評価・申告書作成のツボ

相続税専門税理士の仕事内容公開! 税理士はこのように申告書を作っています

相続税専門の税理士が、普段の仕事の中で意識しているポイントを、 お客様からよく頂くご質問への回答の形でご紹介させていただきます。

土地の評価はどのようにしたらいいのですか?

土地の評価の基本的な考え方は、「評価額=路線価×地積」。

路線価は国税庁のホームページに記載があり、「国税庁 路線価」で検索をすると見つかります。路線価は道路に付されており、お持ちの土地が接する道路を探して路線価を探します。この路線価に土地の面積(地積)を掛けると、相続税の土地の評価額が算出できます。 ただし、市街地の土地ではない場合は、路線価が付されていないことがあります。

この場合は、「固定資産税評価額×倍率」で評価額を求めます。固定資産税評価額は、市町村から毎年送られてくる「固定資産税課税明細書」に記載があります。倍率は、国税庁のHPに記載があります。

相続専門税理士はこう見る!土地の評価の落とし穴!

ご自身で申告をされる方に間違いが多いのが、土地の評価額を下げる補正をすることなく、「路線価×地積」で土地の評価をしてしまっているケースです。土地は形や、道路に何方向接しているか、土地個別の事情などで使いやすさが変わります。そのため、土地の状況に応じて「補正」と言われる評価額の増減を行う必要があるのです。
主な補正だけでも、22種類の調整があります。

ここでは、その中でもよく間違いのある「不整形地」についてご説明します。
「不整形地」とは、土地の形が四角形ではなくいびつな形をした土地のことで、不整形の程度の度合いに応じて補正率をかけて評価額を減らすことができます。 たとえば下記のような土地が不整形地に該当します。

不整形地

不整形地に該当する土地はかなり多く、実務上もよく行う補正です。 正方形や長方形の土地というものは意外と少なく、多くの土地で不整形地の補正を行える可能性があるのです。 こういった不整形地の評価は下記のように行います。

不整形地1

(1)右記のように整形地がいくつか接合している不整形地は、整形地に区分して、それぞれの整形地の評価額を合計して算定します。

不整形地2

(2)不整形地の全てを囲む「想定整形地」を設定し、
「かげ地割合」を求めて、不整形地補正率表から評価額を求めます。

不整形地3

(3)不整形地と近似する整形地を想定し、その想定した整形地(近似整形地)を基に評価額を求めます。

(具体例は国税庁HPを参照)

このように不整形地の評価については、土地の形状によっていろいろなパターンを考えてみる必要があります。
また、こういった不整形地の補正を実施したうえでも、まだ評価額が高いと考えられる土地については、不動産鑑定士を使った鑑定評価を行って評価額を出すことになります。 たとえば、現実的に土地の上に建物を建てられないような土地については、不動産鑑定士の鑑定評価で評価額が下がるケースがあります。 そのほか、補正がありえるケースを一覧にしておきます。

《検討すべき、主な土地の補正や特例評価の例》

1. 間口の狭い土地ではないか 間口狭小補正の適用を検討
2. 奥行きが長い土地ではないか 奥行長大補正の適用を検討
3. 道路に面していない土地ではないか 無道路地としての補正を検討
4. 路線価のない道に面した土地ではないか 特定路線価の設定を検討
5. 土地の中に不特定多数の人が通る私道はないか 私道の評価を検討
6. 土地の一部に傾斜がある土地はないか がけ地補正を検討
7. 道幅4メートル未満の道路に接した土地か? セットバックの評価額を検討
8. 都市計画道路予定地の区域内にある土地か? 容積率・地積割合で補正を検討
9. 自宅の土地ではないか? 小規模宅地の特例を検討
10. 家業の事業用の土地ではないか? 小規模宅地の特例を検討
11. 付近の住宅と比較して道路より高い又は低い土地か? 利用価値が著しく低下している土地の評価を検討
12. 地盤の凸凹が激しい土地ではないか? 利用価値が著しく低下している土地の評価を検討
13. 線路の近くなど震動が甚だしい土地ではないか? 利用価値が著しく低下している土地の評価を検討
14. 地下に埋設物がある土地ではないか? 利用価値が著しく低下している土地の評価を検討
15. 騒音・悪臭・土壌汚染がある土地ではないか? 利用価値が著しく低下している土地の評価を検討
16. 生産緑地に指定された農地ではないか? 生産緑地の評価を検討
17. 登記された土地の面積と実際の地積は一致しているか? 現地測量により土地の地積を測定して評価
18. 登記された土地の地目と実際の使用状況は一致しているか? 実際の使用状況に応じて評価
19. 一筆の土地の上に複数の貸家が建っていないか? 現地調査して利用状況に応じて評価
20. 路線価が建築基準法上の道路ではない道に付されていないか? 路線価の影響加算を除外して評価
21. 2つの道に面した土地なのか、カーブした道に面した土地なのか? 角度と接道面積で判断して評価

このように土地については、非常にたくさんの補正の可能性があります。 それぞれについて、「補正ができるかどうか」「補正率はいくらになるか」を検討する必要があります。 ご自身の土地が補正の対象になるのか、補正はいくらになるのかがわからないという方は、お気軽にお問い合わせください

葬儀費用はどこまで入れられるのですか?

葬式費用は相続税の計算上、財産から控除されますが、「どこまでが葬式費用に含まれるか」については、相続税法基本通達に列挙されています。

《葬式代に含めてよいもの》

  • 通夜や告別式の費用として、葬儀会社に支払ったもの
  • 葬式の生花代
  • 通夜や告別式でかかった飲食費用
  • 葬儀に関しお手伝いしてもらった人への心付け
  • 霊柩車の費用
  • 納骨費用
  • 通夜や告別式当日に参列者に渡す会葬御礼費用
  • お寺などへ支払ったお布施、戒名料、読経料など

《葬式代に含めてはいけないもの》

  • 香典返し
  • 初七日、四十九日等の法事費用
  • 墓石や墓地の買入れ費用や、墓地を借りるためにかかった費用

相続専門税理士はこう見る!葬儀費用の落とし穴!

葬儀に掛かった費用で、葬儀社費用や出前などの飲食代など、葬儀の期間中に受け取った領収書は、全部残しておくことが原則です。その領収書をもって、相続税控除を申告する際の証拠になるからです。

しかし、僧侶に支払ったお布施、手伝ってもらった人への心付けなどは領収書がありません。また領収書を無くしてしまうこともあるかもしれません。こういった場合は、基本的に領収書がなくても、お寺の名称、所在地、金額、支払日等書いておいたら認めてもらえます。

また近年は告別式の日に初七日までを含めて執り行うことがあります。この場合には、告別式と初七日を明確に区分できないため、その費用に関してはお葬式費用として取り扱われ、控除することが出来ます。

取り扱いが難しいのが、遠方から葬式に参加するために来てくれた親戚等に出した電車代金やホテル代金の取り扱いです。何泊するかなど、ケースバイケースでの判断となりますので、疑問をお持ちの方は無料相談をご利用ください

相続専門税理士はこう見る!その他のマイナスできる財産の落とし穴!

故人がお亡くなりになる前に入院をしていた場合、その医療費の取り扱いも重要です。

大きくは、医療費を相続人が負担していたのか、故人が負担していたのかで代わってきます。
相続人が負担した場合、相続開始前に支払った医療費も相続開始後に支払った医療費も、故人の医療費を立て替えてしはらっていたと考えますので、債務控除の対象となります。

また、故人と相続人が生前、生計を一にしていた場合には、相続人の所得税の計算において医療費控除の対象になります。 医療費を故人が負担した場合、相続開始後の支払いについては、亡くなったあとに被相続人が自分の医療費を支払うことはできないので考慮の対象外とします。 相続開始前の支払いについては、債務控除というよりは、支払った医療費分だけ現預金が減少していることになるため、その分相続税も減ることになります。

小規模宅地の特例が使えるのかどうか判断に困っています。

小規模宅地の特例は判定が非常に複雑で難しいものです。専門家でも判断に迷うケースがあります。下記にフローチャートを作成しました。

居住用家屋の敷地の特定判定フローチャート

事業用宅地の特例判定フローチャート

相続専門税理士はこう見る!小規模宅地の落とし穴!

小規模宅地の特例の典型的な判断は上記のフローチャートで判断できますが、実務上は例外も多く、非常にケースバイケースの判断を求められます。
たとえば、下記のようなケースです。

  • 故人が亡くなる前に老人ホームに入っていた場合
  • 2世帯住宅の場合
  • 土地を複数持っている場合
  • 故人と配偶者が共有名義で所有していた土地の場合
  • 海外にある不動産の場合
  • 相続してから申告までの間に家を取り壊した場合 等々

このようなケースに対しては、税理士でも判断に迷うケースもあり、全てのケースをご紹介することは不可能です。

「自分の土地が小規模宅地の特例に該当するかどうか」ということをお知りになりたい方は、弊社の無料相談をご利用ください。

また遺産分割がまとまらず、期限内に遺産分割が完了しそうにないという場合もあります。小規模宅地の特例の適用を受けるためには、原則的には期限内に遺産分割を完了させることが要件となりますが、税務署長に対して次のような手続きを取ることで、適用を受けることができます。

  • 「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類を申告書に添付する
  • 分割協議が完了してから4ケ月以内に更正の請求を行う

この手続きを行うことで、遺産分割が完了後、納めた税額と小規模宅地の特例を適用した税額との差額が還付されます。

他にも、私たちはこんなこだわりで申告書を作成しています。

私たちは、相続税専門の税理士として、
「納めるべき税金が最も少なくなるように計算する」
「税務調査で税務署に指摘されない申告書を作る」

という2つの視点から、ご依頼を受けた相続税申告を行います。

特に税務調査に関しては、税務調査で調査官が調べる方法と同じ作業を行うことで、申告書の品質を高めています。
ここでは私たちが「実際にどんなことをしているのか」の一部をご紹介させてもらいます。

5年間の預金移動を全て確認

相続発生時から遡って5年分の通帳のコピーをいただき、入出金を確認させていただいております。
その中で、税務調査で質問が来ると予想されるお金の動きについては、先に内容を確認させていただきます。
特に注目をしているのが、「名義預金」と言われる可能性がないかです。
家族名義の預金であっても、資金の出どころが故人のときは、故人の財産とみなされ、相続税の対象になることがあります。
また、相続開始前の3年以内の贈与された財産も相続税の対象になりますので、そういった資金の移動の有無についても確認をします。

直前引き出しの確認

相続直前で大きな金額の引き出しがあると、故意に課税を逃れるためのものではないかと疑われます。
実際の調査でも、手持現金の申告漏れは多く、そういった点からも税務署からすると確実に調査する項目になります。
私たちは、税務署が見てくるであろうポイントを先回りして確認し、申告漏れがない申告を行います。直前の引き出しは、実務上は葬式費用の支払いなどに充てるための引き出しであったりすることが多いのですが、時間が経過すると失念するものです。
早めに何に使ったかを確認し、メモを残しておくようにしてください。

障害者控除、相次相続控除等の各種控除

法定相続人が障害をお持ちのときは、相続税の控除を受けることができます。
高齢の配偶者が相続する場合などは、障害者控除の適用があるかどうかを確認することが必要です。
税法では障害の度合いによって、「一般障害者」と「特別障害者」の2種類が定められています。

【一般障害者】

・身体障害者手帳上の障害等級が3級~6級
・精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が2級又は3級

【特別障害者】

・身体障害者手帳上の障害等級が1級または2級
・精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が1級

障害者控除の金額は、一般障害者が1年あたり10万円、特別障害者が1年あたり20万円となっています。
障害者控除は相続人の年齢が満85歳までを控除の対象としており、相続人の年齢が若いと控除額が大きくなる仕組みとなっています。
例えば相続人が50歳であれば85歳まで35年間ありますので、障害者控除の金額は、「1年あたりの控除額×35」として計算します。
障害者控除以外にも、10年以内に2回以上の相続税が発生した時は「相次相続控除」、法定相続人に未成年がいる場合には「未成年者控除」などいろいろな特別控除が相続税にはあります。
弊社ではあらゆる特別控除の可能性を検討して、少しでも税金が安くなるように申告をお手伝いします。

二次相続を見越した遺産分割提案

次の相続も視野に入れて、今回の相続と次の相続の合計の相続税が一番安くなるようにシミュレーションをすることが「二次相続対策」です。

二次相続は、もともと配偶者が持っていた財産の金額や、配偶者の健康状態、配偶者の生活費、今後の節税などを総合的に加味してシミュレーションする必要があります。
弊社では、オリジナルの二次相続シミュレーションをご用意しておりますので、将来を見越した遺産分割や、今後の節税をご提案させていただきます。

相続税申告を自分でしようと思っていた方から途中からご依頼をいただくケースは、こういうケースです

  • 自分で申告をしようと思っていたが、難しそうだ
  • 申告期限が迫ってきて、自分で申告するのが難しい
  • これで正しい申告書なのか不安だ
  • 税務調査のリスクが怖い
  • 税務署に相談に行ったら税理士に相談するように言われた

相続税申告を自分ですることは、理論的には不可能ではありません。
しかし、多くの方が税理士に依頼をされます。
税理士に依頼する主な理由は次のようなものです。

1.税務調査への懸念がある

税理士のハンコがない申告書は、税務署の中でしっかりチェックされる傾向にあるようです。
専門でない人が作るとミスが発生している可能性が高いからです。これは税務申告書の一番最初の用紙に税理士の署名欄があるという点からもうかがえます。

弊社の場合、税理士の署名欄にハンコを押印することはもちろんですが、さらに「書面添付」という税理士の保証書のような制度を積極活用しています。
書面添付とは、税務署に対して、今回提出する申告書は正しい相続税法に則った品質の高い相続税申告をしていることを示す書類です。
その結果、お客様のところで実地の税務調査が行われる可能性は非常に低くなっています。

2.土地の評価など自分で計算したものが正しいのかわからない

通常、一般の方が相続税申告をされるのは人生に2回あるかどうかです。
土地の評価や小規模宅地の特例の適用など、細かい解釈ができないことは当然のことです。
相続税は、税理士試験の中でも難解で有名な税法です。
そういった難解な相続税を、一般の方がされること自体が非常にハードルの高いことと言えるでしょう。まして、申告期限があるものですから、10ヶ月という期間内で申告書を作成しなければいけません。
税務署は一般の方だからと言って、間違った申告書を許すことはありませんので、「期限内に正しい申告書を税務署に提出する」というのは、想像以上にハードルの高いことだとご理解ください。

3.税務署に相談に行ったら税理士に聞くように言われた

税務署で相続税の申告をしてくれるかというと、税務署は相続税の計算をしてくれません。
簡単な質問であれば教えてくれることもありますが、相続税申告そのものを手伝ってくれることはないのです。「詳しくは税理士に聞いてください」と言われてしまいます。

弊社には、社内に税務署出身の税理士がいますので、税務署で相談することのデメリットもよくわかっています。税務署での相談は、すべて相談日や名前などの情報が残されますので、相談から税務調査の対象になる可能性もあるわけです。もちろん税務署では節税の話はありません。


平日は21時まで土日祝も面談しております。
  • お電話でのお問合わせ:0120-169-760
  • お電話でのお問合わせ:0120-991-664
  • メールでのお問合わせ
ご相談・お問合わせ窓口

トップページへ戻る