など、特に悪い意図がある場合には重加算税など)が課せられてしまうことがあります。

9.税務調査に備えてやっておくべきことを知る


相続税の申告を行い、納税額が出る場合には、高い確率で税務調査が行われることを理解しておく必要があります。
相続税の納税が出るということは基本的に「富裕層」と考えられますから、税務署もそうした相続税申告については入念にチェックをしていると考えられるからです(相続財産の金額が少ない場合には相続税の非課税枠の範囲内となり、相続税もゼロ円となります)。
将来的に行われる税務調査に備えて、次のような事柄を事前にできる限り準備をしておくようにしましょう。
また、顧問を依頼している税理士がいる方は、税務調査の依頼があった場合には速やかに連絡を取り合うようにしてください。

財産の把握

相続が発生する前から、被相続人と相続人が協力して遺産として残る見込みの財産の状況を把握しておくことが大切です。
特に、財産を残す側の人は自分の死後には遺族に相続税の申告と納付を行う義務が生じることを理解した上で、財産の状況については誤解の生じないようにしておくことが大切です(遺言書を残すのが相続トラブルを避けるのに役立ちます)。
遺言書の作成には厳格な手続きが必要になりますから、必要に応じて弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。

生前贈与は記録に残す

相続税の税務調査では、相続財産の調査が行われると同時に、生前贈与について贈与税が正しく申告納付されていたかもチェックされます。
もし贈与税の申告もれを指摘され、資料等を用いて反証できない場合には、その分だけ相続税の課税額が増加してしまう可能性があります。
相続税対策として生前贈与を利用する場合には、その都度どのような財産を贈与したかの資料を残しておくことが大切です。

相続についての相続人間の取り決めは記録に残す

相続が発生した後には、それぞれの相続人が、相続した財産の金額に応じて相続税を負担することになります。
誰がどのような財産を相続するかについては遺言書がある場合にはそれに従って、ない場合には相続人間の遺産分割協議によって定めることになります。
遺産分割協議の内容は相続税の負担額に直接的に影響しますから、相続人間で取り決めた内容についてはできる限り詳細に記録を残すようにしましょう。
もしあいまいな記録しかない状態で税務調査に来られてしまうと、相続税の新たな負担が生じて相続人同士のトラブルにも発展しかねませんから注意が必要です。

税理士に相談する

相続税の税務調査をめぐっては、金額的に大きな額の修正が生じてしまう可能性があります。
すでに行った相続税申告の内容に不安がある方は、相続税についての経験豊富な税理士に税務調査の立会いを依頼するのが良いでしょう。
税理士は税務署による質問事項に適切に(私たち納税者に最大限不利にならないよう)回答を送ってくれるほか、面倒な書類提出の手続きを代行してくれます。
税務調査は通常平日の昼間に行われますから、日中は仕事で忙しいという方も税理士を積極的に活用すると良いでしょう。

10.税務調査が入らない?書面添付制度を知っておく


どんな内容かわかっても、税務調査は避けたいという人がほとんどでしょう。心配な人は、税理士法33条の2の書面添付制度の利用を税理士に依頼してみてはいかがでしょうか。この制度は「この相続案件については、税理士が責任をもって書面で説明します。税務調査の代わりに、税理士が税務署で調査を受けます」というものです。自宅での調査は100%なくなるとは言い切れませんが、相続人の不安感はグっと小さくなりそうです。この書面は書き方にコツが要るので、相続対策に強い税理士に依頼することをおすすめします。相続対策に強い税理士であれば、そもそも税務調査の対象になりにくい精度の高い相続税申告書を作成してもらえることでしょう。

11.まとめ

今回は、相続税の調査内容や、調査が実際に来たときの対応方法について具体的に解説させていただきました。
相続をめぐっては大きな金額のお金が動くケースが多いことから、税務署側もシビアにお金の流れ等をチェックしている可能性が高いです。
税務調査の連絡が来たからといって必ず問題が指摘されてしまうというわけではありませんが、より適切に調査への対応を行うためには経験豊富な税理士にアドバイスを受けるのが適切です。
その際、相続税の申告や節税方法に関する経験が豊富な税理士を選ぶようにしましょう(税理士にはそれぞれ得意分野があるものです)。

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