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最終更新日:2022/5/26

遺言書とは?書き方・種類・効力・無効になるケース・開封の注意点まで完全解説

古尾谷 裕昭

この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

ベンチャーサポート相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、横浜、千葉、大宮、名古屋、大阪、神戸など全国の主要都市22拠点にオフィス展開し、年間2,200件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。 業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

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書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
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遺言書とは?書き方・種類・効力・無効になるケース・開封の注意点まで完全解説

この記事でわかること

  • 遺言書とは?
  • 遺言書の効力
  • 遺言書が無効になるケース
  • 遺言書の3つの種類とそれぞれの特徴
  • 遺言書の書き方
  • 遺言書を誤って開封してしまったときの対処法
遺言書が必要なのはお金持ちの家庭だけという認識は誤りです。なぜなら、裁判所の統計を見ても、財産が5千万円未満の家庭の遺産争いが全体の7割以上を占めています。
遺言書を書くのはとても難しい・ハードルが高いと考える方が多いようです。そこで、これを読めば遺言書のことがすべて分かるように専門家が解説しました。遺言書の効力や無効になるケースなど特に注意すべきポイントを強調してお伝えしていますので、遺言書を書く前には必ずご一読ください。

遺言書とは

遺言書とは
自分が亡くなった後の財産について、誰に何を分配するかの意思を表示するのが遺言書です。 遺言書を残す一番の効果は、相続争いを未然に防ぐことです。 ただし、遺言書の内容は民法で定められた様式を守らなければ、無効となってしまいますので細心の注意が必要です。

遺言書は勝手に開けてはいけない

自筆証書遺言は、相続発生後も勝手に開封してはならず、必ず家庭裁判所による検認の手続きを経て開封しなくてはなりません。 しかし、勝手に開封してしまった遺言についても、遺言書の効力そのものは有効であることを覚えておいてください。

遺言書の内容は法定相続よりも優先される

民法では「法定相続分」といって、各相続人の取り分として法律上定められた割合がありますが、遺言書が残されている場合はこの法定相続分を無視して遺言書の内容どおりに遺産分割が行なわれます。

遺言書が無い場合にはどうなる?

もし遺言が残されていなかった場合には、民法という法律のルールに従って遺産が分割されることになります。 民法のルールも一応は平等な分割となるように配慮がされていますが、例えば「配偶者は2分の1、子はそれぞれ4分の1…」というように、ごく大まかな規定があるにすぎません。
そのため、遺言がない場合には相続人全員が集まって具体的な分割の方法を細かく話し合いで決める必要が生じます。 この話し合いを遺産分割協議といいます。 また、遺言で指定されていない財産も協議しなければなりません。 利害関係を持つ当事者どうしが財産をめぐって話し合いを行うわけですから、どうしてもトラブルになる可能性が高くなります。

遺言書の効力

遺言書には次の4つの効力があります。

遺言書の効力

  • 遺言書で自由に財産の分配ができる
  • 遺言書で相続させない人を決められる
  • 遺言書で自分の子供だと認知できる
  • 遺言執行者を指定できる
それでは1つずつ見ていきましょう。

遺言書で自由に財産の分配ができる

遺言では、だれに財産を渡すかを自由に決めることができます。 法定相続人ではない第三者に財産を譲り渡すことも可能ですし、企業や慈善団体などの組織に財産を寄付することもできます。 また、誰に渡すかを決められるだけでなく、どの財産をいくら渡すかまで自由に決められます。 ただし、「遺留分」について考慮しないと、遺言書を残していても相続争いになる恐れがあるのでご注意ください。

遺言書で相続させない人を決められる

遺言では「この人を相続人として認めない」という内容を残すこともできます。これを相続廃除といいますが、ひどい虐待をされたケース等、廃除するだけの理由がなければ家庭裁判所で認められないこともあり、利用されることはかなり稀です。

遺言書で自分の子供だと認知できる

自分の子であると認める「認知」は、普通は生きている間に行いますが、遺言によって行うこともできます。 平成25年の法改正以前は「非嫡出子(認知された子)の相続分は、嫡出子の2分の1」というルールがありましたが、現在このルールは削除されています。 つまり、遺言によって認知された非嫡出子は、嫡出子と同様に相続人の順位や遺産分割の権利を有することになります。

遺言執行者を指定できる

遺言書の内容が確実に実現されるように、遺言執行者を遺言の中で指名しておくことも可能です。 遺言執行者に指定された人は、遺言の内容どおりに預貯金口座を解約したり、不動産の名義変更を行ったりといった事務を行う権限が与えられます。 遺言執行者には、相続人または弁護士・行政書士・司法書士などの専門家が指定されることが多いです。

遺言書が無効になるケース

遺言書は正しい様式で書けば、有効に残すことができます。 しかし、一見有効な様式であったとしても、遺言の内容的な不備や修正加筆の方法のミスで遺言が無効になることは少なくありません。
遺言書の内容が無効になる代表的なケースは次の通りです。

遺言書が無効となる5つのケース

  • 加筆や修正方法の間違いがある
  • 遺言書の内容が不明確
  • 遺言書の内容が利害関係者が書かせたと思われる
  • 遺言能力が認められない
  • 複数人が共同で遺言している
遺言書が無効になる5つのケースと実際の判例の詳しい内容については、以下の記事をご覧ください。

遺言書の3つの種類

遺言書の種類
遺言書には大きく3つの形式が認められています。それぞれの遺言書の種類とメリット・デメリットは次の通りです。
メリット デメリット
自筆証書遺言 費用がかからない
・自分一人ですぐ書ける
・書き方の不備で無効になることがある
・他人による改ざん・紛失の可能性がある
・遺言の存在を気づかれないことがある
・開封時に検認の手続きが必要
公正証書遺言 確実に有効なものが作れる
改ざん、紛失の心配がない
・遺言を自筆しなくてもよい
・遺言の存在の有無を確認できる
・開封時の検認が不要
・公証役場手数料がかかる
・公証役場とのやりとりに手間がかかる
・証人2名(他人)が必要
秘密証書遺言 内容を秘密にしておける
・遺言を自筆しなくてもよい
・改ざんの心配がない
・遺言の存在の有無を確認できる
・書き方の不備で無効になることがある
・11,000円の費用がかかる
紛失することがある
・公証役場とのやりとりに手間がかかる
・証人2名(他人)が必要
・開封時に検認の手続きが必要
それでは1つずつ解説します。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は遺言者が自分で手書きをして実印を押すだけで完成する、もっとも簡単な遺言の形式です。 しかしながら、「記載不備による無効」「遺言書が無くなる」「遺言書が発見されない」等のリスクがあります。中途半端な知識で書いた自筆証書遺言は、逆に相続争いを誘発することすらあります。
自筆証書遺言書の書き方については以下の記事をご覧ください。

関連動画

公正証書遺言

公正証書遺言は手数料こそかかりますが、公証役場において公証人の面前で作成するため有効性が担保され、意思どおりの内容を確実に残すことのできるお薦めの遺言形式です。 2名の証人の立ち会いが必要ですが、適任者が見つからなければ公証役場が有料で手配してくれます。
公正証書遺言の作成手続きや費用については以下の記事をご覧ください。

関連動画

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、公証人と証人2名に「遺言の存在」だけを証明してもらい、遺言の内容は秘密にしておく遺言の形式です。 手数料がかかる上に自筆証書遺言のデメリットを解消できないため、あまりお薦めできない方法で、現に全国で年間100件程度しか利用がありません。

自筆証書遺言と公正証書遺言が利用されている数

近年の、自筆証書遺言と公正証書遺言が利用されている数は下記の表のとおりです。(日本公証人連合会および司法統計を参照) 自筆証書遺言は、誰もが自由に作成できるため作成数を公に把握することができないので、家庭裁判所に持ち込まれた「検認」の数を掲載しています。
自筆証書遺言と公正証書遺言が利用されている数

遺留分について

配偶者や子供などの法定相続人には「遺留分」と呼ばれる相続権が保証されています。この権利を侵害する内容の遺言も残すことができますが、侵害された相続人から争いに発展してしまうと、そもそも相続争いを無くすためという目的が果たせず遺言が失敗に終わってしまいます。遺言を書く段階で配慮しておきましょう。
遺留分については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

遺言書の書き方

自筆証書遺言を書く場合、自分で文章を考えるのではなく既に正しい様式で書かれた遺言書の中から、自分の家族構成や財産分配の内容が近い文章例を参考にして、一部を書き換える方法がおすすめです。 一般的な内容の自筆証書遺言のサンプルを掲載します。Word形式でダウンロードすることも可能ですのでぜひご自由にお使いください。
その他の遺言書の書き方・文例・見本・サンプル集もご覧いただけます。

 

遺  言  書


 
遺言者 銀座 大見は、以下の通り遺言する。

  1. 遺言者は、遺言者の有する次の財産を、遺言者の妻 銀座 丸子(1962年1月2日生)に相続させる。
    1. 土地
      所在/東京都中央区銀座1丁目
      地番/23番45
      地目/宅地
      地籍/84.22平方メートル
    2. 建物
      所在/東京都中央区銀座1丁目
      家屋番号/23番45
      種類/居宅
      構造/鉄筋コンクリート造
      床面積/1階 75.12平方メートル 2階 55.89平方メートル
  2. 遺言者の死亡以前に妻 銀座丸子が死亡している場合には、遺言者は同人に相続するとした前条の不動産を長男 銀座丸一郎(1985年2月3日生)に相続させる。
  3. 遺言者は、遺言者の有する次の財産(株式、債券を含む金融資産)を長男 銀座丸一郎(1985年2月3日生)、次男の銀座丸次郎(1987年3月4日生)に相続させる。相続割合はそれぞれ二分の一ずつとする。
    1. 遺言者名義の預貯金および債券
      ①三菱UFJ銀行 銀座支店(口座番号1122330)
      ②みずほ銀行 銀座支店(口座番号4455660)
  4. 遺言者は、遺言執行者に次の者を指定する。
     東京都渋谷区渋谷1丁目15番21号 ポーラ渋谷ビル8階
     ベンチャーサポート行政書士法人
  5. 付言事項
     丸子、丸一郎、丸次郎と一緒に過ごせた日々は幸せでした。どうもありがとう。
     丸一郎、丸次郎、お母さんのことを守ってやってくれよ。

令和2年1月31日
 住所 東京都中央区銀座3丁目7番地3
 遺言者 銀座 大見  

自筆証書遺言が有効であると認められるには、検認を受け、手書きであることと署名・押印してあること等の条件が揃っていなければいけません。そのため、検認を受けるまでは、遺言書が有効かどうかを判断することができないので覚えておきましょう。

遺言書を開封してしまったら?

遺言書を誤って開封してしまったときには、(1)遺言の効力と、(2)開封してしまった人へのペナルティの2点が問題になります。 以下、順番に説明します。

(1)遺言の効力

結論から言いますと、遺言書を誤って開封してしまった場合にも、遺言書の効力そのものには影響がありません。 ただし、開封した遺言書を他の相続人から隠したり、内容を書き換えたりといった行動をとってしまった場合には、相続人となる権利を失ってしまう可能性があります。
もちろん、自分から「私が遺言書を書き換えました」と正直に申告する人は普通いないでしょう。 後から遺言書の内容が問題となった場合には、「この人は遺言書を勝手に開封したことなどに鑑みて、遺言書を書き換えた可能性が高い」と裁判所などから判断される場合があります。

(2)開封してしまった人へのペナルティ

遺言書を正式な手続き(家庭裁判所による検認手続き)を経ずに開封してしまった場合、5万円以下の過料が課せられる可能性があります。 ただし、実際には遺言書開封によりこの過料が課せられるケースは非常にまれです。

遺言書を専門家に相談する

遺言書は書き方や保管方法・開封のルールが複雑でわかりづらいものです。 遺言書を正しく書いていても、遺言書の保管方法が間違っていると遺言の内容が無効になってしまうことがあります。自分の財産を正しく相続してもらうためには、遺言書の保管方法も重要になります。
また、たとえ遺言者が遺言書の保管方法や開封のルールなどを詳しく知っていても、第一発見者となる相続人が扱いを一歩間違えてしまうと無効になる可能性もあります。 自筆証書遺言が無効にならないためにも弁護士や税理士など遺言に詳しい専門家に相談しましょう。公正証書遺言を作成する際も専門家に相談することをおすすめします。
公正証書遺言で公証人が確認してくれるのは、書式などの手続き面での不備がないかのチェックだけです。財産分割についての一般的なアドバイスをもらえることもありますが、相続税の対策や将来の2次相続についてのシミュレーションまではしてくれません。
遺産相続トラブルに適切に備えるためには、できるだけ早いタイミングで各分野の専門家の助言を受けるのが適切と言えるでしょう。
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